
笑うことでがん細胞を減らすということを聞いたことはないでしょうか?
がん細胞は健康な人にもあり、通常は免疫力の働きで病気にならないようにしてくれています。
しかし、免疫力が下がると、がん細胞を抑えることができなくなってがんになってしまうのです。
病気になってから免疫力を上げるのではなく、日頃から免疫力を高めておくことは健康を維持するために大切ですね。
実は、笑うことと免疫力アップには興味深い関係があるのです。
笑うことで、あなたは毎年かかる風邪に悩まされることはなくなり、一緒に働いている職場の人達にもパワーを与えれる人になれるでしょう。
今回は「笑う」ことの効果についてお伝えします。
風邪や感染症に打ち勝つための免疫力
毎年、風邪をひくと、風邪薬でその時は治るかもしれませんが季節が変わると体調を崩しがちになってしまう。
風邪をひいている時は、身体が重くだるく、その日一日を布団の中で過ごすことに。
大事な任されている仕事もあり、職場の頑張っている同僚のことを思うと情けない気持ちになりますよね。
これからは、そんな辛い1日を過ごすことのないようにするために、身体の免疫力のしくみについて知ることが大事です。
まず、免疫力とは何かをお話していきますね。
免疫力とは
免疫力とは、細菌やウイルス、カビなどの目に見えない病気の原因になるものから、身体を守ってくれる「防衛する力」のことを言います。
また、感染症にかかっても重症化を防いで、症状が軽いうちに攻撃してくれます。
免疫力は、生まれながらにして私たちの身体に備わっているもので、年齢と共に力が弱っていきます。
私たちの身体の中には、血液の中、鼻やのどの表面、腸内などのさまざまな場所で免疫のシステムがあります。
それぞれの免疫システムでできた免疫細胞が協力して免疫力を作ってくれています。
実は、毎日健康な体の中では、がん細胞が約5000個(人間の細胞は60兆個)発生していると言われています。
そのがん細胞を攻撃してくれているのが免疫力なのです。
免疫力があるため、健康な人は「がん」を発症せずに健康な状態で過ごすことができるのです。
免疫力が弱り、攻撃できなくなってしまうと、がんやさまざまな病気にかかり、重症化してしまうのです。
免疫力が低下する原因
- 栄養バランスの乱れ(暴飲暴食):腸内には身体の7割の免疫力が存在。食生活の乱れによって腸内環境が悪くなるため。
- 睡眠不足:睡眠不足により成長ホルモンの分泌がされず、身体の修復もできなくなるため。
- 喫煙:ニコチンによる血流の悪化、免疫力を促進するリンパ球の減少、免疫を高めるビタミンCの消費などによるため。
- ストレス:身体にストレスがかかると自律神経がみだれて、身体の免疫のしくみがうまく働かなくなるため。
など免疫力が低下する要因は日常の中にたくさんあります。
また、男性の場合、喫煙や仕事付き合いでのアルコールの過量摂取、外食が多いと栄養が偏るため、免疫力が低下する要因は多くなります。
実際、男性のがんの発生率は、女性よりも高くなっているのです。
男性としては、免疫力を高めておきたいところですよね。
免疫力を作ってくれている身体の仕組み
白血球が異物を攻撃し、身体を守る
私たちの身体の中の血液には「白血球」という細胞があり、免疫力に重要な働きをしています。
白血球の役割には
- 細菌やウイルス、カビなどを直接食べる
- 細菌やウイルス、カビなどを攻撃するタンパク質を作る(身体を守るための抗体のこと)
- 細菌やウイルス、カビなどに感染した細胞を攻撃する
があります。
例えば、冬場に熱がでて病院に行くと、インフルエンザと診断されます。
インフルエンザにかかると、身体の中にインフルエンザウイルスが入って身体に住みつきます。
身体は、その異物に対して追い出そうとして「白血球」がインフルエンザウイルスを攻撃します。
そして、身体を守るための抗体を作ります。
攻撃力や抗体を高めるために身体は、「白血球」の数をどんどん増やしていきます。
そして、身体のさまざまな免疫を担う細胞と白血球が協力して、インフルエンザウイルスを攻撃して、症状が治るのです。
白血球は、ウイルスなどに対して攻撃し、身体を守ってくれている重要な免疫力なのです。
自律神経が免疫力をコントロール
自律神経とは、生きるために人間の身体を一定の状態に保つために働く神経です。
例えば、夏場気温が高くなると、汗をかいて体温を下げようとします。
冬場になると、気温が下がり寒くなると身体が震えて、体温を上げようとしてくれているのです。
人間は、体温が42度以上になると身体の中の細胞が生きるための活動をコントロールできなくなるのです。
反対に35~34℃台の低体温の状態は、血流が悪くなりウイルスを攻撃する「白血球」がうまく働かない。
攻撃する働きが弱くなりウイルスなどへの免疫力が低下してしまうのです。
このようにして人間の身体は、一定の状態を保つような仕組みをもっていることで免疫のシステムが効率よく働くようになっています。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つからできています。
この交感神経と副交感神経のバランスが保たれていると身体の免疫力をうまくコントロールできます。
私たちが、運動が活発な状態の時に交感神経がよく働き、リラックスや睡眠状態の時は副交感神経がよく働いています。
夜遅くまで運動し、寝る前に仕事のことで考えごとをしていると頭が冴えてしまい、なかなか寝れないことはないでしょうか?
本来は身体は朝起きた時に交感神経が有意に働いて、昼間は活動的に動きます。
そして、だんだん夕方から夜にかけて副交感神経が有意になって夜寝ることができるのです。
しかし、大事な仕事を任されたプレッシャー、後輩への指導、他にも役員の仕事などにより多忙な日々。
少しでも健康のためにと思い、運動をするためにジムへ行くのが仕事終わりの夜の遅い時間。
この日常を送っていると、常に交感神経が高ぶった状態になってしまいます。
そのため自律神経が乱れてしまい、夜寝ようと思っても交感神経が高ぶっているのでなかなか寝付けなくなってしまうのです。
実は、腸の動きも自律神経によって、コントロールされています。
腸内は、発酵活動をする「善玉菌」と腐敗活動をする「悪玉菌」のバランスを保って健康な腸内環境を作っています。
腸内を善玉菌により発酵させて酸性にして、腐敗させる悪玉菌の増加を抑制し免疫力を高めてくれます。
腸は、副交感神経がよく働くと腸の動きが良くなります。
反対に交感神経が働きすぎると腸の動きが弱まり、便秘になり悪玉菌が増えて、免疫力の低下につながってしまうのです。
先ほどのインフルエンザを攻撃する時、白血球の数を増やす指令を出しているのも自律神経がコントロールしているのです。
自律神経が乱れてしまうと、身体の中のさまざまな免疫のシステムがうまく働かなくなってしまうので、風邪をひいても症状がなかなか治らなかったりします。
また、薬で一旦風邪が治ったと思っても、自律神経が乱れたままだと、ウイルスや細菌などにかかりやく、風邪を繰り返してしまうのです。
最近では、ストレスが原因で自律神経が乱れている人が多いです。
大事な仕事を任されたり、思ったことを伝えられなかったりすると、ストレスが溜まってしまいますよね。
そんな、頑張っているあなたにこそ、笑顔になってほしいのです。
笑うことが免疫力アップ
ここから、「笑うこと」の驚きの効果についてお話します。
笑うだけで免疫力がアップするんです。
お金もいりませんし、携帯1つあれば何処でもできます。
笑うことが、どのようにして免疫力をアップさせるのかをお話していきます。
NK細胞の活性化
免疫力の働きをしている「白血球」の中には、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)という細胞があります。
このNK細胞の数が増え、活動が活発になると免疫力が高まると言われています。
なんと!
私たちが笑うと、脳に興奮が伝わって、脳からNK細胞を活発にさせる物質が大量に分泌されるのです。
つまり、笑うことで免疫力が高まるのです。
反対に悲しみや怒りの感情を持つと、脳から細胞の働きを弱らせる物質が分泌されてしまうのです。
NK細胞は人工的に注射を打って活性化しようとすると、活性化するまでに3日ほどかかるそう。
しかし、5分間笑うだけでNK細胞が十分活性化されると言われています。
人工的に投与するとお金もかかり、活性化するまでに時間がかかりますが、笑う場合は、タダですぐに免疫力アップ。
笑うだけで、免疫力が高まるなんて、ちょっと友人と会って大笑いしてみようと思いませんか?
自律神経が整うため、良質な睡眠がとれる
友人と大笑いした後って、なんかスッキリして眠くなる感じありませんか?
これは、笑っている時に交感神経が働き、その後副交感神経が働いてリラックス状態になるため気分がスッキリするのです。
笑うと、自律神経のバランスが整う。
自律神経のバランスが整っていると、夜にかけて副交感神経の働きがよくなり、良質な睡眠がとれるようになります。
良質な睡眠がとれることで、寝ている間に成長ホルモンが分泌され細胞を修復します。
そして、身体の疲労を回復させて免疫力を高めてくれるのです。
また、良質な睡眠はNK細胞の活動を強めてくれるので、さらに免疫力アップに繋がります。
先ほど、白血球がインフルエンザを攻撃する役割がることを話しましたが、この働きも自律神経がコントロールしているのです。
また、腸の動きも自律神経がコントロールしているので腸活になり免疫力アップ。
笑うことで、自律神経が整うとこれだけの免疫力を高めることができます。
笑うことでさらに身体が元気になる
記憶力がアップする
口を大きく開けて、笑うと身体の中に酸素がたくさん入ります。
笑っている時の身体に酸素が取り込まれる量は、1回の深呼吸の約2倍、通常の呼吸の約3~4倍になるそうです。
全身の血の巡りがよくなり、脳への血流の量が増えて脳が活性化して、記憶力アップ。
脳の海馬という部分は、新しい記憶をする時に重要な働きをします。
笑うと、この海馬の部分が活性化されて、記憶力が上がるのです。
健康のための運動や仕事で忙しく、疲れが貯まっていると集中力がもたなくなり、記憶力も低下しますよね。
しかし、笑うことで、記憶力もアップし、仕事に集中できるので効率よく仕事をすることができます。
新陳代謝が高まり、消化が良くなる
笑っている時、なんか身体が熱くなってきませんか?
それは、交感神経が働き、心拍数や血圧が上がり、呼吸が活発になるためです。
身体が活発になり、血の巡りがよくなり、新陳代謝が高まります。
新陳代謝が高まると、全身の血行がよくなるので、食べ物を消化、吸収する働きがよくなります。
なんか、最近、仕事が忙しくて食欲がなく、ごはんを食べた後「胃がもたれるな」と感じることはありませんか?
そんな時は、笑うと胃がスッキリするでしょう。
30分のお笑い番組は腹筋12回分に相当
大笑いをしているとお腹や顔の頬が痛くひきつった感じになります。
これは、笑うことで身体の筋肉を刺激し、筋力を鍛えることができます。
面白い研究結果があり、30分のお笑い番組を見て、大笑いし続けると腹筋を12回した時と同じ運動になるそうです。
30分大笑いし続けることで、継続的にお腹に力が入り、腹筋を刺激しているためこれだけの運動量になります。
仕事から帰って運動しようと思っても、身体が疲れているとやる気にならない時もありますよね。
身体が疲れていても、「座って笑うだけで腹筋が鍛えれる」のであれば見てみようかなという気持ちになるかもしれません。
笑うことで周囲の人たちにパワーを与える
カフェに行った時に、女性の店員さんが笑顔で対応してくれると、素敵だなあと思いますよね。
そして、あなたも自然と笑顔になってしまいます。
友人が楽しそうに笑って話していると、自分も楽しくて笑ってしまいますよね。
笑うことは、自分だけでなく、周りにいる人にもよい影響を与えます。
反対に、不機嫌な顔でいると、雰囲気も悪くなり、傍にいる人までもが気持ちに元気がなくなってしまいます。
普段から、笑顔で接することを意識づけると、良い人間関係も作れますし、仕事も効率よく働くことができるでしょう。
常にヘラヘラ笑っていると変な人に間違えられてしまうので、人と会った時や話している時に笑顔でよく笑うことを意識するといいですね。
といっても、普段から笑うことがあまりないと感じているあなたは、難しいなと思うかもしれません。
少しずつでいいので、毎日無理せずに笑うためのトレーニングをしてみましょう!
笑うためのトレーニング
表情の筋肉を緩めてみる
朝の歯を磨く前後に鏡の前でしてみるといいでしょう。
30秒ほどで終わります。
朝に表情筋を緩めておくことで、その日一日笑いやすい表情で過ごすことができます。
人の顔には、表情筋という筋肉があり、その筋肉を動かします。
大きく口を開けて「あ・い・う・え・お」とゆっくり動かします。
「う」の時はしっかり口を前に尖らせる。
「お」の時は、鼻の下をぐーっと伸ばして大きく動かしてくださいね。
これで、自然と表情筋を動かしていることになり、笑いやくなってきます。
お笑いのYouTubeやテレビを見る
普段から運動のYouTubeばかりみるのではなく、お笑いのYouTubeやテレビをみる時間を作ってみましょう
お笑い番組を見ながら、「アハハ」と声を出して大笑いすることが大事です。
家でゆっくり見たいときは、DVDレンタル屋さんでお笑いシリーズがあるので、シリーズ毎に借りてくることもおすすめです。
おすすめは
- 「アメトーク」:運動神経悪い芸人編は、毎回笑いすぎて次の日お腹が痛い!!
- 「ダウンタウンのガキ使いやあらへんで」:お尻を叩かれて笑ってはいけないが、芸人さんが身体を張っている姿に大笑い!!
- 「人志松本のすべらない話」:芸人さんのトークのうまさが分かり、ちょっとしたことで笑っちゃいます。
などなど沢山あります。
Googleで検索すると沢山でてくるので探すのも楽しくなりますよ。
YouTubeでは、笑いたい人向けに動画が配信されているものが沢山あるので検索してみるといいでしょう。
作り笑いをする
それでも、笑う気がしない、そんな笑っている場合じゃなと思う時は一人でこっそり「作り笑い」をしましょう。
作り笑いをするだけでも、笑ったときと同じ免疫力アップの効果があるそうです。
少し、口角を上げて笑う表情をすると、脳は「今!笑っている」と認識するのです。
そして、脳はNK細胞を活性化させる物質を出してくれます。
作り笑いをしていると、楽しかったこと思いだして、思い出し笑いになっていくこともありますよ。
母親からのメールで「頑張ってね!!」を「頑張っての!!」と誤信メールを見たときのことを思い出すとちょっと笑っちゃいますよね。
まとめ
笑うことは、免疫力アップだけでなく、記憶力アップや新陳代謝をあげたり、腹筋と同じ運動量になったります。
また、あなただけでなく周りの人たちにも良い影響を与えます。
毎日笑うトレーニングをすると笑いやすくなります。
- 表情筋のトレーニング
- お笑い番組や笑えるYouTubeをみる
最初は、なかなかトレーニングするのが恥ずかしく思うかもしれませんが、続けていくと顔の筋肉が緩んで穏やかな表情になっていきます。
笑えない時は、一人でこっそり「作り笑い」をして、脳に良い刺激を送ることも大事です。
無理せずに、したくない時はしなくていいですよ。
毎日、頑張っているあなたが少しでも笑顔で過ごせる時間を作れたらいいなと思います。