ラベンダーは、やさしい香りとたくさんの美容効果を持っています。
古代ローマ人が洗濯や入浴の際に使っていたことから、ラベンダーの名前は「洗う」という意味のラテン語「Lavare」に由来します。
つまり、皮脂を落としてすっきり洗い上げる効果があるのです。
また、ラベンダーは、消毒や火傷の手当、鎮痛剤や鎮静剤にも使われていたそうです。
甘い香りはリラクゼーション効果も抜群です。
マッサージオイルやバスオイルとしても使えるラベンダーオイルは、自宅で手軽に作ることができますよ。
ラベンダーオイルの美容効果や、簡単に作れるレシピをご紹介しますね。
ラベンダーオイルの効果
ラベンダーオイルには様々な使い道と美容効果があります。
その中でも4つのと使い道と美容効果についてお伝えしますね。
- フェイシャルオイル
- ボディオイル
- バスオイル
- アロマオイル
では、それぞれの効果を見ていきましょう。
フェイシャルオイルとしての効果
フェイシャルオイルとして使う場合のラベンダーオイルには、特にたくさんの美容効果が期待できます。
ラベンダーの芳香成分は、リナロールやエステル類のモノテルペンアルコール類です。
この、モノテルペンアルコール類に抗菌作用、消炎作用があり、新陳代謝を高めることで肌のバリア機能を促す他、鎮痛作用があります。
具体的にどんな効果があるのか細かく見ていきましょう。
抗菌効果
ラベンダーには抗菌作用があるので、ニキビや吹き出物などの肌荒れ予防効果が期待できます。
消炎作用
ラベンダーには消炎作用もあるので、日焼けした肌のほてりを取ってくれますよ。
新陳代謝を促し、肌のバリア機能を高める
ラベンダーは、新陳代謝を促し、肌のバリア機能を高めてくれるので、くすみやしみ、しわの予防など、エイジングケアにも有効なんですよ。
鎮痛効果
ラベンダーの香りを嗅ぐことで、血流の変化がおこり、痛みを軽減することができるという報告もあります。
つまり、ラベンダーオイルを使ったフェイシャルマッサージを繰り返すことで、頭痛を軽減できるのです。
また、ラベンダーオイルで手足をマッサージすることで、筋肉痛を軽くすることができますよ。
様々な効果を持つラベンダーを是非、日々の美容に取り入れたいですね。
ボディオイルとしての効果
甘いラベンダーの香りにほっとしたこと、ありませんか?
ラベンダーの香りに含まれるリナロールにはリラックス効果があります。
ラベンダーは、ポプリやお茶、石けんなどに使われる人気の高いハーブで、ボディーオイルとして使われることもあります。
他にも鎮痛効果があるので、肩こりや筋肉痛にも有効です。
気になる部分を中心に、ラベンダーオイルで優しくマッサージしてみましょう。
また、ラベンダーの芳香成分であるリナロールには鎮痛作用があるので頭痛にも有効ですよ。
立ちっぱなしだったり、外回りが続いた日には、ラベンダーオイルで疲れた足をマッサージしてあげてください。
書類整理や事務処理で肩が凝った日には、上半身を中心にマッサージしてみてくださいね。
マッサージでむくみが取れてすっきりし、ラベンダーで痛みからも解放され、疲労も回復しますよ!
バスオイルとしての効果
ラベンダーの香りには、副交感神経を刺激してリラックスさせる効果があります。
お湯を張った湯船にラベンダーオイルを5ml入れ、よくかき混ぜてみると、フローラルな香りが浴室いっぱいに広がります。
蒸気とともにラベンダーのフローラルな香りをかげば、緊張がほぐれ、ゆったりした気分になりますね。
疲れた時や心配事がある時には、ラベンダーオイルをバスオイルとして使うことをおすすめします。
心も落ち着きますし、オイルの保湿効果で肌もしっとりします。
もちろん、フットバスにもいいですよ!
アロマオイルとしての効果
ラベンダーは、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌を促してくれます。
睡眠不足になると、肌の新陳代謝を鈍らせ、肌トラブルの原因となるので、睡眠効果のあるラベンダーオイルの「芳香浴」をしてみるといいですよ。
また、ラベンダーには抗不安作用もあるので、仕事や人間関係で不安な時にラベンダーオイルをアロマテラピーとして使うと、緊張をほぐしてくれます。
コットンにラベンダーオイルを含ませ、枕元に置くのもおすすめです。
寝る前に、身も心もほぐしてあげてくださいね。
ラベンダーオイルの作り方
ラベンダーオイルにはたくさんの効果があることが分かりました。
ここからはラベンダーオイルの作り方を見ていきましょう。
今回は、
- 市販のラベンダー精油を使って作る方法
- 市販のドライラベンダーを使って作る方法
- フレッシュ(生の)ラベンダーを使って作る方法
の3種類をご紹介します。
ベースとなるオイルは、無臭で肌への浸透力が高いホホバオイルを使いますね。
市販のラベンダーのエッセンシャルオイルを使って作る方法
市販のラベンダーのエッセンシャルオイルを使ってラベンダーオイルを作るのが一番簡単です。
準備するものは、次の3つです。
- ラベンダーのエッセンシャルオイル 10滴
- ホホバオイル 50ml
- 遮光性の保存瓶 50ml
遮光性の保存瓶に、ホホバオイルを50ml、ラベンダーのエッセンシャルオイルを10滴入れ、よく混ぜれば出来上がりです。
びっくりするほど簡単ですよね?
6ヶ月から1年くらい保存することができます。
注意点
ここで、注意することは、エッセンシャルオイルの量と保存瓶です。
- エッセンシャルオイルの量
一般的なエッセンシャルオイルは、一滴が約0.05mlです。
ラベンダーオイルを作る時は、エッセンシャルオイルの濃度が1%以下になるよう調整するので、10滴以上は入れないでくださいね。
なぜなら、エッセンシャルオイルの原液はアルコールのような揮発性成分が多く、直接肌触れるには刺激が強すぎるからです。
エッセンシャルオイルは、ベースオイルで希釈することで、刺激を減らし、美容効果を引き出されるのです。
もし、香りが強すぎると感じるのなら、お好みでエッセンシャルオイルを減らしてもいいですよ。
ここで、エッセンシャルオイルはどんなものかという説明と、おすすめの商品をご紹介しますね。
エッセンシャルオイルは、花や葉、果皮、根などから、植物の香り成分を抽出したエッセンスです。
ラベンダーは、エッセンシャルオイル1kgを作るために、ラベンダーの花穂が100〜200kg必要と言われています。
市販のラベンダーのエッセンシャルオイルはいくつかありますので、ご紹介しますね。
生活の木 エッセンシャルオイル ラベンダー・フランス産(真性ラベンダー)
フランスのプロヴァンス地方で生産された、ラベンダーの天然100%精油です。
ニールズヤードレメディーズ エッセンシャルオイル ラベンダー
厳選された南フランスのオーガニックラベンダーを使った精油です。
ウッディ調のフローラルで優しい香りです。
- 保存瓶
保存瓶の種類にも気をつけてください。
日光に当たると、ラベンダーの香りが過度に分解されてしまうので、保存するのは透明な瓶ではなく、遮光性の瓶がおすすめです。
また、保存瓶は、煮沸消毒してしっかり乾燥させてくださいね。
市販のドライラベンダーを使って作る方法
次に、市販のドライラベンダーを使ってラベンダーオイルを作る方法をご紹介します。
フレッシュなラベンダーを乾燥させる手間が省ける分、お手軽にできますね。
エッセンシャルオイルで作る場合と違うのは、抽出に時間がかかることです。
出来上がりまで、2〜4週間かかります。
そのかわり、ラベンダーの量を増減したり、抽出を繰り返すことで、自分の好みの香りに仕上げることができますよ。
準備するものは、次の4つです。
- ドライラベンダー 1/4カップ
- ホホバオイル 50ml
- 透明な保存瓶(抽出用) 50ml
- 遮光性の保存瓶(保存用) 50ml
ラベンダーの選び方
ラベンダーにはたくさんの種類があります。
どれを選んだらいいのか、迷ってしまいますよね。
まず、主なラベンダーの種類を説明します。
- イングリッシュラベンダー
- フレンチラベンダー
- スパイクラベンダー
- ラバンジン
があります。
イングリッシュラベンダー
イングリッシュラベンダーは、最も一般的なラベンダーで、コモンラベンダー、真性ラベンダーとも呼ばれています。
甘い香りの成分であるエステル類の酢酸リナリルを多く含み、リラックス効果が高く、心を癒やしてくれます。
今回、ラベンダーオイルにおすすめなのは、このイングリッシュラベンダーです。
フレンチラベンダー
イングリッシュラベンダーの甘い香りとは違って、すっきりとしたグリーン調の香りがします。
虫除けなどにおすすめです。
スパイクラベンダー
スパイクラベンダーも、フレンチラベンダー同様、ローズマリーや樟脳に似たシャープな香りを持っています。
消炎効果が高く、虫刺されや軽い火傷などのケアに用いられます。
ラバンジン
イングリッシュラベンダーとスパイクラベンダーを掛け合わせた交配種です。
両者の中間的な特徴があります。
ラベンダーもいろんな種類があるので、用途に合わせて選んでくださいね。
では、次に、フレッシュなラベンダーを使ってラベンダーオイルを作る方法を説明しますね。
1.ラベンダーとオリーブオイルを瓶に入れる
煮沸消毒し、乾燥させた透明な瓶にドライラベンダーを入れます。
ラベンダーがかぶるようにホホバオイルを注ぎ、蓋をします。
乾燥したラベンダーは、オイルを吸って膨らむことがあるので、オイルは満タンにはせず、容器の口から1〜2cm程度、スペースを残しておいてくださいね。
2.日光を当てて熟成させる
窓際など、日光の当たる場所に、2〜4週間瓶を置き、ラベンダーの香りや成分がオイルに抽出されるのを待ちます。
ラベンダーがオイルによくなじむように、時々、清潔なスプーンでかき混ぜてください。
また、ラベンダーがオイルを吸って、オイルの量が減った場合は、ホホバオイルを足し、ラベンダーがしっかりオイルにつかるようにしてくださいね。
3.ラベンダーを漉す(こす)
ラベンダーオイルをガーゼで漉し、遮光性の保存瓶に移し替えたら、完成です!
できあがったラベンダーオイルは、6ヶ月くらいで使い切りましょう。
市販のドライラベンダーはたくさんありますが、おすすめの商品をご紹介しますね。
お菓子やポプリにも使える、ドライハーブです。
注意点
保存瓶は、透明なもの、遮光性のもの、どちらも煮沸消毒して、しっかり乾燥させてくださいね。
オイルを作る時は透明な瓶、保存する時は遮光性の瓶にしてください。
まちがって逆にしてしまうと、ラベンダーの成分がうまく抽出されなかったり、香りが飛んでしまったりするので、気をつけてくださいね。
フレッシュ(生の)ラベンダーを使って作る方法
フレッシュなラベンダーでも、ラベンダーオイルは作れます。
新鮮なハーブを使うと、手間はかかりますが、より香りの高いオイルができますよ。
ラベンダーは虫がつきにくく、育てやすいので、ベランダやお庭でラベンダーを育てているということもあるかもしれませんね。
自分で育てたハーブで作るラベンダーオイルがどんな香りになるか、試してみるのもいいかもしれませんよ。
ラベンダーの種類で説明した通り、イングリッシュラベンダーを使ってくださいね。
残念ながら、フレッシュラベンダーを使ったラベンダーオイルは長くは持ちません。
2週間を目処に使い切ってくださいね。
準備するものは次の4つです。
- フレッシュラベンダー 10〜15枝
- ホホバオイル 50ml
- 透明な保存瓶(抽出用) 50ml
- 遮光性の保存瓶(保存用) 50ml
1.ラベンダーを乾燥させる
ラベンダーは細長い茎の先端に紫の小さな花が穂のように咲きます。
この花を含め、15cm程度の長さにラベンダーを切ります。
つぼみや葉からも香りが抽出されるので、一緒に使ってもいいですね。
使うラベンダーの本数は、ラベンダーの花の量が少なそうであれば、増やしてもいいです。
ラベンダーを多めに切って乾燥させておけば、次にラベンダーオイルを作る時や、思ったより香りが出なかった時に使えますよ。
使う前に、ホコリ落としを兼ねて流水でていねいに洗い流してください。
2.日陰に置いてラベンダーを乾燥させる
洗ったラベンダーはしっかりと乾燥させましょう。
輪ゴムや糸などでラベンダーを束ねて逆さまに吊り下げ、風通しの良い場所で乾燥させてください。
直射日光に当てると香り成分が損なわれるので、日陰に置いてくださいね。
乾燥にかかる期間は2週間です。
ゆっくりと乾燥させることで、腐敗菌の繁殖を抑えることができるので、時間をかけてドライにしてくださいね。
3.透明な保存瓶にラベンダーとオイルを入れる
まずはじめに、透明な保存瓶に乾燥させたラベンダーを入れます。
この時、香り成分の多い、ラベンダーの花を摘んで瓶に入れてください。
つぼみを使う場合は、つぼみをハサミで切るか、指で開いてください。
茎は使いませんので、捨てるか、庭の肥料にしてくださいね。
ラベンダーを全て入れたら、清潔なすりこぎ棒でラベンダーを潰し、香りを出します。
潰し終えたら、ホホバオイルを注ぎます。
ラベンダーが空気に触れると腐敗が始まることがあるので、ラベンダーをオイルですっかりおおうようにしてください。
瓶の蓋をしっかりしめ、日光の当たる場所に置きましょう。
3〜6週間すると、ラベンダーの香りや成分がしっかりとオイルに抽出されます。
4.抽出が終われば完成!
ラベンダーの有効成分がオイルに抽出されたら、ラベンダーオイルをガーゼで漉し、遮光性の保存瓶に移し替えます。
これで、ラベンダーオイルの完成です!
もし、香りが弱ければ、漉したラベンダーオイルにもう一度フレッシュラベンダーを入れて日当たりのよい場所に2〜4週間放置し、再抽出してくださいね。
また、ラベンダーオイルの保存期間を延ばしたいのであれば、ろ過したオイルにビタミンEを加える方法もあります。
ラベンダーオイルを湯煎(ゆせん)する方法
どうしても何週間も待てない!という場合は、湯煎にかけてラベンダーオイルを作る方法もあります。
ラベンダーとホホバオイルを保存瓶に入れるところまでは同じです。
ラベンダーとオイルを入れた瓶の蓋をしっかりと閉め、弱火で1時間、湯煎にかけます。
この時、湯煎の温度は40〜50度にし、熱くなりすぎないように注意してください。
香りが飛んでしまい、ラベンダーの有効成分が抽出されにくくなることがあります。
湯煎が終わったら、瓶は湯煎にかけたまま冷まし、完全に冷めたら取り出します。
常温で2〜3日放置し、オイルにラベンダーの香りが移ったら、オイルを漉して完成です。
この場合も、2週間で使い切ってくださいね。
注意点
生のラベンダーを使うときは、カビの原因にならないよう、傷みがないか確認し、しっかり乾燥させることが大事です。
せっかく作るのですから、花やつぼみ、葉の状態を観察し、ちゃんとドライになっているか、チェックしてからオイルを作ってくださいね。
まとめ
ラベンダーオイルには、たくさんの美容効果があることがわかりました。
- 肌荒れを予防し、アンチエイジング効果をもつ
- マッサージに使うと、肩こりや筋肉痛にも有効
- バスオイルに使えばリラックス効果抜群
- 寝る前の「芳香浴」にも使える
そして、このラベンダーオイルは自宅で作ることができます。
- エッセンシャルオイルで手軽に作れる
- ドライハーブで好みの香りに仕上げられる
- フレッシュラベンダーを使えば、より香り高いオイルを作ることができる
ラベンダーオイルで、リラックスしながらきれいになれるなんて、最高ですね!
ぜひ、作ってみてください。