
漢検という言葉を、一度は耳にした事のある人が多いのではないでしょうか?
出来る事なら、中学卒業までに3級取得を目標とする事が望ましいとされています。
どんなタイミングで、どんな人がチャレンジしているのか。
是非知っていただきたい漢検のメリットを、学生時代の事だけではなく、社会人や大人になってからの事も含めて、詳くご紹介します。
漢検3級取得のメリット

では、何故、3級なのかといいますと…。
公式書類への記載は、3級以上と指定がある事が多いからです。
漢検3級を取得する事で、漢字能力はもちろん、学力の基礎的な部分の向上にもなります。
なによりも、頑張った努力が自分の自信となります。
そんな経験と、漢検3級を持っているという事が、これから先の高校・大学の入試や就職、そして、その先もずっと後押ししてくれる事となるでしょう。
漢検3級とは・・・
中学3年間の修了過程で、中学卒業程度とされています。
基本的には3級からしか評価されない事が多く、受験時の調査書や内申書、就職時の履歴書に記載できるのが3級以上です。
小学校配当漢字の1006字を含んだ1607字が出題範囲となるので、漢字が得意で初めて漢検を受ける中高生に、お勧めの級です。
漢字が苦手な人でも、勉強方法のコツを知れば、合格する事が可能です。
お勧めの参考書や問題集など、漢検3級合格に必要な情報を紹介させていただきますので、是非最後までご覧くださいね。
進学(中学・高校・大学)
学生時代のメリット
受験の調査書・内申書など出願書類に記載できる:点数加算・合否判定の参与・推薦入試の出願要件
- 漢検を評価・活用している高校は全国で2000校以上ある。
- 生徒の能力を学科試験の成績だけではなく、必須能力習得を客観的に証明し、多面的に判断する材料とする。
- これからの大学・短大の入試が思考力・判断力・表現力を重視する傾向になる。
- 推薦入試・AO入試の出願要件になっていたり、能力評価・人物評価の基準の1つにもなっている。
※但し、全ての学校がこの通りではなく、漢検を入試に活用してる高校・大学はネット公開されています
高等学校・大学における「漢検」資格活用状況調査で検索できます。
このように、高校受験にも大学受験にも、役立つ事があります。
それだけではなく、1つの事を達成できる、やる時はやる人という証明にもなります。
そして、漢字に強くなる事で、漢字から意味を読み取れたり考えたりもでき、中学・高校の定期テストや実力テストにも役立ちます。
漢検は、何かの決め手になる事は少ないですが、一生残る資格ですし知名度も高いので、これからの人生の資格取得の最初の一歩として、お勧めします。
また、受験はとてもシビアですので、点数の1点や内申書の内容は、とても大切なものです。
1つでも多く、自分にプラスになる物を持っている事が、自分を助ける事となります。
その事を、早い段階で親が知っているのといないのとでは、雲泥の差である事は、過ぎ去ってから実感するものです。
就職(社会人)
社会人になってからのメリット
就職活動の公式書類(履歴書)に記載できるので、面接・書類選考の味方になってくれます。
- 企業によって、新卒採用の評価指数とする事がある。
- 言語力は勿論のこと、目標に向かって学ぶ意欲を測る指数として、1つの事を達成できる、やる時はやる人だという証明となってくれる
- 企業は、頑張る力を持つ人を求めている。
- 学生時代に資格検定に向けて努力した経験は、頑張った証の1つとして、知識向上の為の前向きな姿勢など、自己PRの好材料になる
- 採用試験で多く実施されている、一般常識問題の「SPI・常識問題」では、比較的高い頻度で、漢字の読み書き問題が出題される
ただし、就職活動においては、2級・準2級を取得しておく方がより有利です。
手書きのエントリーシート
就職活動では最近、エントリーシート書く機会が増えてきています。
漢字が書けないと、恥ずかしい思いをするだけでは無く、マイナスイメージを与えてしまい、評価につながる事もあります。
豊富な語彙力を使って、説得力のある志望動機を自分の言葉で表現できるのが良いでしょう。
パソコン
パソコンでは、簡単に漢字への変換ができますよね。
しかし、使いたい漢字の読み方が分からなければ、ひらがなでさえ打てません。
漢字の勉強をする事で、そんなに難しくないと思っていた漢字でも、案外わからないものである事に気づけます。
人に頼まれた文・文章をすらすら書ける
領収書の宛名書きや、社会人になってから作る事となる会議資料などで、誤字脱字に気づけ、未然に防げる可能性が増します。
会議などで、出席者に配布してから資料の誤字脱字に気付き、その瞬間にドッと汗が吹き出したなんて、経験をした事がある人もいるはずです。
大人になっても、生活や仕事の上で、漢字を読めずに困る事が減ります。
実は、求人のネット検索で漢検3級で検索すると、給与にプラスで資格手当が出る会社もあるので一度試してみてください。
みんなが思う漢検のメリット
子どもの頃・学生時代
- 国語の読解問題に出て来る難しい言葉に対応しやすくなる
- 漢字が苦手というコンプレックスを克服できる
- 理科・社会の用語に強くなる
- 英単語を理解しやすくなる
- 意味記憶が強くなる:漢字は意味を表す文字であり、意味を思い出しやすくするのが漢字学習の根幹部分なので、漢字の意味が理解出来れば、漢字はその意味記憶の記号となる
- 漢検合格のためにキレイな字を書くようになった
- 学習の目標設定ができ、モチベーションの向上につながる
- 入試や将来就きたい職業に役立つ
- 得意分野や興味が広がる
- 不合格の悔しさや合格の喜びが早い時期から経験できる
社会人・大人
- 久しぶりに試験会場でのドキドキを味わえる
- 自信を持って子どもに漢字を教える事ができ、子どもの前で恥を書く事もなくなる
- 資格取得の最大の意義である自分に自信がつく
- 脳トレ・脳を鍛える:言語の感覚は左脳を必要とし、へんとつくりのような感覚は右脳を必要とするので、脳の低下にちょうど良い脳のエクササイズになる
- 合格すると嬉しいし、大人になるとなかなか貴重な、周りから褒められるという経験が出来る
- テレビのクイズ番組で答えられるようになり、楽しみが増える
- 「家族で漢検」:家族で同じ目標にむかって頑張る時間は貴重ですし、家族で合格すれば個人の合格証とは別に、家族の名前の入った「家族合格表彰状」がもらえる
- 自己啓発になり、向上心を失わずにいられる
- 生涯学習の一環
- 新しい言葉や熟語を覚えられる
- 四字熟語や慣用句などの意味をきちんと把握すると楽しい
- 日常のちょっとしたメモや日記や手紙を書くときに、漢字がすらすらと出て来る
- 誰かに漢字の書き方を聞かれた時に、すぐにわかりやすく説明できる
- 英語が出来ると尊敬されるが、漢字を間違えるとバカにされる
スポーツに基礎トレーニングがあるように、勉強にも基礎トレーニングが必要です。
日頃からの地道な積み重ねなくしては、基礎学力は身に付ける事が出来ません。
これは、学生時代の勉学や社会人になってからの仕事においても、必要不可欠なものとなります。
基礎学力が無ければ、高校・大学の勉強にも影響があり、社会に出てからの押し寄せる荒波を泳ぎ切る事が出来ません。
中学生なら、まだまだ長い時間があり、チャンスもたくさんあります!
漢検とは

では、ここで漢検について改めておさらいしておきましょう。
日本漢字能力検定というのが正式名称で、公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施する資格検定です。
一般的に、「漢検」と呼ばれており、一定の読み・書きの漢字力を有している事が証明できます。
日本国内では漢字関連の資格・検定の中では知名度は抜群で、コスパも良く取得しやすいもので、知らない人はほとんどいないでしょう。
「漢検」の位置づけ
通常資格は、国家資格・公的資格・民間資格に分類されており、「漢検」はこの中の民間資格の教養・教育に分類されます。
漢検はどんなもの?

漢字能力を正しく身に着ける事で文章の理解を深め、基礎学力を強化できます。
知識の量だけではなく、漢字の意味を理解して、文章の中で正しく適切に使う能力も身に付ける事が出来まあす。
最初は「読み・書き・意味」です。
そして、上級になってくると、「部首・対義語・類義語・熟語・故事成語・ことわざ・古典的文章での漢字の意味」と幅広い語彙力が求められます。
日本国内では、最大規模の検定試験で、全体の90%の受験者が小学生~高校生の学生で、19歳~22歳までが3%、それ以上は1%程度となります。
最近では高齢者の方が、脳トレで頭を使う事を目的として受験する事もありますが、これはまだまだ少数だと言えます。
自分の実力にあった級を受験する事ができ、漢字に関する能力を評価する物差しの1つであり、社会的にも評価されています。
ただし、就職時のセールスポイントで、漢検に受かっている事だけで自己PRが出来るという考えは持たない方が良さそうです。
趣味や教養を試す試験ですので、合格したからといって、特殊な仕事ができるわけではない事は知っておきましょう。
そして、実は、準1級レベルの漢字は、街の中の多くの場所やメディアにも登場しています。
それでも、現実、社会人になっても2級レベルの漢字の読み書きや四字熟語・熟字訓の知識が乏しい人が多いようです。
どんな知識でも無駄ではなく、頑張った分だけメリットはあります。
近年、企業では社員研修を兼ねて漢検を取り入れる所もあります。
大学を卒業して新卒で採用された人が会社の就業規則を読むことができないなどが実際に起こっています。
「コミニュケーションがとれない=日本語・漢字の語彙不足」
- 自分の考えがまとまらない
- 自分の言いたい事がうまく相手に伝わらない
- 相手の話している内容が理解できない
コミニュケーションがとれないと、ストレスを感じてしまいます。
やはり、相手の話す内容が理解出来る事や、自分の考えがうまく伝わることでストレスのない生活が送れるものなのです。
そこでは、漢検が役立つ事になると言えます。
是非、自分にあったペースでスタートラインを決め、目標を設定し、ゴールに向かって進んでいただきたいと思います。
漢検を受ける前に注意すべき事

漢検を受験するタイミングを、親であるあなたが把握していないと後悔することになります。
小学校の6年間は長く感じると思いますが、中学校の3年間は、本当にあっという間に過ぎ去ります。
入学したと思ったら部活動が始まり、あっという間に3年生の夏休みです。
漢検は通常、年に3回あり、6月頃・10月頃・2月頃です。
中学入学から受験に間に合わすには中1の3回・中2の3回・中3は2回(2月ではもう遅い!)の計8回です。
私の知人が、この日程の事を知らずに、子どもの高校受験の調査書作成までに、3級取得が間に合わなかった事を、後悔していると言っていました。
長男で苦い経験をしたので、次男では失敗したくないと、中1から計画的に進めているようです。
受験方法3種類
- 個人受験:全国都道府県の主要都市約180か所の会場で年3回実施(6月~7月・8月~11月・1月~2月)
- 団体受験:学校・塾・企業などの団体
- CBT会場受験:PCを使用し、都合の良い日程を選ぶ(※7~2級のみ)
検定時間
- 2級:10:00~11:00
- 準2級:11:50~12:50
- 8~10級:11:50~12:30
- 1・3・5・7級:13:40~14:40
- 準1・4・6級:15:30~16:30
検定時間が重ならなければ、1日に4つの級まで受験できますし、どの級からでも受験可能です。
各級(受験する級の目安)
受験級に迷った時には、公益財団法人日本漢字能力検定協会のWEBサイトで10問の問題に挑戦してみましょう。
受験級の目安をチェックできますし、各級の出題内容や問題例も掲載されています。
受験料
- 10-8級:1500円
- 7-5級:2000円
- 4-準2級:2500円
- 2級:3500円
- 準1級:4500円
- 1級:5000円
受験に年齢制限は無く、年間延べ200万人以上が受験をしており、今までに3歳~102歳までの方がチャレンジしています。
勉強方法&おすすめ教材

「出来るまで繰り返す事=試験勉強」です。
本来、出来ないものを出来るようにする事が勉強ですので、どんな問題集を使うかより、1番重要な事は、出来るまで何度も繰り返す事です。
そして、練習で出来ていない事は試験本番でも出来ません。
それを念頭に置いて勉強をしてみましょう。
勉強方法の基本

効率の良い勉強方法のコツは、配点の高い物から攻略していく事です。
逆に言いますと、配点の低い物は後回しにして良いという事です。
始めに過去問にチャレンジしてみて、単元ごとに採点しておき、勉強の順番を計画する事は極めて重要な事だと覚えておいてください。
漢検3級の問題3グループ
- 漢字の読み・書き110点:漢字の読み(30点)・漢字の書き取り(40点)・送り仮名(10点)・同音・同訓異字(30点)
- 語句の意味70点:対義語・類義語(20点)・熟語(30点)・熟語の構成(20点)
- その他20点:誤字訂正(10点)・部首・部首名(10点)
まずは、110点と全体3割を占めている漢字の読み書きからスタートしましょう。
読み書きを進めていく事で、必然的に送り仮名や同音・同訓異義語の知識も増えていきます。
漢検3級の合格ラインは約70%の正解率で、140点を目安とできます。
ですので、①の次に②に取り組むことがベストです。
そして、配点だけで考えると、①と②だけしか勉強する時間が取れなかったとしても合格する事が出来ます。
シンプルな勉強法(学習方法は非常に単純)
漢字は、毎年新しい漢字が作られたり、意味や読み方が変わるわけではないので、出題範囲は決まっています。
- 問題集にチャレンジ(直接書き込まない)
- 間違えた問題にのみ、チェックを付ける(消せるもので)
- 間違えた問題のみ、もう1度チャレンジ
- 2回目も間違えた問題を別ノートい書き写す
①~④のように、ひたすら頻出度準に問題を解いて覚える事です。
漢検は他の資格試験とは学習方法に少し違いがあり、勉強の対象が漢字なので、とにかく書いて覚えるスタイルをとる事が大切です。
テキストや参考書の解答を隠して、頭の中だけで答えを出すという勉強方法はお勧めできません。
覚えるという事には時間がかかりますので、時間と根気が必要です。
余裕を持って、1~2か月前から対策をスタートさせる事をお勧めします。
お勧め教材の使い方

とにかく、検定対策では、1冊の問題集を95%以上正解(理想は全問正解)することが出来るようになる事です。
焦る気持ちは分からなくもないのですが、あれもこれもと問題集の数を増やすのはやめましょう。
1冊の問題集の全ての内容を定着させる事が合格への1番の近道です。
教材としては、それぞれの級ごとに、過去問や参考書が販売されていますし、スマホやタブレットなどで使える漢検対策アプリもあります。
とりあえず、漢字能力検定協会の過去問題集を利用する事が1番無難です。
参考書の販売も、協会にとっては大事な収入源となりますので、そこから出題される可能性が高いからです。
お勧めは、「漢検漢字学習ステップシリーズ」と「漢検過去問題集」です。
この2冊にしっかり取り組むことを強くお勧めします。
中学生は、普段の授業の予習・復習や宿題に加えての対策となるので、工夫して勉強しましょう。
まとめ

漢検3級を中学生のうちに取得しておく事のメリットこそあるものの、マイナス要因は一切無い事がお分かりいただけたかと思います。
漢字は、学生時代の今だけではなく、大人になっても役立つ知識で、今の自分のレベルに合わせてのスタートが可能です。
焦る必要はありませんし、今日から準備をスタートすればじゅうぶん間に合います。
まずはスケジュール把握をして、受験に間に合うように対策を考えてみてはいかがでしょうか?
漢検を取得する事で、受験・就活やコミニュケーション能力での不安材料を、1つでも減らすアイテムになってくれることでしょう。