賃貸物件の原状回復はどこまでやればいい?管理会社の言いなりにならない知識

原状回復

原状回復は、賃貸契約ではつきものと言ってもいいくらいトラブル件数が発生しているものです。国民生活センターに相談されているものだけでも、年間約14,000件の相談があります。相談されずに泣き寝入りしているものを考えるともっと多くなっていることでしょう。基本的には、管理会社は大家さんの味方なので、敷金は全額取ろうと思っているでしょうし、修繕費を全て負担してもらおうと考えている大家さんが多いでしょう。しかし、知識を持って対応することで、大家さんが負担するべきものを支払う必要が無いと管理会社に伝えるだけで対応が変わります。

原状回復は、裁判所が認めているものだけを支払えば良いのです。それを伝えるだけなので、ちゃんとした知識を持って管理会社や大家さんに敷金を取られないようにしましょう。

借りた状態に戻すのが現状回復ではない

よく勘違いされるのが、借りたときの新品の状態にしなければいけないと思っている人たちです。例えば、「壁紙(クロス)は新品。畳は新品。網戸も新品。」。これらは全て大家さんが負担しなければいけないものです。賃貸契約書には、畳は新品に変えるようにすることと、ハウスクリーニング代は○○万円かかりますということが書かれています。しかし、これらは借りたほうが負担しなくて良いものなのです。

家は住んでいれば汚くなっていくものです。テレビを設置している裏が黒くなったり、畳が日焼けしたりは絶対にあります。これは負担しなくてもいいとなっているので勘違いしないようにしましょう。特に畳は99%契約書に書かれていることなので、断固として拒否するようにしましょう。

大家さん(貸主)が負担すべきものとは?

鍵

ここでは大家さんが負担するべきものをまとめました。

  • ボードの張替え不要な、画鋲などの小さい穴。
  • テーブルや椅子などの家具で付いた床の凹みなど
  • クロスや畳などの日焼けによる変色
  • テレビや冷蔵庫の後ろについて黒ずみなどの電気ヤケ
  • エアコンなどの設置機器の故障(寿命など)
  • 鍵の交換費用

多くの賃貸物件の場合、全てが請求されてしまうことです。特に畳や鍵の交換費用は契約書に書かれることですので、何の疑問も持たずに支払っている人も多いのではないでしょうか。鍵の交換は、国土交通省が決めたルールでは大家さんが負担するとなっていますが、強制力がないため、借りる人が負担することが多くなっていますね。逆に鍵の交換が明記されていない場合には、鍵の交換をしていない可能性もありますので確認するようにしましょう。

クロスや畳、フローリングやカーペットなども普通に使ってキズがつくのは大家さんの負担だとなっています。タバコのヤニやコーヒーなどをこぼして汚してしまった場合には、借りた人の負担になってしまいます。

借り主が負担しなければいけない時とは?

  • フローリングに家具を引きずって付けたキズ
  • カーペットにコーヒーやジュースをこぼしたシミ
  • 引越しなどで付けた引っ掻きキズ
  • 油や水ハネの掃除を怠ってできたカビやシミ
  • 風呂やトイレの水垢やカビ
  • エアコンから出てきた水でできたカビなど
  • ペットによる壁や柱のキズ、換気で取れないニオイ

故意や不注意で汚れてしまったものに関しては、負担しなければいけないということです。カーペットのシミなどは、こぼした後に適切な処置をすれば負担しなくても良いという判例もありますが、境界線が曖昧なのであまり期待しない方がいいでしょう。

注意しなくてはいけないのが、設置されてあるエアコンやトイレなどの水漏れでできたカビなどです。これは水漏れができたら大家さんや管理会社に連絡して処置してもらうのが当たり前です。「水漏れなどに対しての対策をやっていなければ、あなたの責任ですよ。」ということなので、きちんと連絡して対応してもらうようにしましょう。もちろん、水漏れの原因があなたが壊してしまったということならあなたの負担になります。

ペットが付けたキズなどは、故意と判断されますのであなたが負担です。ペット可の物件だと、敷金を多く支払っていることが多いので、修繕費として敷金から相殺されることが多いかと思います。

裁判所の判例は、通常損傷分は貸主負担。故意過失は借り主負担

裁判所

上記で説明した大家さんが負担することと借りた人が負担することを簡単に説明すると、普通に使っていて付いてしまうキズや日焼けなどは大家さんが負担すること。借りた人の不注意で付いたものは借りた人が負担すること。裁判所がこのように定義しています。

普通に考えれば、小学生でもわかることだと思います。生活してて付くキズや日焼けはしょうがないよね?と言っているだけなのです。しかし、大家さんはお金は出したくないので、借りた人から出してもらおうと色々とやってきます。基本的には管理会社の人と話すことになるかと思いますが、管理会社の人もわかって請求してきています。逆に、負担しなくても良いものに関して、借りた人がきちんと断れば、無理に請求してくることはありません。堂々と支払いを断るようにしましょう。

原状回復のトラブルは、年間14,000件。国民生活センター

国民生活センターに相談

原状回復って賃貸で一番起こってしまうトラブルなんです。その証拠に国民生活センターへの毎年の相談件数が約14000件もあるそうです。なぜこういったトラブルが起こってしまうのかというと、結局はお金ですね。借りている人はできるだけ敷金を取り戻したい。大家さんは修繕費を手持ちから出したくない。という双方の自己中が出ちゃっています。

これらは仕方がないと思うのですが、たまに「マジで?」というような原状回復費用を請求されてしまうこともあるそうです。下記でも紹介していますが、国民生活センターに寄せられている相談の中で、110万円の原状回復費用を請求されていたということがあったそうです。2年間住んでいるだけでそれだけの請求とはボッタクリの空気が出ていますが…。この110万円の費用がかかるって、「工事費としてかかるよ。」と言われてしまえば負けてしまう可能性がありますよね?工事費は業者によっても変わってくるでしょうし、使う材料によっても変わります。しかし、110万円はやりすぎかと…。普通に生活している人であれば、支払わなくても良いものも含まれているでしょうから、理論的にお話をして解決するようにしましょう。

下記が国民生活センターに寄せられている相談をまとめているものです。参考に見て下さい。

  • 賃貸アパートの大家から建物の老朽化を理由に退去を求められているが、引っ越し費用に比べ立ち退き料が少なく納得できない。
  • 8年間居住した賃貸アパートを退去した。ハウスクリーニング代等高額な修繕費用を請求された。払わなければいけないか。
  • 娘夫婦が2年居住した賃貸住宅を退去したが、原状回復費用として110万円請求された。どう対処すればよいか。
  • 震災で被災し賃貸アパートに住めなくなったため退去したが、住めなかった期間の家賃や退去費用を請求された。納得できない。
  • 8カ月間だけ住んだ賃貸マンションを退去したら、高額な修理費を請求された。いくら支払うべきか。
  • 最近、賃貸マンションを退去した。立会い時に「修繕箇所はない」と言われたのに、後になって修繕費を請求されている。納得できない。
  • 娘が8年間居住した賃貸アパートを退去したところ、契約書にないエアコンクリーニング代等を請求された。敷金を上回っている。どう対処すればよいか。
  • 賃貸アパートの退去時に、加湿器の水漏れで床が一部変色していた。床を全面張り替える費用を請求されているが、納得できない。
  • 契約した賃貸マンションが事故物件だとわかった。2日後に解約したが、敷金しか返還されなかった。納得できない。
  • 娘が賃貸アパートの契約をした。ところが、玄関の床がへこみ、部屋のカーペットにカビがあり、住める状態ではない。修理してほしい。

まとめ

原状回復に関してはトラブルがつきものです。本来支払わなくてもいいものを契約書に書くという意味がわからないことをしているのが、大家さんであり不動産屋さんです。

私が10回以上引越しをしてきた経験上、畳の交換費用に関しては支払ったことがありません。「契約書に書かれているし、支払って下さい。」と言われたことがありますが、「支払う必要が無いと言われているものに関して支払う気はありません。」とキッパリ話したら、それ以上請求されることはありませんでした。

ハウスクリーニングに関しても、基本的にはキレイに掃除をすれば支払わなくてもいいということですが、「あなたがキレイに掃除した。」と言っても、客観的に見たらまだまだ汚いということもありえます。ですから、私はハウスクリーニングに関しては支払ってきました。掃除をするのが面倒だということもありますしね。

妥協してあげることで、管理会社さんも納得しやすくなりますので、「敷金を全額回収する!」という気持ちで話すのではなく、「折半にしよう!」というくらいの気持ちのほうが管理会社さんも柔軟に対応してくれるのではないかと思います。管理会社さんも人間ですし、請求できないことは知っていますから。お互いの妥協点を探り合って、できるだけ多くの敷金を返金してもらいましょう。

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