「小さい子供って叱っても理解してくれるの?怖がるだけじゃない?」
しかしいつまでも叱らないのは本人の将来が心配ですし、周囲にも迷惑をかけてしまいそうなので、いつからどのように叱れば良いのか悩みどころだと思います。
私の友達の、1歳の子供を育てるSさんが先輩ママに相談したところ、実は子供を叱るには適した年齢があり、それぞれの年齢にあった叱り方・伝え方があることがわかりました。
それを聞いたSさんは、これからの育児の不安が少し解消されたそうです。
この記事では、いつから子供を叱ると効果的なのかと、幼児期に子供を伸ばす、上手に叱る4つのポイントをご紹介します!!
上手な叱り方は子供のためになる!
なぜ子供を叱る必要があるのかというと、それはしつけをするためですよね。
しつけは子供が将来、周囲と生きやすくするためにとても大事なことですが、間違った叱り方をしてしまうと意味がないどころか逆効果になります。
実は上手に叱ってあげると、子供にはとても良い効果があるんですよ。
ぜひうまく「叱る」ことを取り入れて、子供が成長できるように促していってあげましょう。
「叱る」と「怒る」の違いって?
叱ることで子供を怖がらせてしまうのではと不安な方は、「叱る」=「怒る」だと思ってはいませんか?
「叱る」とは、相手の事を思って冷静にアドバイスを伝えたり、相手を認めながら言葉を伝えることです。
対して「怒る」とは、自分の感情に任せて相手を否定し、自分の感情を抑えるためだけに言葉を発することです。
このように「叱る」と「怒る」は全くの別物で、どちらが子供のためになるかは、一目瞭然ですよね。
怒りに任せて子供を責めてしまえば、本人は自分を否定されたと感じ、パパママに心を開きづらくなってしまうでしょう。
しかし、「叱る」というかたちで子供の考えを受け止めたりアドバイスが出来れば、子供は「パパママは自分のことを受け入れてくれている、自分のことが嫌いになったわけじゃなんだ」と安心することが出来ます。
パパママに対して安心することで、何か困ったことがあったら相談してくれたり、頼ってくれるようになりますね。
怒ることは、パパママが気持ちを発散させるために必要な時もあるかもしれません。
でもどうかそれを子供には向けず、別の場所で発散させるように工夫してみてくださいね。
上手に叱ることで子供はどう変わるの?
上手く叱ることが出来ると、子供は素直に大人のいうことを吸収してくれるようになります。
そうすれば、子供はどんどん社会のルールや周囲との関わり方を学んでいくことが出来ます。
叱ることはしつけをするためで、将来子供が周囲とうまく暮らしていくために必要だ、とお伝えしましたね。
その将来の下支えを大人がつくってあげるためにも、上手に叱って子供を伸ばすことはとても大切なのです。
子供のこれからのためにも、ぜひ上手な叱り方を身に付けましょう!
いつから叱るのが良いの?
子供は、一度言われてすぐに物事を理解することは出来ないですよね。
身に付くまで、何度も何度も根気強く伝える必要があります。
そのため、産まれたときから何がダメなのかを伝え始めることが大切です。
しかし、言葉がまだ通じない子供を叱っても、当然何を言われているのかわからず、怖がらせてしまうだけですよね。
具体的に何歳から叱るのが良いのか、それまではどうすれば良いのか、みていきましょう。
0・1・2歳は叱らなくても大丈夫!
0・1・2歳は、まだ言葉での意思疎通が上手く出来ないですよね。
叱ってみたとしても、なんだかパパママの方が空回りしている気分になってしまいます。
実はこの頃は、叱るよりもまず、親子の信頼関係を築くことが一番です。
どのように信頼関係を築けば良いのか、それぞれの年齢でご紹介します。
0・1歳のころ
0歳は、厳密に言うと乳児期と呼ばれる時期なのですが、0・1歳で気を付けることはほとんど同じです。
この時期は話しかけたり褒めることで、基本的信頼関係を築きましょう。
基本的信頼関係があるかどうかで、今後パパママの叱ったことがうまく伝わるかどうかが変わってきます。
「叱る」ということは、大人と子供のあいだに基本的信頼関係があることによって、初めて成り立つものです。
そうでなければ、叱られることは、子供にとってただの恐怖でしかありません。
0・1歳のうちにしっかりと親子で信頼関係を築いておきましょう。
もしこの時期に危ないことをしたり、触ってはいけないものを触ってしまったら、まずは表情や擬態語等で伝えましょう。
「これはアッチッチだから触っちゃダメだよ」
「イタイイタイするからやめてね」
このように2歳以降になっても繰り返し使える言葉で、この時期から伝えると良いですね。
2歳のころ
2歳は自我が芽生えて「イヤイヤ期」がはじまりますね。
色んなことに興味を持ち、好奇心が出てきた証拠ですが、なかなか本人の思うとおりにいかずイヤイヤしてしまいます。
その力強いイヤイヤに、パパママも圧倒されてしまうかもしれません。
イヤイヤ期の対処法としては、叱るよりもまず、気持ちを受け止めてあげることが効果的と言われています。
Sさんの先輩ママも、お子さんのイヤイヤ期に手をやいたそうです。
ある時、普段は危ないので棚の上に置いてある洗剤を、お子さんが欲しがりました。
「こぼしたりしたら危ないからだめ!!」と初めは叱っていたママでしたが、あまりにもお子さんが泣くので、「ごめんね、触りたかったんだね」と声を掛けました。
するとそれまで泣いていたのがウソのようにお子さんは泣き止み、コクンとうなずいたのです。
この年齢の頃はいけないことを叱ってやめさせるよりも、「こうしたかったんだね」と気持ちを一旦受け止めてあげる方が満足するようです。
また、子供はこの頃からとても良く大人の行動を見ていますよね。
挨拶をする、テーブルにのぼらない、靴を履いて家にあがらないなどの基本的なマナーを、時には失敗しながら身を持って体験していきます。
大人が良い見本となって、子供に真似してもらえるようにしましょう。
本格的に叱り始めるなら、3歳からがベスト
3歳以降は、やっと互いに言葉でコミュニケーションが取れるようになる年齢ですね。
つまり、きちんと言葉で伝えて叱れば、理解してくれるようになります。
そして子供との会話が楽しい反面、してはいけないことをした時、それを伝えることの難しさも感じるようになりますよね。
3歳以降の幼児期では、どのように叱るのが良いのでしょうか。
3歳のころ
子供が3歳になるころには、言葉でもかなりコミュニケーションが取れるようになってきます。
しつけとして「叱る」ことを本格的に始めるのなら、この時期からでしょう。
この時期に叱るときは、子供本人はどうしたかったのか、何がダメだったのかを、具体的に伝え合うことが大切です。
その上で、大人が打開策や代替案を示してあげましょう。
「今はこういう理由があって出来ないから、明日のいついつにしよう」
「これはこういう理由があって危ないから、こうするのはどう?」
などとコミュニケーションを取った上での大人からの提案なら、きっと子供も納得してくれるはずです。
4・5歳のころ
4・5歳になると、集団生活をしている子が多いかと思います。
歳の近いお友達と関わることが増え、子供本人も「自分と他者のどこが同じでどこが違うのか」を感じ始める時期です。
お友達の真似はするけど大人には反抗したり、大人をてこずらせることが増えてきますよね。
この年齢の子供を叱る時のポイントは、ほかの子と比べた叱り方をしないことです。
このような叱り方は子供の自尊心を傷つけるだけで、何も改善はしません。
「○○ちゃんは出来てるのに」「○○くんはそんなことしないよ」というような言い方はせず、そのお子さん本人にあった声掛けをしてあげましょう。
誰だって、自分を否定されると自信をなくしてしまいますよね。
叱る時はぜひ、子供本人に向き合って言葉をえらんであげてくださいね。
幼児期に子供を伸ばす、上手に叱る4つのポイント
しつけで叱る手段が有効になってくるのは、3歳前後からです。
それまでは、叱られてもなかなか本人の中で理解できないことの方が多いですよね。
叱るということは、ただ闇雲に叱って、指示に従わせれば良いわけではありません。
実は繰り返し上手に叱ることで、効果的に子供の成長を促すことが出来るんですよ。
ここでは、
- 家庭内ルールを決める
- ~しなさい!ではない伝え方をする
- 人格を否定する&叩くことはしない
- 叱った後のフォローを大切にする
この、幼児期に子供を伸ばす、上手に叱る4つのポイントをご紹介します。
家庭内ルールを決める
家族みんなで守る家庭内ルールを決めると、それが家族みんなのベースになります。
パパママもそれをしっかり守ることで、子供が大人の真似をしやすくなります。
逆に大人がルールを守らないと、子供は何が正しいのかわからなくなってしまうので、大人がきちんと見本をみせてあげましょう。
「おはよう」「おやすみ」の挨拶をする、物を投げたり乱暴に扱わない、食事の時のマナーなど、外でも通用する基本的なマナーから繰り返し始めると良いですね。
Sさんの先輩ママがお子さんを叱るとき、大人みんなで子供一人を叱ることは絶対にしないとルールを決めているそうです。
例えばパパがお子さんを叱るときは、ママはそれをじっと見守ります。
そうするとママは二人の様子を客観的に見ることが出来るので、もしパパが論点とずれたことを言っても修正できますし、叱られた後のお子さんをフォロー出来ます。
小さい子供は叱られても、なかなか自分一人で感情を消化できません。
そこで大人が子供の気持ちを代弁してあげることで、なぜ叱られたのかを理解する手助けになりますよね。
家庭内は、しつけをゆっくりする絶好の場です。
大人が良い見本となり、叱られても一緒に何が悪かったのか考えてあげることで、子供の理解を深めることが出来ますね。
〜しなさい!ではない伝え方をする
何かをやめてほしい時、「もうやめなさい!」と言っても、なかなか子供は動き出そうとしません。
そんな時は2つの点に気を付けて伝えると、格段に子供に伝わりやすくなります。
- その後の見通しがつくように伝える
時計を見せて「針がここまできたらおしまいね」と伝えたり、テレビを観るのをやめさせたければ「CMになったらおしまいだよ」と、はっきりここまで!というラインを示すと良いですね。
子供は自分から楽しいことをやめることが難しいので、なにか目標があった方が区切りをつけやすくなります。
次第に自分でも、次の行動への区切りをつけることが出来てくるので、この声掛けは就学前から積極的にしていきたいですね。
- 出来るだけ具体的に伝える
「何回言えば分るの!」や「きちんとしなさい!」という抽象的な言い方では、子供は何を怒られたのか理解することが出来ません。
しかし3歳くらいの子供なら、具体的に伝えてあげれば、ある程度物事を理解してくれます。
おもちゃを乱暴に扱ってしまったら、「おもちゃを投げたりぶつけたりしたら、ここが壊れちゃうかもしれないね。そうしたら遊べなくなっちゃうね。悲しいね」と出来るだけ具体的に伝えましょう。
物を乱暴に扱う=壊れる=遊べなくなって悲しい
と順序立てて伝わるのでお子さんも理解しやすくなり、もし次の機会があれば自分でも同じように考えることが出来るようになります。
人格を否定する&叩くことはしない
人格を否定するような、「もう知らないよ!」「馬鹿じゃないの?」いった言葉は使わないようにしましょう。
また、手を挙げることはしつけではありません。
人格を否定することと叩くことは、ただ子供を委縮させて感情を出せなくするだけです。
お友達や兄弟姉妹にも、同じようなことをしても良い、と子供が思ってしまうかもしれません。
子供は大人の背中を見て育つので、大人がそういった行為をしていては、「自分もやって良い」と思っても仕方ないですよね。
とはいっても、大人も一人の人間ですからカッとなるときはあります。
Sさんの先輩ママも日々の中でなかなかお子さんが言うことを聞いてくれず、手を挙げそうになる事が何度かあったそうです。
そんなときは一旦深呼吸をすることで、感情的になっていた自分を見つめなおし、お子さんの立場に立って気持ちを考えられるようになるとのことでした。
他人を傷つけようとすることは、集団生活では特にトラブルになりやすいです。
大人が見本となって、子供が周りとうまく生きていけるよう手助けしてあげましょう。
叱った後のフォローを大切にする
叱った後に子供が悲しそうにしていたら、ぜひフォローをしてあげましょう。
叱った後のフォローをしっかりすることで、親子の関係をこじらせることなく、次に叱る機会があっても効果的に伝えることが出来ます。
フォローは何も特別なことをする必要はなく、一緒におやつを食べたり抱きしめてあげたり、そんな普段していることで気分転換をするだけで十分です。
そして「少し叱りすぎたかな」と思ったら、「さっきは言いすぎてごめんね」と伝えてあげましょう。
そうすることでお子さんも、「ママは自分の事が嫌いになったんじゃなくて、さっきは悪いことをしたから叱られたんだな」とわかるようになります。
Sさんの先輩ママはある時、叱った後のスキンシップで「ママさっき怒りすぎちゃったねぇ」とお子さんに言われ、「ばれてたかぁ」と思わず笑ってしまったそうです。
叱った後も、そんな雰囲気で過ごせると良いですね。
叱りっぱなしにするのではなく、お互いにまた元通りに仲良くなれるよう働きかけることで、人間関係の勉強にもなります。
【番外編】幼児期に大切なシチュエーション別の叱り方・伝え方
子供を叱らなければならない場面というのは、日常生活の中でたくさんありますね。
周囲と円滑に暮らしていくために、幼児期から特に繰り返ししつけをした方が良い場面があります。
もしかしたら、お子さんが1・2歳頃の場合はまだ早いかもしれませんが、これからご紹介する場面はこの先たくさん訪れます。
知っていて損はないので、ぜひ読んでみてくださいね。
ここでは、
- 他人との関わりの場面
- 危険・命に関わる場面
この2つの場面で、どのように叱ったり伝えるのが効果的なのかをご紹介します。
他人との関わりの場面
もし自分のお子さんがお友達を押したり叩いてしまったら、親としては「何てことを!!」と咄嗟に叱りそうになりますよね。
しかし、まずは相手のお子さんに「大丈夫?痛かったね、ごめんね」と声を掛ける姿を子供に見せましょう。
それから本人には、「何か嫌なことがあったの?おもちゃ取られたのかな?」と気持ちを汲むことで、感情の整理をさせてあげると良いです。
パパママも、他のおうちのお子さんが関わることなので、思わず感情的に怒ってしまいそうになりますよね。
子供が他人に危害を加えてしまう時、たいていは本人に嫌なことがあって感情の整理がつかず、叩いたりしてしまうことが多いです。
きつく叱りたくなる気持ちはわかりますが、そこはぐっとこらえ、お友達を攻撃してしまった後の対処法も一緒に考えてあげると良いでしょう。
「欲しかったら欲しいって言うんだよ」や、「一緒に遊びたかったんだね」と声を掛けてあげると良いですね。
始めは、大人が間に入って危険がないか調整することも必要かもしれません。
しかし根気強く繰り返し伝えていれば、幼児期も後半になってくると、次第に子供たち同士で解決できるようになることも増えるかと思います。
危険・命に関わる場面
家の外で道路に飛び出してしまったり、手をつながずに走り出してしまったり、子供は時に突拍子もない行動をしますね。
そこで本人や周りの人に危険が及ぶような行動をしたら、強い感情と表情で、簡潔にダメな事を伝えましょう。
大人の表情や言い方がいつもと違えば、それだけ子供にも伝わりやすくなります。
Sさんはお子さんが危険なことをした時、遠くから危険だと声掛けするのではなく、駆け寄って本人の間近で「飛び出したら怪我するからダメ!」などと伝えるようにしています。
さらに、お子さんはいきなり叱られてびっくりしていますから、抱きしめてダメな事を簡潔に伝え、それから何がダメだったのかをゆっくり伝えるようにしているそうです。
そうすることでお子さんも冷静になって話を聞くことができ、きちんと理解してくれるようです。
子供は何度も繰り返し教えられることで、やっと世間のルールを学んでいきます。
ハラハラする場面がたくさんあるかもしれませんが、子供本人の安全のためにも、大人がしっかり教えてあげましょう。
まとめ
子供を叱るということは、とても難しいことです。
まだ子供が小さすぎるときに叱っても、なかなか本人には響きません。
この記事では、本格的に叱り始めるなら3歳からがベスト、とお伝えしました。
また、3歳以降でも雰囲気や言い方一つで、伝わるか伝わらないかが変わりますし、上手に叱らないと子供の将来にまで影響してしまいそうですよね。
この記事ではそんな心配を抱えたあなたのために、
- 家庭内ルールを決める
- ~しなさい!ではない伝え方をする
- 人格を否定する&叩くことはしない
- 叱った後のフォローを大切にする
幼児期に子供を伸ばす、上手に叱る4つのポイントをご紹介してきました。
1歳から5歳頃の子供を叱る必要があるときには、このポイントに沿ってやってみると、きっとわかりやすくて本人の心に響く叱り方が出来るはずです。
「叱ることで子供を傷つけてしまわないかなぁ」と思うかもしれません。
しかししつけのために叱ることは、子供本人と周りの人が一緒に生きていくうえで、とても大切なことです。
大人が誠心誠意心をこめて、「ダメなことはダメ」と伝えることが出来れば、きっと子供なりにも理解できると思います。
この記事を読んで、今後もあなたが素敵な親子関係を築くことが出来ることを願っています!