「この症状の時は何を食べさせてあげれば良いんだろう」
私の友達のTさんは、3歳のお子さんを育てるママです。
Tさんのお子さんは保育園に通っているため、どうしてもよく病気をもらってきます。
その度に食欲をなくすお子さんを見て、「何を食べさせてあげたら良いかわからないなぁ」といつも思っていました。
そこでかかりつけの小児科医や先輩ママに相談したところ、症状別に食べやすいものや、必要な栄養素が違うことがわかりました。
医師や先輩ママのアドバイスにしたがってご飯をあげたところ、Tさんのお子さんも食べてくれて、みるみる体調も回復したそうです!
この記事ではTさんが参考にした、4つの症状別の、食べると良いものとダメなものをご紹介します。
子供が体調不良の時、食事で気を付けることは?
小さな子供は、身体のどこかに不調があると、頑張って食事をするということがありません。
どの体調不良でも、基本的には子供が食べられるだけの量を食べさせ、無理に食べさせることはしない方が良いです。
食べ物の消化にもエネルギーを使います。
体調不良の時は病気を治すことにエネルギーが集中するので、無理に食べさせて余計なエネルギーを使わせないようにしましょう。
それでは、
- 熱があるとき
- 鼻水・鼻づまりのとき
- 咳があるとき
- 嘔吐・下痢があるとき
この4つの症状別に、食べると良いものとダメなものを、詳しくご紹介していきますね。
熱があるときの食事
熱があるときは、身体がウイルス等と闘う過程で汗が出やすくなります。
普段よりも脱水になりやすくなるので、水分補給をしっかりしましょう。
お味噌汁の上澄みや、薄い野菜スープだと、小さな子供でも手軽に出て行った塩分を取り戻すことができます。
また、発熱時はエネルギー、ビタミン、タンパク質をよく消耗します。
エネルギーは炭水化物、ビタミンは野菜や果物、タンパク質は卵や豆腐から摂ると良いでしょう。
熱があるときに良い食べ物
熱があるとき、食べやすいものはこちらです。
- うどん(冷凍は歯ごたえがあるので、たくさん煮て柔らかくしてからあげましょう)
- おかゆ、雑炊
- 茶わん蒸し(冷やして喉越し良くしてからあげても良いですね)
- りんご(すりおろすことで食べやすく、食欲がなくてもお腹にたまります)
- 柔らかく煮た野菜(スープやお味噌汁に入れると食べやすいです)
Tさんのお子さんは、熱があるときもうどんは比較的良く食べるそうです。
うどんだけだと、栄養面が気になりますね。
そんな時は溶き卵を入れたり、野菜のペースト等を一緒に入れて煮込んだものをあげると、食材のダシも出て食欲が増すとのことでした。
これは、Tさんがいつも冷凍庫に常備している野菜キューブです。
引用元:cookpad 離乳食幼児食 万能ミックス野菜キューブ
写真のように野菜の形が残るのがイヤなお子さんなら、加熱した後にハンドミキサー等でペースト状にしてしまっても良いかもしれません。
うどんを煮込むときやお味噌汁、雑炊など、さまざまなところで活用できます。
このレシピのように、野菜の加熱は炊飯器任せにするとラクですよ。
ぜひ作ってみてくださいね。
熱があるときにダメな食べ物
熱があるとき、避けた方が良い食べ物はこちらです。
- 脂っこいもの
- きのこ
- 海藻
- こんにゃく 等
ここに挙がっているものは、すべて消化に時間がかかるものです。
これらを消化するにはたくさんのエネルギーが必要なので、発熱時には向きません。
鼻水・鼻づまりのときの食事
鼻水とは、普段の健康な時には鼻内部をその粘膜で覆い、病原体の侵入を防ぐ役割をしています。
鼻水・鼻づまりがあるときは、侵入してしまった病原体を包み込み、外に排出する働きをしています。
つまり、鼻水が出ているときは薬等で無理に止めず、たくさん出してしまった方が良いということです。
鼻水・鼻づまりのときは、発汗作用や血行促進作用のあるものを食べて、鼻水が作られる動きを活発にさせましょう。
また、鼻の粘膜が弱って過敏になっているときです。
粘膜を補強・補修するのに役立つ、ビタミンAが摂れる食材も良いですね。
鼻水・鼻づまりのときに良い食べ物
鼻水・鼻づまりのときに効果がある食べ物は、こちらです。
- しょうが(身体を温める効果と、抗菌作用があります)
- ねぎ(鼻づまりの原因の、鼻内部の炎症をおさえ、殺菌作用があります)
- ブロッコリー・にんじん・かぼちゃ(鼻内部の粘膜を補強する、ビタミンAが豊富です) 等
風邪をひいたときに、「ねぎを首に巻く」という昔から伝えられている民間療法を知っているでしょうか。
これは医師でも効く効かないの意見が分かれるところのようですが、ねぎにはアリシンという、殺菌作用のある成分が含まれているのは確かです。
ねぎを「首に巻く」なので、一見ノドによさそうな感じがしますね。
しかしアリシンは皮膚から吸収されるものではないので、ノドに効果があるものではありません。
アリシンは揮発性があり、鼻から吸い込むことで鼻づまりが軽減される効果は期待できるそうです。
とはいっても揮発するのはごく少量なので、「首に巻く」よりは、口から直接食べ物として摂取した方が効果は高そうですね。
鼻水・鼻づまりのときにダメな食べ物
鼻水・鼻づまりの時に食べない方が良いものは、これといって特定のものがあるわけではありません。
しかし鼻水・鼻づまりがあるということは、だいたいが他の風邪症状もあるときですよね。
消化するのに時間がかかり、身体に負担になるような食べ物は避けましょう。
咳があるときの食事
「鼻水・鼻づまりのときにダメな食べ物」でも書きましたが、風邪症状は発熱・鼻水・咳が重複して出ることが多いです。
この3つの症状に適した食べ物を出してあげるように心がけましょう。
咳き込んで苦しそうにしているときは吐き戻ししやすいので、あまり食事の量をあげすぎないよう、ほどほどのところで調節してあげてくださいね。
咳はウイルスが体内に入った時の防衛反応と、ノドの乾燥で出ます。
喉の粘膜を補強するビタミンA、粘膜の補修を助けるビタミンCを意識して摂ると良いでしょう。
咳があるときに良い食べ物
咳があるときに良い食べ物は、こちらです。
- しょうが(抗菌作用と、ノドの炎症を抑える効果があります)
- 大根(含まれる酵素に消炎症作用があります)
- はちみつ(殺菌作用と、粘度が高く保湿効果があります。1歳未満のお子さんは乳児ボツリヌス症になる恐れがあるので、絶対に与えないでください) 等
Tさんは、風邪をひきやすくなる冬になると、このようなものを準備して冷蔵庫に常備しています。
引用元:cookpad はちみつ大根
大根を切ってはちみつに一晩浸せば出来上がりです。
Tさんオススメの使い方は、大根エキス入りのはちみつをスプーン2杯程度カップにいれ、チューブのしょうがをお好みの量入れます(入れすぎると辛くなるので注意です)。
そこにぬるま湯を注いで飲めば、上記の「咳があるときに良い食べ物」を一気に摂ることが出来ます。
お子さんによってはしょうがが苦手な場合もあるので、しょうがの量は調節してあげてくださいね。
甘くてお子さんも飲みやすいので、咳が出ていなくても、お子さんから「飲みたい!」とリクエストがあるそうです。
普段からこれを飲んでいれば、風邪予防にもなるので、とても心強いですね。
ちなみに、エキスが出終わった大根は早めに取り出しましょう。
はちみつに浸しすぎると、大根の味が出すぎてお子さんには向かないかもしれません。
取り出した大根は、甘酢漬けなどで再利用することが出来ます。
咳があるときにダメな食べ物
咳があるときは、熱い・冷たい・辛い・塩辛い食べ物は避けましょう。
これらはすべてノドに刺激を与えてしまうので、さらに咳が出やすくなってしまいます。
冷たいものは体調不良のお子さんにとって飲食しやすいかもしれませんが、あまり冷たすぎると咳を再発させて良くないので、ほどほどにしましょう。
嘔吐・下痢があるときの食事
嘔吐・下痢症状があるときは、胃腸に関する体調不良なので、口にするものは特に注意が必要です。
吐いた後はお腹の中がぐちゃぐちゃの状態なので、最後に吐いてから1・2時間程たっても再び吐かなければ、その時初めて水分補給をさせます。
その際はコップなどで一気に与えず、スプーン一杯程度を30分に一回くらいの間隔で与えましょう。
それでも吐かなければ、水分の量を少しずつ増やしていきます。
飲ませるものは、吐いて失われた塩分・糖分を補給できる、経口補水液や乳幼児用のイオン飲料が良いですね。
水やお茶は、塩分・糖分を摂ることができないのであまりオススメしません。
大人用のスポーツ飲料は甘すぎるので、2倍程度に薄めましょう。
その後数日かけてゆっくりと、下痢をしていても普通の食事に戻していきます。
嘔吐・下痢があるときに良い食べ物
嘔吐・下痢があるときに向いている食べ物は、こちらです。
- 重湯
- うどん
- おかゆ・雑炊
- 卵・豆腐・しらすなどのタンパク質(食べやすいものを、うどんやおかゆ等と組み合わせましょう)
- 野菜スープ・野菜の味噌汁
- りんご 等
嘔吐・下痢があるときに良い食べ物は、熱があるときに良い食べ物と同じようなものがオススメです。
しかし、吐いた後の食事の進め方は注意が必要です。
下の表は、吐いた後の食事の進め方の例なので、良かったら参考にしてみてくださいね。
1日目(吐いた日) | 水分補給からはじめて、重湯や5分がゆ |
2日目 | おかゆ、薄い野菜スープやりんご果汁 |
3日目 | タンパク質入りおかゆ(卵、しらす等)、豆腐や野菜の味噌汁 |
4日目(可能ならほぼ普段通りの食事) | 煮込みうどん、かぼちゃの煮つけ |
重湯とは、離乳食初期にあげる10倍粥の上澄みのことです。
糖分が摂れているか心配な時は、重湯に少量の砂糖を混ぜても良いでしょう。
Tさんのお子さんが胃腸風邪で吐いてしまったときは、レンジで少量から作れるものをあげていました。
Tさんのお子さんは普段おかゆが苦手なのですが、少し砂糖を混ぜたものなら甘くて好きなようでした。
こちらは10倍粥のレシピですが、この時できたおかゆの上澄みをあげたり、体調が少し戻ってきていれば10倍粥自体をあげても良いですね。
下痢・嘔吐があるときにダメな食べ物
吐き気がまだあるとき、
- かんきつ類
- 牛乳・乳製品
は、胃腸を刺激してしまうのと胃腸に負担がかかるので、再び吐きやすくなります。
下痢もあるときは、
- いも類
- バナナ
- 脂っこいもの
- 香辛料
- 炭酸飲料
- 海鮮(いか・たこ等) 等
これらも消化に悪く胃腸に負担がかかるので、下痢が治りにくくなります。
食事で体調不良を予防しよう!
これまで症状ごとに合った食べ物、ダメな食べ物をご紹介してきました。
しかし、そもそもウイルス等が身体に入っても、ウイルスに負けない身体づくりが出来ていれば一番良いですよね。
食事でウイルスに負けない身体づくりをするには、この3つを意識すると良いです。
①規則正しい1日3食
毎日決まった時間に、年齢に合ったカロリー摂取をしましょう。
身体や脳を動かすもとになる炭水化物、身体をつくるたんぱく質、身体の調子を整えるビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることが大切です。
②朝食をしっかりとる
1日の食事の中で特に大切なのが、朝食です。
寝ている間に下がった体温を、朝食を摂ることで上げることができます。
体温が上がると身体の免疫力が上がるので、ウイルスに負けづらい身体になりますね。
③腸内環境を整える
さらにウイルスに負けない身体にするために、腸内環境を整える食事を心がけると良いでしょう。
ウイルスから身体を守る免疫細胞は腸にいるので、腸内環境を整えて免疫細胞の働きを活発にしておきます。
腸内環境を整えるには、ビフィズス菌や乳酸菌(善玉菌)のエサになる食べ物を摂ると効果的です。
- 大豆食品(納豆・豆腐・豆乳等)
- 発酵食品(味噌・ヨーグルト・チーズ等)
- 食物繊維(きのこ・根菜類・ひじき・キウイ等)
- オリゴ糖(バナナ・はちみつ等) 等
これらは腸にとって良い働きをする栄養素がたくさん含まれているので、オススメです。
子供も大好き!免疫力を高めるおすすめレシピ
免疫力を高める3つの対策は、お子さんだとまだ自分で意識することが出来ません。
パパやママが意識することが大切ですが、特に朝食はなかなか箸が進まないというお子さんもいますよね。
そんな時にオススメなレシピをご紹介します。
引用元:cookpad 免疫力UP キウィとバナナのスムージー
Tさんのお子さんは朝が弱いのですが、このスムージーだと喜んでくれていたようです。
お好みできな粉を混ぜてもおいしいですよ。
あとは大豆製品の納豆に、発酵食品の味噌を少し混ぜて、味噌納豆かけご飯にするのも良いです。
Tさん自身も「アレもコレも食べさせないと」と思うより、「朝はこれだけ飲んで(食べて)行ってくれれば、まぁいいか」と、気持ちをラクに過ごせたそうです。
まとめ
大切なお子さんが体調を崩していると、「大丈夫かな」と心配になりますね。
それと共に「何を食べさせよう」「ちゃんと食べさせないと」とも思います。
小さいお子さんは、体調不良だとなかなか自分から進んでご飯を食べてくれません。
あまり食べなられない中でも、少しずつ食べて栄養を摂ってもらうには、症状に合わせた食事を用意すると良いですね。
- 熱があるとき
- 鼻水・鼻づまりがあるとき
- 咳があるとき
- 嘔吐・下痢があるとき
この4つの症状別に、食べると良いもの・ダメなものをご紹介してきました。
ご紹介した内容に沿って食事を用意してもらえれば、きっとお子さんに必要な栄養素を効率良く摂ってもらえると思います。
ただ、適切な対応をするためにも、子供が体調不良になったら必ず早めに病院に行き、医師の診断に従ってください。
体調不良のお子さんにとって一番嬉しいのは、パパママにお世話してもらうことです。
どうしてもご飯が食べられない時もあるので、そこは無理をさせず、優しく寄り添ってあげてくださいね。
この記事を読んで、お子さんが少しでも早く回復してくれることを願っています!