
夫の転勤が決まり、心の準備もままならないまま引っ越す。
転勤について行く家族のメンタルも落ち込むので、特に妻・母親の立場であれば
自分の寂しい気持ちをぐっとこらえて、
笑顔で気丈に振る舞っているかもいるかもしれません。
この気持ちを誰かに相談しても、アドバイスをもらっても、
いまいち煮え切らないモヤモヤを抱えていませんか?
私の知人の奥様が、初めての転勤による引っ越しでショックのあまり寝込んでしまった時期があるそうです。
知人は心理学や自己啓発の本などを読み、そこから得た方法を奥様に実践してもらったことで、今は回復し前向きに過ごされているようです。
この記事では、私が知人から聞いた話しから誰でも実践しやすい方法で、
寂しいという感情から、あなたの本音はどうしたかったのかを探り出し、
その感情と本音との向き合い方をお伝えします。
いつまでも寂しさを引きずらないためには、感情と向き合うことで、気持ちの整理をつけて、
新たな出発ができるようなご提案をしていきます。
それでは、転勤や引っ越しで慣れ親しんだ場所を離れなければならなくなったときに、
湧き出る寂しさの正体は何なのかを解説します。
自分の感情に蓋をせずしっかりと向き合う

人はネガティブな感情を感じている間は、苦痛な状態が続きます。
すると、無意識に何とかこの苦痛から逃れようとするので
やけ酒・やけ食い、ショッピングで発散、ギャンブルなどの簡単に実行できる、
刺激のあるものにすり替えて、感じ切らないままやり過ごしてしまいます。
また、頑張り屋さんな母親なら
「いつまでも私が悲しんでいる場合じゃない!私よりつらいのは夫や子供。私が家族を支えなきゃ!」
と、悲しんでいてはいけないと感情を否定して、
感情に蓋をして感じないようにしているだけなので、モヤモヤは消えません。
知人の奥様もこのモヤモヤを消そうと苦しんでいたようです。
知人も見ているのがツラく、話しを聞いてあげるだけでは解決にならないと感じたそうです。
このモヤモヤと向き合わないでいると
無意識に家族の寂しさとすり替えて、あなた自身の寂しさや悲しみには見て見ぬふりをするようになってしまうのです。
このように根本的な解決には至らず、たとえ前向きになれたとしても、
また引っ越すようなことがあれば、寂しい!引っ越したくない!と
ツライ状況が繰り返されてしまう状態になってしまいます。
ネガティブな感情は、解決策を見出すためのきっかけであることに気付く
あなたは悩みがあるとき、どのような行動をとっていますか?
たいていの人は誰かに相談したり、家族や友達に
「ちょっと聞いてー」と
悩みを打ち明けて、共感してもらうことで安心し、そのままになっていませんか?
正直なところ、気がまぎれただけなのではないでしょうか?
ネガティブな感情は悪いものと捉えがちです。
しかし、ネガティブな感情は”自分の理想や期待が叶わなかったとき”に出てくることが多いです。
では、”自分の理想や期待は何なのか”を知ることができれば、
あなたはどのような自分でいたいのか、あなたの大切にしたい価値感が見えてきます。
職場であれば、
・切磋琢磨してツライ時期も一緒に乗り越えた仲間と仕事ができる環境は⇒理想
そんな環境でずっと仕事していけると思っていた。⇒期待
・お世話になった上司に、恩返しになるような成果を出したかった。⇒理想
尊敬する上司に自分の頑張りを評価してもらいたかった。⇒期待
プライベートのことであれば、
・通いなれたお店、家族や友達と過ごした思い出がたくさん詰まった場所⇒理想
そんな場所で暮らしていけると思っていた。⇒期待
・家庭や子育ての悩みを分かち合って、
お互いの成長を感じながら励まし合える友達がいる⇒理想
家族や友達とずっと一緒にいれると思っていた。⇒期待
上記の例から、信頼できる仲間と自分のすべき仕事をひたむきにこなし、
身近な人たちと支え合いながら成長していける関係や、環境に価値を感じているということになります。
この大切にしてきた価値を引っ越しにより手放すことになるので、あなたは寂しいのです。
もし、出てこない場合はネガティブな感情はダメなことだと思っている可能性があります。
「あなたはなぜそう感じたの?」と聞かれて、あなたが感じている思いを素直に話す機会は少なかったかもしれません。
自分の考えや思いを伝える前に、頭ごなしにこうするべきだと言われ慣れてしまっているので、
自分がどうしたいのかわからなくなっているのかもしれません。
なので、感じ切ることで自分の本音・こうなりたいという理想が見えてくるのです。
知人の奥様も最初は、「もう、会えないんだからいいの、関係ないじゃん」
「せっかく心から信頼できる人たちといれたのに、もうこういう人たちと出会えないと思う。また一から人間関係作るの面倒くさいし」
など、本音を引き出そうとしても寂しさや孤独感に囚われ、なかなか向きあうことができなかったそうです。
それでも、一つずつ上記の例のように奥様のなりたかった理想や期待を一緒に確認していきました。
奥様自身も自分がどうしてこんなに寂しくて自暴自棄になっていたのかが明確になり、改めて、自分の価値観や理想の状態をリストアップしました。
この価値観と理想を実現していくにはどうすればいいのか、リストをもとに具体的な方法を考えられるようになったそうです。
あなたと関わった方たちに”素直な気持ち”と”感謝”を伝える

まずは、あなたの思いを素直に伝えてみるのが良いと思います。
頭や心でぼんやり感じるだけでなく、言葉や文章にして自分自身に
あなたはこう感じているんだよと話しかけてあげるように
改めて聞いたり・見たりすることで感情を
感じ切ることができます。
・今感じている寂しいという気持ち
・感謝を伝えたい人との関わりで感じたこと
(例:「悩みを共有できて、心の支えになってました。」など)
を意識してみるのがポイントです。
一瞬で寂しさが消えることはないですが、あなたの素直な気持ちを伝えることで、少し寂しさが和らぎます。
涙が出てしまうかもしれませんが、その時は我慢せず泣いて感情を出し切ることです。
涙も感情の一つですし、みんなも寂しいと思っているので恥ずかしいとか、カッコ悪いなんて思わなくて大丈夫です。
特に親しかった人へは個別にプレゼントと手紙を添えると、もっと寂しさが癒えると思います。
知人の奥様も、思ってはいたけど当たり前になってしまい伝えていなかった感謝の気持ちや、
自分がどれだけ多くの人に支えられていたのかに気付いたそうです。
たとえ会うことがなくなったとしても、支えてくれた人たちがいてここまで成長してこれた自分がいることは、
何物にも変えられない奥様だけの宝物になっている。
そう思えたことで、寂しくても離れていても自分は支えられているし、応援されていると前向きに考えられるようになったそうです。
また、お子さんがいるのであればお子さんにもお友達と、余裕があればクラスメイトへプレゼントやお手紙を書くことを、やらせてあげてください。
お子さんもあなたと同じように寂しさを感じていますから。
頑張りすぎない

引っ越し先で「よーし!また友達作るぞー!」と活動的になるかもしれません。
とてもよいことですが、頑張りすぎないのがとても大切です。
ただでさえ引っ越しの疲れや、家族のこと、寂しさなど、
たくさんの感情を感じてきたので元気になったように感じても、ダメージは残っていたりします。
思うようようにいかなくなると、また寂しさがぶり返してしまうこともあります。
知人の奥様も、支えてくれた人たちがいると気付けたことで前ほど寂しくなくなり、無理に友達を作りたいと思わなくなったと言っていて、
引っ越し先の特産物を使った郷土料理を作ってみたり、
地域の無料体験や、数千円で参加できる趣味のコミュニティに通ったりして充実した時間を過ごしているそうです。
地域のコミュニティを活用することで頑張らなくても、人と出会うきっかけを作ることができます。
そのような場所では、同じことに興味がある人の集まりなので、話しの合う人と出会えるかもしれません。
まずは、自分が居心地よく過ごせるように自分を大切にする時間を作るのがおすすめです。
自分を大切にするということは、ショッピングやカフェでランチをするなどのようなことを思い浮かべがちですが、
ここでは、感情を大切にすることを意識することがポイントです。
とくに、ネガティブな感情を感じ切ってあげてください。
まとめ
転勤による引っ越しで感じる寂しさとの向き合い方は
・ショッピングやギャンブルなどの衝動的なもので発散するだけでなく、
どんな感情も感じ切る
・ネガティブな感情を否定しないで、あなたはどうしたかったのかを感じてみる
・関わった方々へ素直な気持ちと感謝を伝える
・頑張りすぎない
一言で寂しいと言ってもその奥にはさまざまな思いが隠れています。
自分の感情と向き合うことはすごく苦痛だど感じることもありますが、
自分の大切にしたい価値観すなわち、自分自身の存在価値も見いだせるのです。
寂しさや怒りなどを反射的に感じた時は、
その奥に本音があるよ!本当はこうしたいんだよ!
というあなたの心の声を聞いてあげてください。