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波が穏やかでも要注意!海辺で起こる溺水事故の原因と予防策・万一の対処法

「もし、我が子が海水浴の最中に溺れてしまったらどうしよう」

親なら、そういった不安を持つのは当然だと思います。

では、家族の安全のために、前もって危険を察知し、回避するにはどうしたら良いと思いますか?

事故が起こってから考えたのでは遅すぎますよ。

事故を未然に防げる様になるには、まず正しい予防法をきちんと理解しておく必要があります。

予防法を知って、マリンレジャーを安全で楽しいものにしましょう。

 

なぜ溺水事故が起こるのか?

溺水(できすい)事故とは、溺れてしまって気道内に液体が入り、気道が閉塞することによる窒息してしまうような事故ですね。

まず、事故を起こす原因や、どういった場所で事故が起こるか等についての説明から始めます。

溺水事故はどこで起こるのか?

警察庁提供の資料によると、海での事故が約半数を占め、以下は河川が1/3、用水路が約8%、湖畔が5%と続きます。

上記データから、マリンレジャーは特に注意が必要だと分かりますね。

参考までに、海上保安庁のデータを元にした、溺水事故が起こる場所と発生原因についての表も記載致します。

家庭内やその周囲で起こる場合

場所 原因
家庭内 室内等 乳幼児の誤嚥(飲食物が気管内に入ること)によるもの
バケツ 水の入ったバケツに頭から転落
浴槽 転落、入浴中の急病等による意識喪失
洗濯機 転落
家庭周辺 転落
側溝 転落
流雪溝 転落
用水路 転落

 

遊泳場所で起こる場合

場所 原因
施設 プール 遊泳中の水没等
温泉・銭湯 入浴中の急病等による意識喪失
自然の中 河川 転落、遊泳中の水没、災害等
転落、遊泳中の水没、災害等
湖沼 転落、遊泳中の水没、災害等

マリンレジャーで最も多い事故の原因は?

海上保安庁のデータによると、毎年、マリンレジャー中に約900人が事故に遭っています。

内訳は遊泳中が最も多い329人、釣り中が289人、磯遊び中が60人と続き、これらが全体の約3/4を占めます。

年齢別に見ると、10代以下の子供が全体の1/3以上となっており、子供から目を離すのは危険である事が分かります。

何が事故原因になるのか

事故に至る原因は多岐に渡ります。

中でも下記が原因とされる事故が多く発生しています。

  • 初心者の場合、水への恐怖心からパニックを起こしてしまい、溺れる
  • 筋肉がけいれんを起こし、泳げなくなって溺れる
  • 飲酒により、体が思う通りに動かなくなり溺れる
  • 疲労や体調不良のせいで体が上手く動かせなくなり溺れる
  • 持病を発症し溺れる
  • 離岸流に飲み込まれる(離岸流については後述)
  • リーフカレントに飲み込まれる(リーフカレントについては後述)
  • 低体温症を起こし、体を上手く動かせなくなり溺れる
  • 救命具を付けずに釣り等をしていて転落し溺れる
  • 喉や鼻から入った水が耳に到達し、平衡感覚を失い溺れる

 

どうすれば事故を防げる?

では、事故を起こさないためには何をすれば良いのでしょうか。

ここでは、事故を予防する上で必要となる事項を説明していきます。

事故を予防する上で重要となるポイントは下記です。

  • ライフセーバー・監視員のいる場所を選ぶ
  • 体調を万全に整えておく
  • 離岸流をチェックする
  • リーフカレント(離岸流に似た沖へ向かう流れ)をチェックする
  • 長時間海に入りっぱなしにならない(子供を一定時間毎に海から出す)
  • 動物型等の大きい浮き具は使用しない
  • 釣りやボート遊びをする際は救命具を付ける
  • 子供からは目を離さない
  • 初心者は足の届く場所以外には行かせない
  • 遊泳禁止の場所に行かない
  • 飲酒しない
  • 気象情報を確認しておく

ライフセーバー・監視員のいる場所を選ぶ

事前に地方自治体のホームページ等で海水浴場に関する情報を入手し、ライフセーバー等がいる場所を選びましょう。

ライフセイバーや監視員は海難救助のプロですから、彼らより頼れる存在はいません。

ですから、彼らのいない自然海岸等での遊泳はすべきではありません。

体調を万全に整えておく

遊泳は体力を著しく消費しますから、疲労、体調不良がある場合は溺水する危険性は高まります。

さらに、体調不良の状態では、万一救助活動が必要になった場合に支障をきたします。

又、海水浴中は何事もなくとも、疲労による注意力低下が原因となり、帰宅時に交通事故を起こすケースもあります。

ですから、体調を万全に整えると共に、体調不良を感じたら、無理せず自重しましょう。

離岸流をチェックする

砂浜に打ち寄せられた水は、またどこかから沖に戻ろうとします。

そのせいで、ごく一部の場所に、沖の方へと戻ろうとする強い水流が生まれます。

この強い水流の事を、離岸流(リップカレント)といいます。

離岸流があると、気付かない内に沖まで流されてしまいますから、大変危険です。

前もって離岸流を見つけられれば、事故を未然に防げます。

離岸流を見分けるポイントは、下記になります。

  • 発生場所では波が砕けず、その両側で砕けて白くなる
  • 波が砕けた後に出来る泡(や、巻き込まれたゴミ)が、沖に向かって流れている
  • 海の色が回りと違っている
  • 波が穏やかで静かな時でも、表面がざわざわしている

リーフカレントをチェックする

リーフカレントは、離岸流に似た潮の流れで、主に珊瑚礁のある場所で発生します。

珊瑚礁の周囲は、外礁と呼ばれる防波堤の役割を果たす壁で被われていますが、その所々に小さな切れ間(リーフギャップ)があります。

海が満潮から干潮に移行している間は、水位は海側が低く、珊瑚礁内が高い状態になります。

すると、水は高い所から低い所へ流れるので、外礁の隙間から、水位の高い珊瑚礁内の水が海へ向かって流れ出します。

この海へ流れ出す水流の事を、リーフカレントと言います。

リーフカレントに飲まれると、離岸流同様、沖へ流されてしまうので、大変危険です。

見分け方は離岸流によく似ていて、泡(白波)の途切れた場所がリーフカレント発生場所である可能性が高いです。

又、リーフカレントは潮の満ち引きだけでなく、波浪やうねりのある時にも発生します。

浅い場所でも離岸流やリーフカレントに流される!

離岸流やリーフカレント発生場所に深さは関係ないので、足の届く場所でも流される恐れがあり危険です。

海底には、斜面の傾きが大きくなっている場所もしばし見うけられます。

傾斜が大きい場所にいる時に、離岸流のように海側へ引き込む流れがあると、踏ん張りが効かず、そのまま海へ引き込まれてしまいます。

実際に川で起きた事故に、上記と同様の原理で女児2人が川の中に引き込まれ、亡くなったという事例もあります。

ですから、足が届くからといって油断してはいけません。

長時間海に入りっぱなしにならない

水の中では大気中よりも早く体温が奪われます。

ですから、定期的に陸に上がり、日に当たる事で、低体温症を回避する必要があります。

下記は、一般財団法人海技振興センター作成の「船員の低体温症対策ガイドブック」に記載された内容を元にした、水温と意識不明、生存時間についての表です。

水温
意識不明までの時間 予想生存時間
0°C以下
15 分以内 15 分~ 45 分
0°C~ 5°C
15 分~ 30 分 30 分~ 90 分
5°C~ 10°C
30 分~ 60 分 1 時間~ 3 時間
10°C~ 15°C
1 時間~ 2 時間 1 時間~ 6 時間
15°C~ 20°C
2 時間~ 7 時間 2 時間~ 40 時間
20°C~ 25°C
2 時間~ 12 時間 3 時間以上

この表から、衣服を着用していない場合、水温次第では数時間以内に危険に晒されると分かります。

ですから、余裕をみて、最低でも30分〜1時間に1度は陸に上がるようにすべきでしょう。

尚、月の平均水温は、平均気温の変化に対し遅れて追従します。

大気と海水との間に温度差がある場合、温度の低い方へと熱が渡されます。

海の面積は大きいので、その際の受け渡しに時間が掛かり温度差が生じる訳です。

気温○度なら水温○度という明確な関係はありませんが、一般的には水温変化は気温に対し約1〜2ヶ月遅れると言われます。

なので少し水温を低めに見積もり、こまめに海から出る様にした方が良いでしょう。

一般財団法人海技振興センター 船員の低体温症対策ガイドブック

子供を楽しませながら休憩させよう

ただ、海水浴を楽しみにしてきた子供達は、陸に上がる意味を理解できず、嫌がる時もあると思います。

そこで無理矢理休ませると、子供も嫌な気持ちになりますから工夫しましょう。

例えば、休憩を兼ねた昼食やおやつの時間を設けたり、スイカ割り等のイベントを行うと良いです。

楽しい時間を過ごしつつ、休憩が取れるよう、上手く誘導してあげましょう。

動物型等の大きい浮き具は使用しない

動物型等の大きい浮き具を使用していると、陸からの風によって、遊泳区域外に流されてしまう場合も非常に多くあります。

「浮き具があるから」と安心していると、それが自分の体から離れた瞬間、恐怖に陥りパニックを起こします。

そして、そのまま溺れるケースが相次いで発生しているといいます。

ですから、浮き具は大きすぎる物は避けると同時に、ドーナツ型等の体から離れにくい物を使用しましょう。

釣りやボート遊びをする際は救命具を付ける

上記にもある通り、釣りの最中等での事故が毎年かなりの件数起こっています。

なので、必ず救命具をつけてから釣り場に向かいましょう。

釣りの最中に大きな獲物が掛かり、釣り上げようと必死になるあまり注意力が低下し、海に転落するケースも多く発生しています。

ですから、釣りの際は靴の滑り止めがすり減っていないか等の確認が必要です。

又、無理に釣り上げようとして深入りしない事も肝心です。

初心者は足の届く場所以外には行かせない

初心者は海水に慣れていないので、鼻や口から水が入ると特に強く反応し、パニックを起こす場合も多くあります。

その際に溺れないためにも、海が始めての子の場合、まずは足の付く所で十分に海水に慣らしてから、泳がせる必要があります。

又、常に一緒に行動して安心させてあげるのも大事です。

一緒に行動する事でパニックも起こしにくくなりますから、誤嚥による事故も未然に防げます。

一緒に遊んであげれば、事故を防げるだけでなく、一生の思い出となるかけがえのない時間にもなりますよ。

子供は耳に水が入りやすい?

子供の場合、三半規管に水が入ってしまい、平衡感覚を失って溺れるケースも少なからずあります。

鼻に水が入った時、ツーンとした痛みを感じた経験があると思います。

これは、人間に鼻と耳を繋ぐ穴がある事に起因するもので、鼻に水が入ると、一時的にその穴を塞ぐ反応を起こします。

結果、耳への水の侵入が防がれます。

しかし、子供の場合、その防御機能が未発達な子もいますから、鼻から入った水が三半規管まで到達してしまいます。

そうなると、平衡感覚を保てなくなり、たとえ永力がある子でも溺れてしまいます。

ですから、「うちの子は泳ぎが上手いから大丈夫」と過信してはいけません。

ほんの少し目を離している間に溺れてしまうケースも多くありますから、子供から出来るだけ目を離さない様にすべきです。

 

いざという時の対処法

万一、事故に遭遇してしまったら、どう対処すれば良いのでしょうか。

ここでは、事故発生時にとるべき行動について説明していきます。

  • ヘルプ・シグナル (「助けて」のサイン) を出す
  • 背浮きを行う
  • スマホに防水ケースを付けておく
  • 離岸流に対し垂直に移動する
  • 溺れた人を助けようとして水に飛び込まない
  • 道具を活用する
  • ヒューマン・チェーン(手と手をつないで鎖を作る方法)を作る

それでは、順に見ていきましょう。

ヘルプ・シグナルを出す

ヘルプ・シグナルは、溺れた人やその周囲にいる発見者が、救助を求める際に行うサインです。

片手を左右に大きく振って周囲に知らせます。

波がある海水浴場等では、ライフセーバーによる溺れた人の速やかな確認と救助活動のきっかけになるので、大変重要です。

但し、ライフジャケット等の浮き具を付けていない場合、片手を振ると沈んでしまいます。

ですから、救命具や浮き具等で十分浮力を確保している事が前提になりますので、着用していない場合は行ってはいけません。

背浮きを行う

背浮きとは、背中を下にする浮き方であり、呼吸を保つための最善の方法です。

人の体は、息を吸った状態で水に入った場合、体の98%沈み2%が水上に出ます。

この時垂直体勢だと、水上に出るのが2%だけなので、頭頂部しか水上に出ず、息が出来ません。

しかし、息を吸い背浮きの姿勢をとれば、水上に出る部分の2%の部分に鼻と口が含まれる様になります。

ですから、呼吸を可能にする上で、背浮きは有効です。

背浮きの方法は以下です。

  • 手足を水面よりやや下にして、大の字に広げる(手の横軸の位置は可能な限り頭より上に、縦軸は頭より下にする)
  • 但し、ペットボトル等の浮く物があれば、へそ辺りで手で抱える
  • 軽い靴は履いたままにする(浮き代わりにする)
  • 大きく息を吸い、肺に空気を貯める
  • あごを上げる

スマホに防水ケースを付けておく

釣りやボート遊びの最中に転落した場合、スマホに防水カバーを付けておけば、周囲と連絡を取れます。

最近は安値で手に入る様になっていますから、取り付け忘れない様にしましょう。

又、カバーを付けておけば、浅瀬で遊んでいる際にスマホを海に落としても、大事なスマホを壊さずに済みますので重宝しますよ。

「お気に入りのスマホが壊れた」なんてなったら、悲しくなります。

ですから、水遊びをする際にはカバー着用を推奨します。

スマホ用防水ケース

離岸流に対して垂直に移動する

離岸流に乗ってしまうと沖へ流されてしまいます。

もし、沖へと流されている事に気付いた場合、真横に移動し離岸流から脱出するのが最も効果的な方法です。

永力に自信があるなら、離岸流に対し岸と斜め45度の方角に向けて泳いで脱出するとより効果的です。

溺れた人を助けようとして水に飛び込まない

溺れた人を助けようと水に飛び込み、自分も溺れてしまうケースも後を経ちません。

陸にいる時に溺れている人に気付いたら、まず近くにいるライフセイバーや監視員に速やかに報告する様にしましょう。

海上保安庁は、次の動作を溺れているかの判断指標として挙げています。

  • 後部から波を被り、前髪が顔にかかりながらも浜に向かおうとする動作
  • 浮き沈みを繰り返しながら水面に顔を出し空気を吸おうする動作
  • 両手で水面を叩いている動作
  • 水面でもがく様に水を掻いている動作
  • 頭を後ろに反らせて梯子を登ろうとしている様な動作

道具を活用する

要救助者の近くにいる場合、道具を使っての救助を試みます。

浮き輪やクーラーボックス等の浮く物を投げ入れる、釣り竿、ロープ等の長いものを差し伸べると良いでしょう。

自分が着用している服やズボンを繋げてロープの代わりにするのも有効です。

以下に道具を使用する場合のポイントを記載します。

  • ペットボトル等は、投げやすくなるよう少し水を入れてからキャップを閉める
  • 蓋はしっかり閉める。
  • 溺れた人に声をかけたり、大きな音を出したりして、気づいてもらうようにする。
  • 下手投げで、溺れている人が手を伸ばせば届く範囲に投げ込む
  • 溺れた人に当たらないよう気をつける

釣り中の場合、空のペットボトルにおもりを付けた釣り糸の先端を入れ、蓋を閉めて釣り竿で投げ込むと良いでしょう。

この方法なら、失敗しても再度引き上げて投げ込める上、溺れた人が掴んだ後近くまで引き寄せる事が可能です。

ヒューマン・チェーンを作る

水に入り助ける場合、一人で飛び込むと危険ですから、人の手と手を繋ぎ合わせて、人間の鎖を作ると良いでしょう。

可能ならば、誰かが柵や木ににつかまり、その人と手を繋いで溺れている人の所まで鎖を長くして行きます。

この時、鎖が切れない様、つなぎ合わせる人同士で手首を掴み合うのがポイントです。

 

まとめ

これまでに説明してきた事を、最後にもう一度おさらいします。

特に予防法に関わる部分は、しっかりと再確認しておきましょう。

予防法
  • ライフセーバーや監視員のいる場所を選ぶ
  • 体調を万全に整える
  • あらかじめ離岸流やリーフカレント発生場所をチェックしておく
  • 一定時間毎に海から上がる(海から出す)
  • 大きい浮き具は使用しない
  • 釣りやボート遊びの際は救命具を付ける
  • 初心者は足の届く場所以外には行かせず、一緒に遊ぶ
  • 遊泳禁止の場所に行かない
  • 飲酒しない
  • 気象情報を確認しておく
対処法
  • ヘルプ・シグナルを出す
  • 背浮きを行う
  • スマホに防水ケースを付けておき、緊急時にすぐ連絡する
  • 離岸流に対し垂直に移動する
  • 溺れた人を助けようとして水に飛び込まない
  • 道具を活用する
  • ヒューマン・チェーンを作る

水場でのレジャーは危険も多く伴います。

しっかりと知識を付けて、子供との貴重な時間を楽しく過ごして下さいね。

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