
コンビニなどでホットコーヒーを購入すると、必ず付くてくるのが飲みにくい蓋ですよね。
「蓋から飲もうとすると、熱くて舌をやけどする」、
「蓋を外してしまうと、コーヒーがこぼれそうになる」
なんて経験はありませんか?
この記事で、ホットコーヒーについてくる蓋の意味と飲み方を知り、安全にホットコーヒーをお楽しみください。
ホットコーヒーについてくる蓋について

蓋の名前
ホットコーヒーについてくる蓋は「トラベラーズ・リッド」という正式名称があります。
直訳すると、「旅行者の蓋」という意味です。
蓋がつくようになったきっかけ
蓋をつけるのが当たり前になったのは、これから紹介する事件がきっかけです。
1992年の「マクドナルド・コーヒー事件」と呼ばれる事件をご存知でしょうか?
マクドナルドで女性が、テイクアウトでホットコーヒーを購入しました。
しかし女性は膝にコーヒーをこぼしてしまい、火傷をしてしまいました。
女性は自分にも過失があったことを認めつつも、「コーヒーの温度が高すぎる」という主張でマクドナルドを訴え、約3億円をマクドナルドは女性に支払う判決がでたという事件です。
・同じような苦情が多くあったこと
・家庭用コーヒーメーカーより10度以上も温度が高いコーヒーを提供していた
・注意書きがなかった
という理由で女性は勝訴しました。
この事件をきっかけにコーヒーの蓋の役割について、メーカーは考え始めました。
それでこれから紹介するような目的でフタを作りつつ、安全にコーヒーを飲むための蓋作りを行っています。
蓋の役割
こぼれないように
昔からコーヒーに蓋はついていたようですが、目的は「こぼれないように」するためです。
先に紹介したマクドナルド事件以降、メーカーは試行錯誤を重ね、カップの中身がこぼれにくい・一気にこぼれない蓋の開発をしています。
現代では、蓋をドーム型に作り高さを加えることによって、カップを少し傾けたり、強く握ってしまったりしてもこぼれません。
また、ドーム型にすることによって、カップを外す時にもこぼさないように工夫されています。
さらに、カップに注意書きをし注意喚起をすることによっても、マクドナルド事件の教訓を生かしています。
保温効果
カップをつけることには、「保温効果」もあります。
蓋がないと、飲み物が空気と触れる面が広くなってしまいます。
結果、あっという間に飲み物が冷めてしまいます。
風味が逃げないように
蓋がないと温度が下がるだけでなく、空気と触れるため酸化が早く進んでしまい、コーヒーの香りと味を台無しにしてしまう恐れがあります。
バランスを整える
とりわけラテやカプチーノの場合、エスプレッソの上にスチームミルクを入れます。
蓋がないと、ミルクとエスプレッソが混ざらずに一気に出てきてしまい、コーヒーを楽しむことができません。
それで「二層」になっているラテやカプチーノなどのコーヒーを美味しく飲むためにも、蓋でバランスを整える必要があります。
正しい飲み方とは
ではフタの役割を理解したところで本題の、「蓋を外して飲むのか?」「蓋の小さな穴から飲むのか?」どちらが正しいのでしょうか?
メーカーの意図

・移動時でもこぼさないように
・冷まさないように
・バランスを整えるために
「蓋を外さずに、蓋の小さな穴から飲む」のがメーカーの意図です。
上の写真の矢印が指しているところから飲むようにと、下記のスターバックス公式サイトに記載されています。
このフタ、取らずに飲んでみて。
歩きながらコーヒーを楽しんだり、温かく保つ効果はもちろん、
このフタに開いた小さな飲み口から直接飲むと、フォームミルクやホイップクリームが程よく混ざり合い、最後までおいしく味わえます。ぜひお試しください。
蓋を外してもOKか
では、フタは外してはいけないのでしょうか?
明確なルールはないので、フタをはずしても大丈夫です。
そもそもフタを外す一番の理由は、「コーヒーが熱いから」ではないでしょうか?
フタをつけるメリットがあるとしても、舌をやけどするのは避けたいですよね。
それで、フタをつけたままでできる「やけど対策」を紹介します。
今日からできる熱いコーヒー対策
小さな穴を抑えれば、蓋から熱いコーヒーを飲める

コーヒーが熱いことに加えて、いつコーヒーが口に入ってくるか分からない恐怖感もありますよね。
そこで活用していただきたいのが、コーヒーの飲み口の上にある小さな穴(空気穴)です。
スターバックスやマクドナルド、ローソンなどの蓋についています。
実はこの穴を押さえることによって、出てくるコーヒーの量を少なくすることができます。
コーヒーの温度を下げるには、待つか・フタを開けるかの二択です。しかし、冷めてぬるくなったコーヒーより、温かいコーヒーを飲みたいのではないでしょうか?
量をコントロールできるならば、コーヒーの温度は変わらなくても、熱いコーヒーが飲みやすくなるので、ぜひ一度お試しください!
企業の取り組み
これまではこぼさないように、飲み口の口は小さく設計されていました。
しかし、スターバックスは2021年4月16日から、プラスチックを減らすためですが、飲み口の大きな蓋を使い始めています。
口のサイズが広くなれば、飲み口がよく見え飲む量をコントロールしやすくなりますよね。
ホットコーヒーにどのような蓋が今後用いられるのか分かりませんが、誰でも安心して飲める蓋が開発されるのも、そう遠くはないかもしれません。
まとめ
ホットコーヒーについてくる「トラベラーズ・リッド 」と呼ばれるフタの意味と、フタがついているコーヒーの正しい飲み方を紹介しました。
こぼれないように・保温効果・風味が逃げないように・バランスを整えるという働きがフタにはあります。
それでメーカーはフタを使うように推奨しています。
しかし舌をやけどしてしまっては、せっかくのコーヒーも楽しめないので、熱いコーヒーをフタの口から飲むのに抵抗がある方は、無理に変える必要はありません。
熱いコーヒーをフタの口から飲む方法の一つとして、小さな穴を押さえるという方法がありますので、ぜひ実践してみてください。
この記事で紹介した知識を活用して、フタの口から飲む飲まないに関わらず、安全にホットコーヒーをお楽しみください。