日々の疲れを癒すため旅行に行って温泉でまったり、なんてことも難しい今、
リラックスタイムも、家で過ごすことが多いですよね。
過ごす時間が多くなるほど、もっと家の中を落ち着ける空間にしたいと思いませんか。
今回は、色の効果を活用したリラックスできる部屋づくりの工夫を紹介します!
ちょっとの工夫で、効果的に色を使うことができますよ。
色のリラックス効果って?
ネクタイの色で印象を変えたり、やる気を出すことができる、なんて、聞いたことがありませんか?
色の効果というけれど、実際に私たちにはどのように作用しているのでしょうか。
脳で感じる
色は、人間の五感のうちの、「視覚」で見るものというイメージがありますよね。
しかし実際は、脳が作り出す感覚により、認識されるものなのです。
色は、光・物体・見る人の3要素から成り立っています。
光は、電磁波の一種で、
私達が認識する色は、電磁波の波長(1回振動するときの波の長さ)で種類が決まります。
電磁波にも個性があるんですね。
その個性をもった電磁波が、多様な性質を持った物体に当たり、
反射した電磁波を目の網膜がとらえ、情報が脳に伝わります。
脳に伝わって初めて、その光の波長によって色として認識するのです。
目で見たものに「脳が色を塗っている」という表現もあるくらいです。
色の識別には右脳・左脳ともにかかわっていて、
- 機能的な色は左脳
- 感情・情緒的な色は右脳
がそれぞれ働く傾向にあります。
機能的な色を認識する左脳
左脳は、言葉を話したり、理論的に考える働きを持ちます。
仕事で頭を使う時には特に、この左脳の働きが大きいとされています。
機能的な色とは、わかりやすく伝えたり、目立たせるために使う色のことです。
学校の授業中、先生に「ここは重要だから線を引いておくように!」と言われたことがありませんか。
重要な部分に色の線を引くと、そこが強調されるので覚えやすくなります。
左脳はそういった、機能的な色を認識しやすい傾向にあるようです。
感情・情緒的な色を認識する右脳
右脳は、直感で決断したり、感情やイメージ、記憶を扱います。
例えば、目の前に緑のいちごと、真っ赤ないちごがあったら、どちらを選んで食べますか?
「おいしそう!いい香りがしそう!」と直感的に赤いいちごを選ぶのではないでしょうか。
右脳は、記憶やイメージに結び付いた色を認識する働きを持つようです。
リラックスしやすい空間づくりのためには、この右脳に働きかけることが重要で、
右脳に「この空間が落ち着く」というイメージを持たせる色使いが効果的です。
色が、記憶や感情に関係していると知ると、面白くてもっと知りたくなりますよね。
イメージによる色の効果については、こちらの記事に詳しく書いています。
肌で感じる
有名な人が「勝負の日は赤のパンツを履いています!」なんて言っているのを見たことがありませんか。
赤いパンツを履いても、上から服を着たら目で見えないから意味がないのでは、と思いますよね。
実は、目からの影響を受けずして、肌も色を感じ取れることが、研究で分かっているんです。
冬の寒い日、赤外線ヒーターに当たると、肌から心地いい温かさを感じます。
赤外線も、電磁波のひとつなのですが、赤外線が肌にあたっているところは、目で見て色として認識できません。
私たちが脳で認識できない波長をもった電磁波も、
網膜と同じように受容体を持った皮膚で、感じ取ることができるというのです。
その証拠に、目で見なくとも、身体に様々な色の光を当てると、筋肉の緊張度合いが変わることが実験でわかってます。
そして、実験では筋肉の緊張度合いを「ライトトーナス値」言われる値を出しました。
最もライトトーナス値が高く、筋肉の緊張が強く表れたのが、赤だったそうです。
赤のパンツも、気分が上がるだけでなく、肌を通して効果を発揮していたのですね。
リラックス空間づくりに最適な色は?
では、具体的にどんな色を選ぶと、よりリラックスできる空間づくりができるのでしょうか。
右脳が持つイメージで、リラックス効果が高いのは、青・緑・茶色です。
- 青:冷静な、静かな、信頼できる
- 緑:自然な、安らげる、癒し、落ち着く
- 茶色:自然な、落ち着いている、安心する
また、肌が感じる色で筋肉が緊張しにくいのは、同じように青・緑・茶色(ベージュ)です。
これは筋肉の緊張が高まる赤に比べて、筋肉が緩みやすい色とされています。
右脳で感じる色、肌で感じる色、どちらも自然の中にいるようなイメージを持つ色ですよね。
同じ色でも彩度でイメージが変わる
では、青・緑・茶色なら、どんなものでもリラックス効果が高いのでしょうか。
同じ色でも、彩度によってかなり印象は変わります。
彩度とは、鮮やかさ・色の強さのことで、彩度が高いとはっきりした色に見えます。
彩度が高いものは、下の画像のような色です。
なんだかとてもはっきりしていて、あまり落ち着かないですよね。
対して、彩度を少し低くするとこのような色になります。
こちらのほうが落ち着くイメージがわきませんか。
同じ色でも、はっきりした色でなく、
彩度が少し低く、やわらかい・優しいイメージの色を選ぶほうがリラックスできそうです。
自然にある色に近い、「アースカラー」を選ぶと、よさそうですね。
リラックス色の取り入れ方は?
青
青は鎮静効果が高い色です。
そのため、睡眠をとるときに目に入ったり、肌に触れるとリラックス効果が高いです。
シーツやまくらカバーで、青を取り入れるのが効果的です。
ただし、青は悲しみや冷たさのイメージも持つので、暗すぎないものを選ぶと良さそうです。
日中動き回って疲れた体を癒すときには青のカバー、
気分が沈みがちな時には、同じくリラックスできるベージュのカバー、というように使い分けるのも手です。
自分の性格やその日の気分を、自身で感じ取ることも、色をうまく使うコツなんですね。
緑
インパクトの強い緑は、アクセントカラーとして、ポイントに入れるのがよさそうです。
カーテン・クッションカバーなどが、取り入れやすいです。
部屋の中で育てられる観葉植物を置いてみるのも効果的です。
しかし植物は、すぐ枯らしてしまうと苦手意識を持っていませんか。
など、初心者でも育てやすいものを選ぶと挑戦しやすいです。
植物のヒーリング効果も相まって、よりリラックスできる空間になりそうです。
茶色(ベージュ)
茶色は、自然の中でいうと木の色のイメージです。
木の色を取り入れるには、机やベッドなどの家具が思い浮かびます。
しかし、特別に買い替える予定がない限り、取り入れ方に悩みますよね。
そんな時には、収納に使うケースを茶系にするところから取り組んでみてはどうでしょう。
ラタンボックスやシーグラスバスケットなども、アースカラーで置きやすいです。
カバンや雑誌を床に直置きするのではなく、バスケットに入れるのも、
ちょっとおしゃれに茶色を取り入れられるコツです。
照明の色でプラス効果!
色にプラスして取り入れたいのが、照明です。
リラックスしたい部屋には、
- 明るすぎず、温かい印象をもつ、電球色
- 自然光の色に近い、昼白色(ちゅうはくしょく)
を選ぶのがよいです。
オフィスの明かりは、青白い昼光色(ちゅうこうしょく)が使われることが多いようですが、
集中力が上がり、目のさえる明るさなので、リラックスできそうにないですよね。
やわらかくて暖かいイメージの照明を使うことで、よりリラックスできる空間になりますよ。
まとめ
今回は、よりリラックスできる部屋づくりの工夫を紹介しました!
- 右脳で感じるイメージ
- 肌で感じる効能
どちらをみても、青・緑・茶色(ベージュ)がリラックスに効果的です。
また、同じ色でも、彩度が少し低いもののほうが、リラックス効果は高いです。
部屋の照明を、温かくやわらかい、電球色・昼白色に替えるのも、効果的です。
色の効果を知ることで、自分に合ったリラックス空間が作れそうですね。