疲れている時や、ストレスがたまっていると無性に食べたくなるチョコレート。
ダイエット効果や美容効果まであるとささやかれているチョコレートですが
- なぜ無性に食べたくなるのか?
- 健康やダイエット・美容効果はあるの?
- 本当に鼻血が出るの!?
などなど、たくさん疑問が出てきます。
大好きなチョコレートを楽しみつつ、健康できれいになりたいですよね!
チョコレートについてさまざまな疑問を明らかにしていこうと思います。
無性に食べたくなる理由は
疲れていたり、仕事などの合間にチョコレートを食べると、ほっとしたり幸せな気分になりますよね。
そんなにお腹が空いていなくても手が伸びてしまったり、
「ちょっとだけつまみ食い」という感覚で食べ始めたのに、気が付くと完食していたなんてことも。
その理由について調べていくと、気分だけの問題ではなく
足りていない栄養素を補おうとしている体からのSOSのサインの場合があるそう。
原因1 脳の衝動的な欲求
チョコレートが食べたい!と衝動的になってしまうのは砂糖が原因になっていることがあります。
糖質の中で砂糖は、ブドウ糖として素早く吸収することができます。
砂糖によって血糖値が急激に上がり、幸せホルモンと言われるドーパミンやセロトニンが分泌されることで、幸せな気分を感じることができます。
しかし急に上がった血糖値を下げようと、インスリンというホルモンも一気に分泌されるので、血糖値が急に下げられます。
結果、血糖値が下がりすぎて、低血糖状態になるとイライラや不安が出てくるのです。
疲れたときやストレスを感じるたびに、甘いものを食べて幸せな気分を感じるようになると
脳は「砂糖を取ることで幸せになれる!」とクセになってしまうのです。
また、糖分を消化するためにはビタミンやミネラルも必要になります。
チョコレートには糖分・ビタミン・ミネラルも含まれているので
必要な栄養素を手っ取り早くとれるのですね。
私たちは意識をしていなくても、体が勝手に必要な栄養素を求めていることがわかりました。
衝動に任せて、無意識のまま食べたいものを食べていると、自分自身で病気にしてしまう可能性がありますね。
原因2 チョコレートが生理で失われる栄養を補っている
女性なら生理前にチョコレートが食べたくなることがあるようですね。
これも「砂糖を取ることで幸せになれる!」と脳が覚えてしまったことが原因になります。
生理前にはセロトニンというホルモンが減るので、イライラしたり悲しくなるなど感情の起伏が激しくなります。
セロトニンを増やすにはブドウ糖が必要なので、チョコレートを食べる手っ取り早さを知ってしまった脳は
「今すぐ甘いものを食べて!」という指示を出してくるのです。
そして、生理によって失われるマグネシウムなどのミネラルを補うためでもあります。
生理の時に必要な栄養もチョコレートには含まれているのですね。
一方でチョコレートには、血管や子宮を収縮させるチラミンという成分が含まれています。
砂糖の有無に関係なく、食べすぎると生理痛を引き起こす場合があります。
生理中の辛い症状がある場合は、チョコレートを控えた方がよさそうですね。
原因3 マグネシウム不足とたんぱく質不足
低血糖や、セロトニンの減少と同じようにマグネシウム不足も、イライラや頭痛の原因になることも。
体内のマグネシウムの濃度を保つために骨からマグネシウムが放出され、骨粗しょう症を招くこともあるのだとか。
実は糖分が欲しいと感じるときは、たんぱく質が不足している場合もあります。
特にたんぱく質の一種であるトリプトファンという成分からセロトニンは作られています。
糖分をとってからセロトニンが分泌されるまでには、インスリンの濃度が上がることで
トリプトファンが脳に供給され、セロトニンが作られる仕組みになっているのだそう。
チョコレートを食べたい衝動に駆られたら、マグネシウムとミネラル、トリプトファンが含まれる食材を食べるようにしましょう。
マグネシウムやたんぱく質は大豆製品、ナッツ類、海藻類・バナナなどを代わりに食べるようにしてください。
トリプトファンはお肉・魚・卵・チーズなどの動物性たんぱく質に多く含まれています。
バランスのいい食事は健康な体を作るだけでなく、精神面での安定にも欠かせないものなのですね。
チョコレートにまつわる気になるウワサ
チョコレートを食べると
- 鼻血が出る
- 虫歯になる
- ニキビができる
これらの話はよく耳にしますよね。
実際、チョコレートを食べ過ぎてニキビや虫歯になった経験があるかもしれません。
話しを聞いて「そうなんだ…」と今までは流していましたが
改めて調べると、チョコレートは直接の原因になっていないことが判明!
鼻血がでる
結論から言うと医学的な根拠はないようです。
そのように言われるようになったのは、いくつかの説があるようです。
- カカオには毛細血管を刺激する成分があるので鼻血がでやすくなる。
- 昔チョコレートは高級だったので子供の食べ過ぎを防ぐために母親が言い出したという説です。
毛細血管を刺激する食べ物は他にもありますし、チョコレートだけが原因で鼻血が出るとは考えにくいです。
また、子供の食べ過ぎを防ぐために
「チョコレートを食べ過ぎると血糖値が急激に上がり、それを下げるためにインスリンが出て…」と説明してもわかりません。
簡単に納得させるには、鼻血が出るという方が都合がよかったのかもしれませんね。
そういわれても、本当に鼻血が出るのか試したくなるのが子供心ですが…
虫歯になる
鼻血が出ると同様によく言われるのが「虫歯になるぞ」
子供の頃によく言われませんでしたか?
これも、チョコレートが原因で虫歯になるというよりは
チョコレートに含まれる砂糖によって虫歯になるということです。
チョコレートに限らず、飴やキャラメル、コーラなど砂糖が大量に含まれている食べ物は注意が必要です。
ダラダラ食べたり、口の中に砂糖が長時間残ってしまうと
虫歯だけでなく歯周病などの口腔内の炎症を引き起こします。
また、カカオポリフェノールは虫歯になりにくいという研究結果も!
虫歯が気になる場合は、カカオ分70%以上のチョコレートを選ぶのがポイントですね。
食べた後は歯磨きまではしなくても、口をすすぐのがおすすめです。
ニキビができる
せっかくいい気分でチョコレートを味わったのに、何日もニキビに悩まれたら
「チョコレートを食べたらニキビができるなぁ」と食べづらくなってしまいますね。
カカオ分がおよそ70%以上の高カカオチョコレートは、女性に関してはニキビにほとんど影響しないという報告が多いです。
しかし、研究によっては重度のニキビ症の男性は悪化するという報告もあります。
一概にニキビができる・できないとは言い切れませんが、
ニキビの原因はチョコレートに含まれる砂糖や植物油脂の影響が大きいとされます。
また、高カカオチョコレートにはカカオバターが多く含まれています。
良質の油ではありますが、他の食事と合わせると脂質のとりすぎに。
間食で食べることの多いチョコレートの分の栄養も含めて
食事バランスを考える必要がありそうですね。
ペットには毒
チョコレートに含まれる、カフェインやテオブロミンの成分は、犬や猫には中毒になる場合があるそうです。
カフェインは、動悸、興奮、不整脈、ふらつきなどの症状。
テオブロミンは、犬や猫はこの成分を分解・排出する力が弱いため
体内に長くとどまることで、中毒症状を起こしやすくなります。
チョコレートに興味を持って匂いをかぎたがったり、気付かずに落としている場合があります。
少量なら大事に至らないかも知れませんが注意しましょう。
あなたがペットを飼っていなくても、ペットがいるお宅にお邪魔する機会があるかもしれません。
予備知識があるだけでも万が一の事態を防げますね。
でもやっぱりチョコレートが好き!
チョコレートを食べ過ぎてしまう原因や気になるウワサを紹介してきました。
ここまで読んでみて、「もうチョコレートは食べるのを止めよう…」と思いましたか?
「それでも食べたい!」と思っていませんか?
悪さをしていたのは
- チョコレートに含まれる、砂糖や植物油脂。
- ミネラルやたんぱく質などの足りない栄養素があったから
チョコレートは健康や美容にいい食べ物なのです。
モデルさんのようなキレイな人たちが取り入れている
本当のチョコレートの姿を一緒に見ていきましょう!
チョコレートの原材料 カカオ
カカオ豆とよく聞きますが、実はフルーツ。
カカオの実(カカオポッド)を割ると粒の大きな白い果肉(カカオパルプ)が、トウモロコシのような状態で入っています。
チョコレートになるまでの工程
私たちが普段食べているチョコレートになるまで
カカオニブ・カカオマス・カカオバター・ココアと、様々な状態に変化していきます。
- カカオの実から取り出したら、果肉の糖分を利用して発酵させる。
- 発酵が進むと果肉が溶けて、茶色いカカオ豆(種子)が出てくる。
- カカオ豆を焙煎機にかけ、熱を加えて香りを引き出す。
- クラッシャーでカカオ豆を砕き、皮を取り除くとカカオニブになる。
- カカオニブにはカカオバターという脂肪分が含まれているので、すり潰すとペースト状になりカカオマスになる。
- カカオマスに砂糖やミルクなどの乳製品を混ぜる。冷やし固めると、私たちが普段食べているチョコレートになる。
- 5の工程のカカオマスを分離させカカオバターのみを抽出し、砂糖などを加えたものがホワイトチョコレート。
- 搾りかす(ココアケーキ)をさらに乾燥させ粉状にしたものがココアパウダーになる。
カカオは主に、赤道付近の南国で栽培されています。
27℃前後で日照時間や降水量、土質などの生育条件がかなり厳しく栽培が難しいそうです。
カカオはチョコレートを作るための原材料として有名ですが、果肉は食べることができます。
ライチのような風味がするようで、ビタミンB1が豊富に含まれます。
日本で果肉を食べる機会はなかなかないですが、最近は果肉のピューレやジュースなどの加工品が販売されるようになりました。
そして、ゴディバの一部の店舗では「カカオパルプジュース」として販売しています。
また、日本でもカカオの栽培に挑戦している企業もあります。
産地によって味が違うと言われるカカオ。
日本産のカカオから作られたチョコレートはどんな味がするのか気になりますね。
チョコレートの種類
チョコレートと言うとダークチョコレート・ミルクチョコレート・ホワイトチョコレートが有名ですね。
最近では、高カカオのチョコレートを始め、ルビーチョコなど聞きなれないチョコレートも存在します。
誰もが知っているチョコレートの意外な栄養素や、新顔のチョコレートの紹介をしていきたいと思います。
カカオニブ
カカオ分100%でナッツのような食感です。
そのままだととても苦く、渋みも感じます。
しかし、栄養価の高さからスーパーフードとして注目されています。
~カカオポリフェノール~
カカオポリフェノールの抗酸化力は、老化の原因になる活性酸素の働きを抑えてくれてます。
動脈硬化を予防したり、アレルギー予防・症状の緩和の効果があります。
~ビタミンE・ミネラル~
ビタミンEも抗酸化力があり「若返りのビタミン」と言われています。
皮膚のバリア機能を高めたり、紫外線や肌荒れの刺激に効果があります。
ミネラルは骨や細胞を強くしたり、体内の栄養素を消化・分解するための酵素のサポートをしてくれます。
~カカオプロテイン(食物繊維)~
カカオプロテインは食物繊維と似たような働きがあり、便通改善や血糖値の上昇を抑える働きがあるそう。
~テオブロミン~
テオブロミンは集中力や思考力を上げてくれるのと同時に、リラックス効果もあります。
カカオニブは食べやすいように周りに粉砂糖がついていて、おつまみ感覚で食べられるものや
アイスやケーキのトッピングに使われたりします。
脂肪分が50~60%含まれているので普段食べているチョコレートより、栄養価が高いですが、脂質も高いことになります。
カフェインも多く含まれているので、スーパーフードも食べ過ぎは害になるので、注意が必要ですね。
ダークチョコレート(ビターチョコ)
カカオマスに砂糖のみが加えられたチョコレートです。
すっきりとした甘みで、大人のチョコレートというイメージです。
しかし、お店で見かけるチョコレートの原材料を見ると、脱脂粉乳やホエイパウダーといった乳成分が混ざっているものが多いです。
一般的なミルクチョコレートより
「甘さ控えめ」という意味合いで、ダークチョコ・ビターチョコと言われていることが多いです。
最近見かけるようになった、カカオ70%や80%の
高カカオチョコレートが食べたいときは原材料のチェックが必要ですね。
ホワイトチョコレート
濃厚なコクと甘みでクリーミーなくちどけが特徴です。
着色料を使ってカラフルなチョコレートを作るためにも使われます。
カカオバターと言われるカカオ豆の脂肪分が主成分になります。
チョコレート特有のココア色や苦みの成分のカカオマスが取り除かれているため
「チョコレートとは違うものなのでは?」と感じませんか?
チョコレート特有のカカオの風味はないので「カカオバターを食べている」という方がしっくりくるかもしれません。
そしてただの脂肪分ではなく、とても栄養価が高いことがわかりました。
~ビタミンA・ビタミンE~
美白効果があり、肌の余計な皮脂を抑えてくれます。
~オレイン酸~
肌の保湿や悪玉コレステロールを減らす効果がある。
~パルミチン酸~
皮膚の代謝を正常に保ち、シワ予防をしてくれます。
~ステアリン酸~
体内に吸収されにくいので、体脂肪になりにくいと言われています。
ダイエットや美容にいいと言われるのはこの成分のおかげなのですね!
ただ市販のホワイトチョコレートには、砂糖などの添加物がたくさん入っています。
ダイエット目的や肌に使用する場合は、無添加のカカオバターを使用するのが安心ですね。
ルビーチョコレート
スイスのチョコレートメーカー・バリーカレボー社が生み出したピンク色のチョコレート。
見た目はイチゴ味のチョコレートかなと思ってしまうのですが、着色料は使われていないのだそう。
味はラズベリーのような酸味とホワイトチョコレートのようなコクがあります。
ルビーチョコレート用のカカオ豆が存在するのかと思ったら違うようです。
バリーカレボー社によると
カカオ豆がルビーカカオ豆かどうかは、種類や原産によって決まるのではありません。カカオ豆にルビーカカオ豆の特徴をもたらし、ルビーの色と味を引き出す前駆物質が自然に存在するものがルビーカカオ豆なのです。
カレボーの100年以上にわたるカカオからチョコレートに至る専門性、そして選別の技術と最新の注意を払った加工技術によって、ルビーカカオ豆が「ルビーチョコレートRB1」となるのです。
着色料もフルーツのフレーバーも一切使用していません。
引用:バリーカレボー公式
ルビーカカオという品種があるのではなく
ルビーの特徴を持った豆を特殊な技術で、選別と加工をして作られているようです。
天然のカカオ成分でここまで違う味になるのは不思議ですよね。
ブロンドチョコレート
フランスの老舗チョコレートメーカーヴァローナが、ホワイトチョコレートの製作途中で
加熱器具に入れたまま放置してしまったことで、偶然に生み出されたチョコレート。
キャラメルとビスケットを合わせたような香ばしさがあり、マイルドな甘さとほのかな塩気が特徴。
私たちがそのまま食べる板チョコとしてというよりは、製菓用に流通しているようです。
スイーツや生チョコのような形で、お目にかかれるかもしれません。
準チョコレート
カカオ分が極端に少なく、主に砂糖と植物油脂、香料などの添加物が多く含まれています。
準チョコレートと言われるお菓子の原材料を見ると、
最初に砂糖、植物油脂、カカオパウダー…
チョコレートのもととなるカカオマスは、一番最後に書いてあったり・なかったりという感じです。
簡単に言うと「チョコレート風味のお菓子」と言ったところです。
安価で子供向けのお菓子に多いのですが、体にはいいとは言えない砂糖と脂質が多く含まれています。
しかし、砂糖とショートニングなどの添加物が入ることで、暑い日でも溶けにくくしたり
卵型で中におもちゃが入っているなど、楽しめるメリットがあります。
健康や美容にいいのはカカオマスのことなので、ほんのお楽しみ程度に食べるのがよさそうです。
まとめ
健康にいい!美容にいい!と言われていても
チョコレートなら何でもいいわけではないことがわかりました。
衝動的に食べたくなるのは、脳内ホルモンのバランスや不足している栄養素があるかもしれないという体からのSOS。
体のことを気遣って食べるのであれば、しっかり原材料を見極めて適量を心がけましょう。
とはいえ、こんなに魅力的なチョコレートを
「食べたら体に良くない」と思いながら食べるのはもったいないです。
楽しむときは楽しむ!健康や美容のためならカカオ分70%以上のチョコレート!
などとあなたの好みやライフスタイルに合わせて楽しんでみてください。
脳の衝動に振り回されず、チョコレートで健康にキレイになれたら幸せですよね!