「しっかり水を止めたはずなのに、蛇口の先からポタポタ垂れてる!」
急に水が止まらなくなったら焦りますよね。
すごいトラブルの予兆かもしれないし、水道代も怖いので今すぐにでも止めたくなると思います。
ただ、修理してもらうにしても、業者に依頼すると費用も馬鹿になりませんから、なるべく安く済ませたい所です。
実は、程度によっては自分でも簡単に修理出来る場合もあります。
今回は自分でできる対処法についてお伝えします!
水漏れは何故起こる?
まず、水漏れが起こる原因や、どこからの漏れてき易いか、について説明します。
水漏れを起こす原因は何?
主な水漏れの原因は次の4つです。
水道管内部等の汚れ
一つ目の原因は水道管の内部の汚れです。
排水管の中に油汚れ等が溜まると、管内の水が流れが悪くなって、水が管内に停留する様になります。
そのまま放置すると、やがて管から水が染み出て漏れてきます。
又、管内の汚れが接合部等の管の内部を傷めてしまい、漏れだしてくる場合もあります。
接合部分の緩み
長期間使用していると、水道管を接合しているボルトやナットが緩んできます。
接合部分が緩んでくると、管内に隙間が出来たりして、漏れだしてくる訳です。
パッキン等の部品劣化
物は使っていると壊れてきます。
水道部品とて例外ではなく、古くなると何らかの不良が出ます。
特に、パッキンというリング状の部品が劣化してくる事で、水漏れが起こるケースが多くあります。
水道管に穴やヒビが開いている
水道管に穴やヒビが開き、水漏れが発生する場合もあります。
経年劣化や水道管の凍結が原因で管が損傷し、水が漏れてきます。
特に気温の低い地域では凍結による損傷が頻繁に発生しやすくなります。
水道管の凍結を防止するためには、水の流れを止めない事も有効な対策法です。
ですから、こういった地域では、わざと蛇口を閉めず鉛筆程の太さになる程度の水を流し続けて、凍結させない様にしています。
どこから水が漏れる事が多い?
キッチン周りでの水漏れ原因は、主に蛇口付近とシンク下にあります。
蛇口付近からの水漏れの場合
蛇口の形には、ハンドル式とレバー式の2つが存在します。
ハンドル式
ハンドル式は、持ち手を回す事で開閉するタイプで、水漏れが発生しやすい箇所は以下です。
- ハンドルの下
- 壁と蛇口の間(給水管の接合部分)
- スパウト(像の鼻の様な長い部分)の取り付け部分
- 吐水口 (スパウトの先)
ハンドル式の蛇口の場合、ケレップや三角パッキンの傷みが原因している事が多いです。
ケレップとは、水道内部の通り道を閉じたり開いたりする部品で、ハンドルの動きに合わせて移動します。
ハンドルが緩むと水圧によってこれが移動して、水の通路を開き、ハンドルを閉めると押されて通路を遮断します。
三角パッキンとは、ハンドル下のナット部分にあるパッキンで、ナットからの水漏れを防止する役割を担っています。
図の蛇口はナットが丸形なので確認しづらいですが、1の部分が六角ナットになっているタイプもあり、こちらは容易に確認出来ます。
このナットの中に三角パッキンが入っています。
ですので、このケレップか、三角パッキンを交換すれば直る事も多いです。
この記事では、ケレップと三角パッキンの修理法をご紹介します。
作業手順は、「漏水箇所に応じた対処を行う」内の「ハンドル式蛇口の場合」にて説明します。
蛇口をきつく閉めるのはNG
蛇口から水漏れがあると、ハンドルをきつく閉めてしまいがちです。
しかし、ハンドルを閉めすぎると部品に不要な力がかかり、部品を摩耗させ、より症状を悪化させてしまいます。
ですから、水が垂れていても、必要以上の力をかけて閉めない様にしましょう。
レバー式
レバー式は、取っ手を上下させる事で開閉するタイプで、下記の箇所から漏れ易いです。
- レバーの下
- スパウト上部
- スパウト下部
- 吐出口
レバー式の場合、カートリッジやスパウト部分にあるパッキンの劣化が原因となっている時がほとんどです。
カートリッジとは、レバーの直下に入っている、流水量を調節するための部品です。
この記事では、カートリッジと、スパウト部分のパッキンの交換方法について説明します。
作業手順は、「漏水箇所に応じた対処を行う」内の「レバー式蛇口の場合」にて説明します。
シンク下からの水漏れの場合
配管からの水漏れの場合、以下の箇所からの漏れが疑われます。
- 止水栓やその接合部
- 管同士の接合部
- 排水トラップの接合部
- 排水管(ホース)の損傷箇所
- 壁の中の配管
- シーリング剤(コーキング)の劣化部分
目に付かないシンク下の水漏れは発見が遅れがちです。
なので、普段から管や止水栓にサビ、汚れ、緩みがないかを定期的にチェックしてみると良いでしょう。
シンク下の場合、シンクと排水トラップの繋ぎ目にあるパッキンの劣化や、ナットの緩みが原因の漏水が多く起こります。
排水トラップとは、シンクに繋がっているカップを逆さにした様な形の装置で、下水の悪臭等が屋内へ逆流するのを防ぐ役割を担っています。
配管の継目からの漏れの場合、シールテープやパッキンの劣化が原因となっているケースも多くあります。
シールテープとは、水漏れ防止用に接合部のネジ部分に巻いてあるテープの事です。
この記事では、排水トラップ周囲からの水漏れや、配管からの漏れへの対処法を説明します。
作業手順は、「漏水箇所に応じた対処を行う」内の各項目にて説明します。
水漏れへの対処法
では、次に水漏れを起こした場合の対処法を記載します。
処置の手順は、以下です。
- 漏水箇所を特定する
- 工具と部品を準備する
- 止水栓を締める
- 漏水箇所に応じた対処を行う
ではまず、漏水箇所の特定からです。
漏水箇所を特定する
修理を行うには、どこから漏れているのか特定する必要があります。
蛇口付近からの様に見える場所なら特定し易いのですが、必ずしも見える場所とは限りません。
各箇所の水漏れチェックの方法は、以下です。
蛇口周り
- 蛇口周りの水を全てタオルで拭き取る
- 蛇口をきつく締め、吐水口から水漏れがないか確認する
- 数分後、蛇口本体やつなぎ目、根元等を見て水漏れ箇所を確認する
水漏れ箇所をチェックした際、ハンドル下のナット部分(上記ハンドル図1)から漏れている場合、三角パッキンの劣化の可能性が高いです。
吐出口(上記ハンドル図4)から漏れている時は、多くの場合ケレップに不良が起きています。
シングルレバー下又は吐出口(上記レバー図1又は4)から漏れている場合、カートリッジ交換を行います。
シングルレバーのスパウト下部(上記レバー図3)から漏れている時は、スパウト下部にあるパッキンを交換します。
スパウト上部(上記レバー図2)の場合、カートリッジかスパウト上部のパッキンに問題があります。
ですから、スパウト上部から漏れていたら、両方交換します。
シンクや洗面台下
- 給水管、排水管周囲を乾燥したタオルで拭く
- 乾燥したタオルを管の周囲に置く(管に巻きつけても良い)
- 数分待ち、タオルが濡れている箇所を確認する
工具と部品を準備する
次に、応急処置に使う工具を準備します。
以下の工具が必要になります。
- 水栓用レンチ
- ウォーターポンププライヤー又はモンキーレンチ
- ドライバー
- ピンセット
- 六角レンチ
自宅の蛇口や止水栓、ナット等の形状やサイズを確認し、対応出来る工具を揃えましょう。
止水栓はドライバーを使わないと締まらない場合もありますから、確認を忘れず行う必要があります。
部品は、現在使用している部品と同じもの、もしくは適合するものをホームセンターで購入してきます。
適合部品が分からない場合、店員に聞けばアドバイスをくれるので、確認してみましょう。
止水栓を締める
作業前には必ず、止水栓を閉めましょう。
止水栓を閉めずに作業してしまい、水が噴出して床や周辺が水浸しになるケースも散見されます。
シンク下に止水栓がある場合、締めるとその場所の水だけを止められます。
修理箇所が蛇口の時は、ここを締めるのが一番良いでしょう。
シンク下に止水栓がない場合、屋外にある止水栓を締めれば、住居全体の水を止められます。
屋外にある止水栓の場所は、住居によって違い、水道メーターボックスと同じ所や、入り口付近の地面に埋め込まれていたりします。
形状も、手で締まるものや、ドライバーが必要な物があります。
漏水箇所に応じた対処を行う
止水を確認したら、それぞれの水漏れ箇所に応じた対処を行います。
蛇口を直す時は、修理前にハンドルやレバーを開けて水を抜ききっておきましょう。
その後、再度、ハンドルやレバーを閉じます。
ハンドル式蛇口の場合
三角パッキンの修理手順は、以下です。
- ハンドルを固定しているネジを水栓用レンチで緩めてハンドルを取外す
- 直下にあるナットをモンキーレンチで緩め、取外す
- 三角パッキンが見えるので、取り出して交換する(ナットにくっついている事もあるので確認する)
- 逆の手順で元に戻す
ケレップの修理手順は、以下です。
- ナット部分が見えないタイプの場合、ハンドルを固定しているネジを緩めてハンドルを外す
- 直下にあるナットをモンキーレンチで緩め、取外す
- 水栓のハンドル又は飛び出している軸を反時計回りに回し取外す
- ピンセット等で中に入っているケレップを取出して交換する
- 逆の手順で元に戻す
レバー式蛇口の場合
メーカーと型番を確認し、カートリッジを購入しましょう。
通常は水栓本体に型番を示すラベルが貼ってありますので、型番を確認したら、各メーカーのHPで調べます。
カートリッジ及びパッキンの交換手順は、以下です。
- レバーを固定しているネジを外してレバーを引き抜く(ネジにキャップがしてある場合、キャップをピンセットや爪楊枝の先で外す)
- モンキーレンチを2つ使い、カートリッジを押さえている部品を外す
- カートリッジを外す(カートリッジ交換の場合はここまで)
- スパウトを引き抜く
- スパウトの接続部がネジ状になっている場合、反時計回りに回して取り外す (水栓自体が回らない様、本体を工具で固定しながら行う)
- パッキンを引き抜く
- 逆の手順で元に戻す
シンク下の給水管、排水管が破損している場合
配管が破損している時は、部位によっては部品の交換よりも、テープによる補修を行った方が、手軽で迅速に行えます。
やり方はいたって簡単で、配管補修用のテープを空気が入らない様に引っ張りながら、破損箇所に巻きつけていくだけです。
なるべくきつく巻いた方が漏れをしっかり防げるので、テープが切れない程度に力加減しつつ、強めに巻きつけましょう。
下記の様な商品は、圧力がかかっていても補修できますから、持っていると重宝します。
配管の継目の修理法は、下記排水トラップの修理法同様に、ナットの緩みを締め直し、まだ漏れていれば外して中のパッキンを交換します。
その際、シールテープが巻いてあった箇所には、元通りシールテープを巻き直しておかないと、水漏れがおきます。
シールテープの使用法は、接合部のオスネジ部分の全面に、空気が入らない様に引っ張りながら巻きつけるだけです。
配管補修用テープより切れやすいので、力加減に注意しましょう。
レクター・アーロンテープ
排水トラップ周囲の場合
排水トラップのパッキンの修理法は、以下です。
- 排水トラップと排水管を繋いでいるナットが緩んでいないか確認する
- 緩んでいる場合は締め直し、直ったか確認する
- 水漏れする場合、バケツやタオルを用意する
- 排水トラップ下のナットを再度緩め、排水パイプを取り外す
- 排水トラップと排水管の継目から漏れている場合は、ここに入っているパッキンを交換する (作業を終え元に戻して確認する)
- 排水トラップをシンクの下から抑えながら、持ち上げて外す
- 排水トラップとシンクの間にあるゴムパッキンを交換する
- 逆の手順で元に戻す
尚、ナットと繋がっていた部分にシールテープが巻いてあった場合は、上記の配管の継目の補修法同様、巻き直しておきましょう。
シンク周りが原因の場合
シンク自体が原因の場合は、交換が必要になりますので、業者に依頼する事になります。
パテ等を使い、漏水箇所を補修した後、速やかに業者に依頼しましょう。
シンクが傷んだ時はリフォームも検討を
シンク自体が劣化している時は、他の部分も悪くなっていて不具合が潜んでいる事もかなり多くあります。
ですので、ある程度年数が経っている場合、仮にシンクを補修しても、すぐに別の所から水漏れをおこす事も少なくありません。
年数が経っていたり、損傷が大きい時は、キッチン全体のリフォームを視野に入れておくのが良いでしょう。
自分で修理出来ない人へ
簡単に直せそうな部分だったとしても、「やっぱり自分で直すのは不安」と思う人もいるでしょう。
又、どこから漏れているのかすら分からない時もあります。
そういった場合は、業者に依頼する必要がありますので、下記項目を参考にして、依頼する準備をしましょう。
業者に依頼する際の目安
まず、依頼するかどうかの判断規準からお伝えします。
下記状況の時は、自分で直すより業者に依頼した方が良いでしょう。
- 勢いよく水が漏れている場合
- 自分で修理出来ない時や、修理出来る自信がない場合
- 修理箇所の取り外しが困難な場合
- どこから漏れているのか分からない場合
特に、勢いよく流れ出ている時は損傷が大きく、修理の難易度も高くなりますから、無理に直そうとせず、業者に依頼する方が無難です。
修理を依頼するとどれ位費用がかかる?
業者に修理を依頼する際、費用はどれぐらいかかるのでしょうか。
業者によって差はありますが、概ね下記の料金を目安にして見積もっておくと良いでしょう。
- 部品交換の無い補修・調整 4,000~8,000円
- 各種パッキン交換 5,000~10,000円
- 排水管の交換 10,000~20,000円
- 水栓の交換 9,000~17,000円
- 配管内のつまり解消 10,000円~30,000円
依頼する時の注意点
ほとんどの業者が、夜間や早朝の場合、割増料金を設定しています。
ですから、なるべくこの時間を避ける方が安く上がりお得です。
尚、夜間に緊急依頼する時は、通常より1万円程度多めに見積もっておくと良いでしょう。
又、料金の内訳には各社差があります。
出張料等の別料金が必要な会社もありますから、事前にしっかりチェックしておきましょう。
尚、受付に関しては作業時間とは逆に、深夜や早朝に行うのが良いでしょう。
午前中の時間帯や、土日、祝日は早く予約が埋まり易いからです。
ですから、迅速に対処したい時は、前日の夜や早朝に受付を済ませておく様にしましょう。
まとめ
もう一度、漏水が起こりやすい箇所と処置手順について、しっかりおさらいしましょう。
水漏れし易い場所
- ハンドルの下
- パイプの付け根
- 壁と管の間
- 蛇口の取り付け部分
- 吐水口
- レバーの下
- スパウト(像の鼻の様な長い部分)周辺
- 止水栓やその接合部
- 管同士の接合部
- 排水トラップ(シンクに繋がっている膨らんだ部分)の接合部
- 排水管(ホース)の損傷箇所
- 壁の中の配管
- シーリング剤(コーキング)の劣化部分
処置手順
- 漏水箇所を特定する
- 工具と部品を準備する
- 止水栓を締める
- 漏水箇所に応じた対処を行う
水周りは時に深刻なトラブルを引き起こします。
ですが、水を使えるからこそ、豊かな生活が実現出来ています。
世界の中には満足に水を使えない場所もあるんです。
水が使える事を感謝しながら生きていけば、きっと水があなたの身の周りだけでなく、心をも綺麗にしてくれますよ。