毎日子育てに追われている生活の中で、プラスチックゴミ問題を意識することは少ないのではないでしょうか。
プラスチックゴミの影響で海洋生物が命を落としている番組を観た時は、「明日からなるべくゴミは減らそう!」と意気込みます。
しかし、子供と一緒にいると、おやつに小袋に入ったお菓子やぺットボトルのお茶で簡単に済ませたりしますよね。
どうしても、ゴミ問題への関心は薄れてしまいます。
最近では、海洋生物だけでなく人への影響についても耳にしたことがあり、子供への影響も気になるのではないでしょうか。
プラスチックのゴミ問題の危険性について知らないと、今後あなただけでなく、子供・孫への影響がでてくる可能性があります。
この記事を読んで、プラスチックのゴミ問題が他人事ではなく身近な問題として、捉えるきっかけになるかもしれません。
プラスチックは、生活には欠かせない存在
ごみの分別をしたときに、プラスチックゴミの量の多さに驚きませんか?
先週捨てたばかりなのに、もうプラスチックゴミが袋いっぱいになっているなんてことも。
あなたの今いる場所を見渡してみでください。
プラスチックでできているものが必ずあります。
子供用の食器やおもちゃ、お菓子や砂糖、塩の入っている袋、ボディーソープやシャンプーのボトル、スマホケースなどすべてプラスチックでできていますね。
子供が使用している食器は、プラスチックでできているため、食事中にカチャカチャとスプーンをお皿で叩いても割れることを心配しませんよね。
プラスチックの食器は、ガラスと比べて軽く落としても割れにくいため、親としては安心して食事ができます。
スーパーに行くと、ほとんどの食材がプラスチックの袋に入って販売しています。
プラスチックの袋に入っていることで、軽く、片手で簡単に商品をとり、持ち運びしやすくなっています。
子供と買い物に行くと、重い荷物は持てないため軽いものは大助かり。
また、スーパーでお肉を買って、家に帰っても、お肉がすぐに腐ることはないですよね。
お肉のトレーは、熱を通しにくくできているので保冷効果があります。
そのため、スーパーから家に帰るまでの間、外気温からの影響を抑えられているのです。
私たちの生活は、プラスチックによって便利で、暮らしやすいように生活を支えてくれています。
プラスチックは、海にとっては生命を脅かす存在
テレビで、ウミガメの鼻にストローが刺さっている映像を見たことがないでしょうか?
または、イルカの胃袋の中にお菓子や魚の餌の袋が大量に入り、死んでいる映像を見たことは見たことはないでしょうか?
イルカが海に捨てられた網にからまり死においやられ、ウミガメは海藻やクラゲと間違えて、レジ袋を食べてしまいます。
ウミガメは、レジ袋を食べて満腹になり餓死してしまうのです。
それを知ると、悲しい気持ちになり、心が痛くなりますよね。
次からは「ストローはなるべく使わないようにしよう」とか、「ゴミの分別をきちんとしよう」などと少しゴミ問題への意識が高まりますよね。
だた、育児や家事で多忙な毎日を送っていると、ゴミ問題に対しての意識はだんだん薄れていきます。
それは、テレビで見た映像で、あなたは「悲しみ」や「可哀そう」という感情で動いているからです。
感情は一時的なものなので、どうしても人は忘れてしまうのです。
プラスチックゴミがなぜ問題になっているのかを知り、今までの経緯や現状を見つめることが大事です。
魚は、人間にとても重要な栄養を与えてくれています。
海を見ると、日々の忙しさを忘れ、私たちの心を癒してくれます。
夏は、子供にとって最高の遊び場になり、家族との楽しい時間を作ってくれる場所です。
子供の夏休みの作文で、必ずと言っていいほど、家族で海水浴に行ったことを書いてますよね。
海は、家族の思い出を作ったり、私たちの生活に豊な恵を与えてくれています。
まず、あなたが今することは、海に感謝の気持ちをもちながら、プラスチックゴミ問題について考えることです。
そもそも、プラスチックの何が悪いの?
プラスチックの問題点
一番の問題は、プラスチックのごみは自然の中では分解されずに永遠に自然の中で残り続けるのです。
子供を連れて海に遊びに行った時に、どこかから流れてきた古い洗剤の容器などをみたことはないでしょうか?
海は世界中に繋がっているので、海外から流れてきた物か、何十年も前に誰かが使用した物なのかもしれません。
プラスチックは、元々は原油である石油から人工的に作られたものです。
今の自然の中には、プラスチックを分解してくれる微生物がいないのです。
例えば、植物からできている天然の綿や麻の繊維は、土中に放置すると、自然の中の微生物によって土に戻るのです。
しかし、ポリエステルナイロン素材の石油からできた合成繊維は、土の中の微生物が食べれないため、なん百年も土の中に残ってしまいます。
これが、海の中でも同じことが起こっており、海の中にプラスチックごみが存在し続けるのです。
そのプラスチックごみをイルカや魚が餌だと間違って、食べてしまっているのです。
プラスチックは消化されず、体内に残ってしまうのです。
どうやって海に流れていっているの?
普段、家の外を歩いていると、道端に小さなゴミが落ちていているのを見たことありますよね。
道端のゴミ、実はそれが海洋汚染につながっているのです。
ごみを道端にポイ捨てしたものや、リサイクルBOXのペットボトルがあふれて道端に置きっぱなしになったものなどです。
雨が降ると、道端のごみは道路排水に流れ込み、川から海へと流れていくのです。
私たちの生活でも、無意識に飴の小袋を落としたり、お菓子の箱を覆っている外装の薄いフィルムを落としていたりすることもあります。
それが、気づかずうちに海に流れてしまっているのです。
マイクロプラスチックが危険!!
マイクロプラスチックが人への影響を及ぼす危険性があるのです。
マイクロは、「とても小さい」なので「とても小さいプラスチックのカケラ」のことを言います。
大きさにすると直径5mm以下のプラスチックのカケラです。
塩の一粒よりも小さい。
海に流されたプラスチックは、紫外線や波にさらされて、どんどん小さく砕かれていくのです。
それを繰り返されて、小さなカケラになります。
数十年続く環境汚染により、海に蓄積したと考えられています。
世界中の海の中には、50兆個のプラスチックがあり、そのほとんどがマイクロプラスチックと言われています。
さらに、恐ろしいことにマイクロプラスチックは海中の化学物質を吸着しながら浮遊しているのです。
とても小さなカケラであるため、どんな魚でも間違って飲んでいる可能性も。
これが、危険なのです!!
実際に、大西洋の深海魚の胃袋にマイクロプラスチックが入っていたことも分かっています。
深海魚は、ほとんど私たちが食べることはありませんが、マグロやメカジキなどの餌となる魚です。
マイクロプラスチックを胃の中に持つ魚を別の魚が食べて、その魚を最終的に人間が食べることも考えられるのです。
ですから、私たちが食べている魚にも、マイクロプラスチックが入っている可能性があるのです。
また、プラスチック汚染は海の隅ずみに広がっています。
深海底や海塩からもマイクロプラスチックがでてきているのです。
私たちが調味料で使用する「塩」。
塩が精製されるときに、プラスチックの色がわかりやすければ取り除けるのですが、塩と同じような色のものがあり混入してしまうのです。
子供にはカルシウムが摂れるように魚をたべさせてあげたいし、塩は和食には欠かせない調味料ですよね。
欠かせない食材のため、マイクロプラスチックが入っている可能性があるものを食べ続けでも大丈夫なのかと心配になります。
特に小さな子供への影響や成長過程で問題などあるのかと心配になりますよね。
マイクロプラスチックが人への影響はあるのか?
マイクロプラスチックがとても小さいため、あなたやあなたの子供の身体に入ってもすぐに悪影響がでるようなことはないそうです。
ただ、今後、身体にどんな影響が出てくるのかわからないのが現状です。
マイクロプラスチックはもともとは原油ですよね。
分解されずに、プラスチックのままの状態で何十年も存在するものです。
私たちが食べたものは、胃で消化されて、腸を通って栄養が吸収され、血液に乗って全身に流れます。
マイクロプラスチックは胃の中で消化されないので、そのまま腸に流れていきます。
マイクロプラスチックがすべて便として排泄されるわけではないので、いくら小さくても体内で蓄積していくことになります。
いくら身体に影響はないと言っても、身体の中に少しでもプラスチックが入っていると思うと嫌な気持ちになりますよね。
今は、大丈夫だけど、今後の身体への影響がわからないのは本当に怖いことです。
あなたの子供やこれから先の孫の代のために、今のプラスチック問題に対して真摯に受けとめることが大事なのです。
実は、プラスチックごみの行き場所がなくなってきている
この数年でレジ袋が有料化されたり、スターバックスなどが使い捨てストローの廃止をしましたよね。
これも、プラスチックのごみを減らすための政策です。
しかし、根本的になぜこのような政策を行っているのでしょうか。
その背景には、プラスチックごみの行き場所がなくなってきていることがあげられます。
2017年以前は、プラスチックごみは中国に輸出していたのです。
しかし、中国では、輸入していたプラスチックごみが汚れや適切に分別されていないことなどが原因で中国内の環境の悪化に繋がったのです。
そのため、中国は輸入を禁止。
日本はプラスチックごみは中国に頼っていたのですが、それができなくなり、ごみの行き場がなくなってしまったのです。
現在は、台湾などにプラスチックごみの一部を輸出していますが、ごみ問題は世界中の問題です。
世界各国でもごみの行き場がない状況。
リサイクルができないものは、最終的に埋め立て地に埋められることになっています。
しかし、日本でも埋め立てる土地がなくなってきています。
また、ごみを埋め立てるので環境への影響も懸念されます。
ゴミの処理の方法を考えるのではなく、ごみの量自体を減らすことが必要なのです。
知らなかった!ゴミ分別をした後のリサイクルの事実
あなたが、毎日食品の容器などを綺麗に洗って燃えるごみと分別をして、プラスチックゴミとして出していますよね。
ゴミの分別をしていたら、プラスチックゴミが全てリサイクルに回されているのでは?と思いますよね。
しかし、このプラスチックゴミの6~7割は燃やされているのが現状なのす。
ゴミの分別をしたものがすべてリサイクルされ、プラスチックから公園のベンチや衣服などの新しい製品になっていくものだと思っていませんでしたか?
しかし、分別されたプラスチックのすべてがリサイクルされているわけではないのです。
3つのリサイクル
まず、リサイクルの目的は二つあります
- 石油は限りある資源であり消費を抑えること
- 環境への負担を限りなく低くすることなのです。
リサイクルをして商品を作ろうと思っても、商品を作る過程で様々な資源を利用して環境へ影響がでてしまうと、リサイクルの意味がなくなってしまうのです。
日本のリサイクル率は84%と高い水準なのですが、そのうち燃やしているのが56%。
残りの28%しかリサイクルされていないのです。
毎日、大量のプラスチックゴミが全国で処理されており、ゴミの量が多すぎてリサイクルが追い付いていない状況なのです。
それじゃあ、分別する意味がなくなるのではと思うかもしれません。
そうでは、ありません。
プラスチックゴミを燃やすにしても、ゴミの中に金属や電池が入っていると破裂するため危険です。
また、プラスチックゴミの中に、水分を含んでいる燃えるゴミがあると熱エネルギーが弱くなります。
そのため、効率的にエネルギーが発生できなくなります。
分別することで、クリーンセンターで働く人が安全に仕事ができ、効率よく熱エネルギーができ、リサイクルできるものはリサイクルに回すことができます。
最近では、飲料メーカーが使用済みペットボトルから新しいペットボトルへのリサイクルが積極的に行われています。
私たちが、毎日洗って乾かして分別したものが、再び私たちの生活に利用されることは嬉しいことですね。
日本の3つのリサイクルについて詳しく説明しますね。
マテリアルリサイクル
わたしたちが、想像するペットボトルのリサイクルのことです。
よく知られているのがペットボトルを、粉砕して、加工処理を加えることで線維化させて、衣類の原材料となるものです。
他にも卵パック、食品用トレイ、洗剤用ボトル、飲料用ボトルなどに再利用されています。
限りある資源を再利用して、再び私たちの生活を支えてくれているものになることはいいことですね。
しかし、このリサイクル率は低いのが現状です。
ケミカルリサイクル
プラスチックごみを分子レベルに分解して、化学工業に必要な材料を作るための物質(水素や酢酸など)として再利用する方法のことです。
主に工場で利用される燃料やガスとして使用されています。
これは、資源に節約になるが、分子レベルに分解するのに大きな工場が必要となり、資源やコストが高くかかってしまうため日本では低い割合でしかされていません。
サ-マルリサイクル
プラスチックごみを燃やしてエネルギーにすること。
プラスチックごみは、原油なので、灯油のように、火をつけると強い燃焼力があり強力なエネルギーとなるのです。
地域のクリーンセンターに行くと、焼却炉がありますよね。
その焼却炉で生じた熱エネルギーが、発電や熱の供給に利用される。
地域によっては、焼却炉が公設の温水プールや公衆浴場などの設備に併設されていることも。
ただ、問題は焼却によって二酸化炭素が排出され環境汚染への影響です。
そのため、ヨーロッパのリサイクルの中には環境汚染につながるので、サーマリサイクルはないそうです。
ただ、燃やすこと自体は、公共のエネルギーになっているのであればよいことだと思います。
どのみち公共施設でも電気などのエネルギーは必要なのでごみのエネルギーを利用することは再利用として効率的だと思います。
その燃やす量が多ければ多いほど、二酸化炭素の排出量が多くなるので、燃やすごみの量が問題になるのです。
プラスチックの使用する量を減らすことが一番効率がよい
自然に分解されないプラスチックが問題であれば、分解される材料で作ったプラスチックを使用すればいいのではないかと思うかもしれません。
実際に、分解される材料で作られたプラスチックはありますが、耐久性が弱く、コストがかかってしまうため値段が2~3倍高いそうです。
本来、プラスチックは安くて、長期間使用することができるのがメリットです。
コストが高くなると、いくら自然によいといっても買うのは難しいですよね。
リサイクルも追いついていない状況で、埋め立てる土地もなくなってきている。
プラスチックゴミ問題の一番の解決策は、プラスチックのごみの量を減らすこと。
ごみの量を減らすということは、プラスチックの使用する量を減らすことです。
できることを行動していく
プラスチックの使用する量を減らすために、まずは使い捨てのものをやめることです。
子育てしている時は、洗い物をなるべく減らして手間を省くため、使い捨てのストローやペットボトルを利用したいのはわかります。
しかし、その使って捨てたものが、いつ、どこでどうなるかわからないです。
ゴミ袋を外に置いていたら、猫に荒らされたり、風に飛ばされて道端に落ちる可能性だってあるのです。
使い捨てプラスチックは使わないことです。
ペットボトルを毎回コンビニで買うのではなく、マイボトルを持ち歩く。
マイバックは忘れないように、使い終わったらすぐにカバンの中に入れておく習慣にする。
袋入りではなく、計り売りやばら売りなどを活用して、必要な分だけ購入する。
詰め替え容器を利用して、中身だけを入れ替える。
使わなくなった服や子供のおもちゃはリサイクルショップやメルカリなどで欲しい人に売る。
レジ袋を配布してるお店でも断ること、コンビニでは、プラスチックのフォークやスプーンはもらわない。
家の周りにごみがあれば拾う習慣をつける。
毎日、忙しい中でもまずは一つだけ毎日続けてみませんか?
必ずあなたが行動すれば、周りの家族も行動しますよ。
まとめ
プラスチックの問題点は、海の中で分解されないため、何十年も存在することです。
私たちの生活から出たゴミが原因で、多くの海洋生物の命を奪い、海洋生物だけでなく人への影響の可能性もあることが言われています。
海を汚染しているのも私たちであり、汚染をストップするのも私たちなのです。
これからも、子供が遊びにいく海が綺麗で安全な環境であって欲しい、子供が元気で健やかに成長してほしいですよね。
私たちの日常が、つねに海と繋がっていることを忘れないで生活していきましょうね。