話題の「ヒルドイドクリーム」の美容効果について気になりませんか?
SNSなどで「美容効果がある」と書かれていると自分も使ってみたくなりますよね。
しかし、ネットで検索してみると、「美容目的の購入は違法」や「医療費増加の問題」など不穏な記事も多数見つかります。
そんな記事を見つけると、使っていいのか不安になりますよね。
この記事では、ヒルドイドクリームが美容目的で購入できない理由から代用品まで解説します。
ヒルドイドクリームとは?
ヒルドイドクリームは、マルホ株式会社の商品で、ヘパリン類似物質という成分を主成分にした保湿剤です。
SNSや有名人のコメントなどの影響で、「最高の美容クリーム」と言われることもありますが、ヒルドイドクリームは化粧品ではありません。
ヒルドイドクリームは、「医療用医薬品」として分類される医薬品です。
手に入れるためには、医師の診断と処方箋が必要になります。
あくまで、病気の治療目的で使用するものであり、美容目的で使用するものではありません。
ヒルドイドクリームが注目を浴びた理由とは?
なぜ、購入に医師の診断と処方箋が必要なヒルドイドクリームが、化粧品のように扱われているのでしょうか?
注目されたきっかけは、SNSなどの書き込みと言われています。
「肌がプルプルになる」などと、ヒルドイドクリームを使っていたアトピー肌や乾燥肌の方たちが書き込んだようです。
そこから一気に拡散され、美容目的でヒルドイドクリームを求める女性が皮膚科に押し寄せる事態になりました。
そして、効果と同時に注目されたのが、ヒルドイドクリームの値段です。
ヒルドイドクリームは健康保険が適応される薬なので、自己負担する金額は全体の1~3割程度になります。
なので、診察料と合わせても1本あたり1000円以内で購入できてしまいます。
美容クリームを買うより、安く購入できるところも魅力だったようですね。
ヒルドイドクリームの美容効果とは?
安くて効果があると注目されたヒルドイドクリームですが、いったいどんな効果があるのでしょうか?
ヒルドイドクリームを使用することで得られる美容効果は
- 高い保湿効果
- 血行促進効果
- 優しい抗炎症効果
の3つです。
高い保湿効果
ヒルドイドクリームの主成分であるヘパリン類似物質は、水分を肌の上に留めておく効果があります。
その保湿効果の高さは、同じ効果を持つ尿素の10倍とも言われています。
更に、クリーム剤には、ワセリンなどの水分の蒸発を防ぐ効果を持つ成分が含まれています。
肌に水分を保つ効果と蒸発を防ぐ効果の2つの保湿効果があるので、高い保湿効果を肌に与えることができます。
保湿は、スキンケアの基本です。
保湿が正しく行われることで、
- 肌を守る機能が正常に働き、肌荒れになりにくくなる
- 水分量が保たれ、小じわができにくくなる
- 肌の生まれ変わりが正常に行われるため、シミが出来にくくなる
など多くのメリットがあります。
もちろん、肌トラブルやエイジングケアの全ての悩みが、保湿で解決するわけではありませんが…。
保湿能力の高いヒルドイドクリームが、美容に効果的なのは言うまでもないでしょう。
血行促進効果
ヒルドイドクリームの主成分であるヘパリン類似物質は、血行促進作用があります。
病院では、打撲や傷跡、あざの治療のために処方されます。
塗った部分の血行を良くすることで、肌の生まれ変わりを促進させることができ、傷跡やあざの回復を早めることができます。
美容効果としては、寝不足や冷えなどが原因の目元にできる青くまの解消効果があると言われています。
しかし、目というデリケートな器官の近くなので、目に入らないように注意が必要です。
弱い抗炎症効果
ヒルドイドクリームの主成分であるヘパリン類似物質は、弱い抗炎症作用があります。
強い抗炎症作用を持つ薬が使えない弱い肌の方や、抗炎症作用を持つ薬にアレルギーがある方に処方されることも多いです。
抗炎症効果としては、他の成分には劣るものの、少し肌ががさつく程度の肌荒れの改善に効果があります。
ヒルドイドクリームを健康保険で購入するのは「違法」
高い保湿効果があり、血行促進効果と抗炎症効果もあるヒルドイドクリームですが、美容目的で処方してもらえるのでしょうか?
実は、ヒルドイドクリームを健康保険を適応させて、購入するのは違法なのです。
健康保険法などで、「けが」「病気」「妊娠」「死亡」以外の「予防」や「美容」の目的で治療や処方を受けることは禁止されています。
なので、美容目的で、ヒルドイドクリームを処方してもらうことは違法です。
しかし、個人の診療所などでは、利益のために美容目的と分かっていても処方している医師が多数いたようです。
その結果、ヒルドイドクリームの処方が増え、医療費が増加したことが問題視されるようになったのです。
健康保険組合連合会の調査によると、美容目的の処方がなくなることで、年間93億円の医療費が削減できるという結果が得られました。
医療保障総合政策調査・研究基金事業政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅲ議題3保湿剤処方のあり方
国民の税金で賄われている医療費を、個人の美容のために使うことは、許されませんよね。
なので、健康保険を使用してのヒルドイドクリームの購入は、違法なのでやってはいけないのです。
ヒルドイドクリームの代用品はあるの?
ヒルドイドクリームを美容目的で購入することは違法です。
しかし、美容効果があるなら使ってみたいですよね。
ヒルドイドクリームと同じ効果を持つ代用品はないのでしょうか?
実は、ヒルドイドクリームの主成分である「ヘパリン類似物質」が配合された商品は、市販品でも多くあります。
病院での処方と違い、時間もかからず、ネット通販やドラッグストアで簡単に購入することができますよ。
ヒルドイドクリームの効果を試したいのであれば、市販のヘパリン類似物質配合の商品を使ってみてはいかがでしょうか?
化粧品として販売されているものと、医薬品として販売されているもので特徴が違うので、自分の目的に合ったものを選んでみて下さいね。
ヒルドイドクリーム代用品(医薬品)
医薬品の場合は、ヘパリン類似物質が0.3%以上配合されています。
乾燥肌の治療薬として販売されており、かゆみが出る乾燥肌や粉吹き肌、カチカチの踵などの改善が目的です。
クリームやフォーム、ミストなど形状も様々あり、用途によって使い分けが出来ますよ。
ただし、基本は塗り薬として作られており、スキンケア用品ではありません。
なので、肌への馴染みやすさ、使い心地、使用後のメイクの出来栄えなどは、化粧品のヒルドイドクリーム代用品には劣ります。
個人輸入のみで購入できるヘパリン類似物質0.445%配合クリーム
硬くなった皮膚には、保湿効果が最も高いクリームタイプ
さっぱりした使用感で頭皮を含めた全身に使うのに便利なスプレータイプ
オールシーズン使いやすく全身に使えるローションタイプ
ヒルドイドフォルテクリームは、ヘパリン類似物質が0.445%配合された医薬品です。
日本ではヘパリン類似物質が0.3%以上配合された商品は、一般の通販サイトでの取り扱いができません。
よって、購入は個人輸入代行サイトのみになります。
ですが、0.445%の濃度は、安全性が日本では確認できていないので、使用は自己責任になります。
0.3%以内の濃度であれば、赤ちゃんに使える程安全です。
不安な場合は、0.3%以内のものを選びましょう。
ヒルドイドクリームの代用品(化粧品)
化粧品のヒルドイドクリーム類似品は、主成分のヘパリン類似物質が0.3%未満の配合の商品です。
乾燥肌の方の日頃のスキンケアにおすすめの商品で、毎日のスキンケアをする化粧品としての保湿効果はとても高いです。
しかし、化粧品という括りになるので、乾燥肌などの肌質の改善効果があるわけではありません。
ですが、医薬品とは違い、美容成分が配合されているなど保湿以外にも効果があるものが多いです。
毎日使うことを前提としているので、使い心地やスキンケア後のメイクの出来栄えなどを考えたものになっています。
なので、毎日のスキンケアとして使用するのであれば、化粧品のヒルドイドクリーム代用品を使う方がいいと思います。
ヘパソフト 薬用 顔の乾燥改善 オールインワン (化粧水 乳液 美容液) ローション
まとめ
今回の内容をまとめると、
- ヒルドイドクリームは、美容クリームではなく医療用医薬品。
- ヒルドイドクリームは、ヘパリン類似物質とワセリンが配合されている。
- ヒルドイドクリームは、高い保湿効果がある。
- ヒルドイドクリームは、血行促進効果がある。
- ヒルドイドクリームは、優しい抗炎症効果がある。
- ヒルドイドクリームは、アトピー肌や重度の乾燥肌の治療、あざや傷跡の治療に使われている。
- ヒルドイドクリームを購入するには、医師の診断と処方箋が必要。
- ヒルドイドクリームは、美容目的で健康保険を使い購入するのは「違法」。
- ヒルドイドクリームを健康保険を使い購入する人が急増し、医療費が60億円増加した。
- ヒルドイドクリームと同じヘパリン類似物質が入っているクリームはドラッグストアやネット通販で購入が可能。
以上です。
残念ながら、ヒルドイドクリームの購入を美容目的で行うことはできません。
しかし、代用品でも、十分同じ効果を味わえると思います。
ヒルドイドクリームの効果を試してみたい時は、ヒルドイドクリームと同じヘパリン類似物質が入った医薬品や化粧品を試してみて下さいね。