「何度も来たことあるのに、地図を見ているのに、いつも迷う」
最終的にはなんとか目的地にはたどり着けるけども、できることならスムーズに目的地に到着したいと思いませんか?
実は方向音痴は反復訓練で改善出来るんです。
訓練して迷わなくなれば、
もう到着予定時間を、迷うことを前提に1時間以上余分にとったり、
歩いていける距離なのに迷って結局タクシーに乗る
なんてことはしなくて済むようになりますよ。
方向音痴とは?
まず、方向音痴とは何か?から説明していきます。
方向音痴とは、方向を認識するのが苦手な人をいいます。
こういった人は、位置関係や道順を経験してもなかなか覚えられないので、行った場所から駅まで戻れなかったりします。
方向音痴はなぜ起こる?
人間には、方向を検知する器官は備わっておらず、方向の認識は、空間関係の処理として、脳の海馬を通じて行われています。
ですから方向音痴の人は、空間への注意の向け方等の、脳の使い方に問題があると考えられています。
又、方向音痴の人は地図の読解が苦手で、勘頼りに動いてしまいますから、途中で目標を見失うと、迷ってしまう訳です。
方向音痴に男女差は無い?
方向音痴は女性に多いといったイメージがあると思います。
しかし実際は、単に女性の方が方向感覚に対する自己評価が低いだけで、方向感覚に男女差はないと考えられています。
2018年9日付の英紙、「Daily Mail」が以下の内容を報じています。
それは、全世界の55万人が参加した研究で、男女が平等な国ほど、地図の読解能力の性差も少ないというものです。
アメリカ、イギリス等の男女格差が少ない国は、地図の読解能力に男女差は少なく、ナビゲート能力が高い女性も多かったといいます。
人の空間認識能力は年齢、性別、文化により影響を受けるので、格差が少ないこういった国では、男女差が少なかったそうです。
大昔は狩りをしていたため、男性の方が空間認識能力が高かったかもしれませんが、現代では文化の影響の方が大きいようですね。
方向音痴チェックシート
以下に、自分の方向音痴の程度を確認するための項目を記載しましたので、これを参考にしてセルフチェックしてみましょう。
あてはまる数が多い程、より強い方向音痴である可能性が高くなります。
- 目印を見つけられない
- 通った道やそこにあった目印を覚えておくのが苦手
- 頭の中で空間や地図をイメージ出来ない
- 頭の中で地図を回転させる事が出来ない (地図そのものを回さないと認識出来ない)
- 地図の見方がよくわからない
- 普段から行動範囲が狭く、知らない街を歩く事があまりない(方向感覚が鍛えられていない)
- 道順を方角で示されると分かりづらい
- 事前に行く場所を調べたにも関わらず、迷ってしまう
- 自分がどっちから来たか忘れてしまう
- 知らない場所では迷わないか不安になる
- 目印になる物が何だったか忘れてしまう
- 言葉で道を教わっても上手く場所を把握出来ない
- 乗り物に乗っていると、東西南北が分からなくなる事がよくある
迷わず道を歩く方法
では、道に迷わず目的地に着くには、何をすれば良いのでしょうか。
ここでは、方向音痴の改善方法や、迷ってしまった際にどう対処すればいいかをを説明していきます。
まずは、方向音痴の改善方法から説明します。
方向音痴の治し方
方向音痴改善の重要ポイントは、以下です。
- 目印は動かないものにする
- 目印を2つ作る
- 曲がり角で自分の好きな物を目印にする
- 目印を逆側(曲がった後の側)からも見ておく
- 遠くの景色を意識する(山、高層ビル等)
- 各ポイントまでの時間を意識する
- 今日歩いた道を思い出して地図を書いてみる
- 定期的に知らない場所へ足を伸ばしてみる(方向感覚を鍛える)
では順に説明をしていきます。
目印は動かないものにする
停車している車等を目印にしてしまう人もいると思いますが、これをやってはいけません。
目印にする場合、看板等の動かない物を目印にしましょう。
なるべく大きい目印がベターです。
大きい目印は帰りの時間が遅くなり、暗くなっても目立つので、見付け易くなります。
目印を2つ作る
地図を見る際に、目印を2つ作る方法も有効です。
地図と現実を照らし合わせられる目印を2つ作る事で、この2つの位置関係から、自分の位置と方角を把握しやすくなります。
上記同様、なるべく目立つ大きい建物等を目標にすると良いでしょう。
曲がり角で自分の好きな物を目印にする
人は興味のある物程、覚え易くなる生き物です。
ですから、道を覚えるポイントとなる曲がり角で、自分の好きな物があれば、それを目印にするのも良いでしょう。
お洒落なカフェやガーデニング店、好きな花が咲いている家等、自分が関心持つ物を目印にしておけば、後で思い出し易くなります。
目印を逆側からも見ておく
表から見て目立つ看板でも、裏から見て何も書いていない場合もあります。
なので、曲がり角を曲がったら、必ず曲がった方からも目印を見ておく様にしましょう。
でないと、帰りに「あれ、目印が無い!」となって迷ってしまいます。
遠くの景色を意識する
高層ビルや遠くに見える山は、目標として見失いにくいので、これを目安にして、どちらに進んでいるか意識して動くと良いでしょう。
この時地図を見て、現在地と、どっちが北かを把握しておければ尚良いです。
景色が方向を教えてくれますから、地図を見ていた時の方向に向き直れば、東西南北の方向を確認出来ます。
各ポイントまでの時間を意識する
距離感がつかめず、方向音痴となっている人も少なからずいます。
そういった人の場合、目的地までを各ポイントに分け、そこまでの大まかな時間を割り出す方法が有効です。
例えば、あらかじめ曲がる場所にあるお店までの距離と、普段の移動速度から、大まかな時間を割り出す、といった事をしておきます。
これを目的地まで繰り返せば、通りすぎてしまった場合でも気づきやすくなり、迷いにくくなります。
今日歩いた道を思い出して地図を書いてみる
方向音痴を治す一番の方法は、海馬を反復して刺激する事です。
そのためには帰宅後に、その日歩いた道を思い出しながら地図を描くと良いでしょう。
この時、記憶している物だけを描くのがポイントです。
目的地までの経路を詳細に描く必要はなく、気づいた事や感じたことを書き込む様にします。
「ガーデニングショップに綺麗な花が咲いていた」等の情報を描いていきましょう。
描き終わったら、スマホの地図アプリ等を使って、自作の地図と比較します。
何度も言いますが、詳細まで正確である必要はありませんから、整合性を確認する程度で止めておいて良いです。
こういった日々のトレーニングを通じ、海馬が刺激された結果、記憶力がアップし、目印を覚え易くなり迷いにくくなります。
又、同時に地図を読む力も身に付きます。
通り慣れた道で普段からトレーニングを行う
海馬を刺激するためには、実践でのトレーニングも有効です。
普段から通り慣れた道を使って、目印を覚える訓練を積んでおくと良いでしょう。
通り慣れた道なら帰れなくなる事はありませんから、目印を覚えにくい内は、このトレーニング方法もおすすめです。
定期的に知らない場所へ足を伸ばしてみる
ある程度記憶する事に自信が出てきたら、知らない場所へ遊びに出かけてみるのも良いでしょう。
見慣れない景色の中で行動は、良い実践訓練となり、普段以上に海馬も刺激されますから記憶力もアップします。
違ったシチュエーションでトレーニング効果UP!
一度行った場所でも、昼と夜、平日と休日では印象は全く違います。
曜日や時間を変えて行けば、色々なシチュエーションを体験出来ますから、良いトレーニングになります。
ですから、海馬を鍛えるために、時にあえて条件を変えて行動してみるのも良いと思います。
それでも迷ってしまう人へ
ここでは、移動中に迷ってしまった場合や、なかなか方向音痴が改善出来ない人に有効な対処法を説明します。
対処法は、以下です。
- グーグルマップの設定を変えてみる
- 大通りに面する道へ出る
- 前に通った道へ戻る
- なるべく曲がる回数の少ない道を選ぶ
- 地図を回して位置を把握する
- 線路の方向から方角を導き出す
グーグルマップの設定を変えてみる
Googleマップは自分の位置が表示されるので、便利です。
ただ、使い方次第では、逆に位置を把握出来づらくなるので、注意が必要になります。
Googleマップを使う時に拡大ばかりしていませんか?
拡大ばかりだと、逆に目的地が画面に入らなくなり、現在地からの方向が分かりにくくなる場合もありますよ。
時には縮小して全体を表示した方が、目的地と現在地が把握しやすくなるケースも多いので、縮小も上手く使いましょう。
大通りに面する道へ出る
迷ってしまった場合はまず、大通りへ出る事です。
大通り自体が大きな目印になるので、まずそこへ移動し、そこから再度目標地点までの道を考えるのが良い方法です。
前に通った道へ戻る
迷った場合、無理をして進むと、深みにはまってしまいます。
ですから、大通りに移動するのと同様に、まず目印となる前にいた場所まで移動する事が肝心です。
なるべく曲がる回数の少ない道を選ぶ
曲がる回数が増えれば増える程、道に迷い易くなります。
ですので、迷わない様に歩くには、曲がる回数を減らすと良いでしょう。
そうする事で、記憶するべき目印も少なくて済みますから、覚えておきやすくなります。
地図を回して位置を把握する
始めにお伝えした様に、方向音痴の人の場合、地図をみるのが苦手な人も多くいます。
そういう人は、地図の方を自分に合わせても良いんです。
地図を地面と平行にし、自分の進行方向を前側にして持ちます。
この時、目安となる建物を作り、それを元に地図を回転させましょう。
すると、地図の向きと自分が向いている方向が一致するので、地図を認識しやすくなります。
線路の方向から方角を導き出す
駅構内にある周辺地図を見ても、方角が分からずどっちにいっていいか迷う時は、線路の方向を意識すると良いでしょう。
駅にもよりますが、駅構内の階段がホームと平行になっている場所も多くあります。
そのため、階段の方向を見れば、線路の方向を把握出来る場合も多くある訳です。
線路の方向を把握したら、電車の進行方向等を見て、どの方面がどの方角に対応しているかを確かめます。
そうすれば、進みたい方角が分かりますから、後は他の方法も参考にして目的地を目指すと良いでしょう。
まとめ
最後に、方向音痴の改善方法をおさらいします。
- 目印は動かないものにする
- 目印を2つ作る
- 曲がり角で自分の好きな物を目印にする
- 目印を逆側からも見ておく
- 遠くの景色を意識する
- 各ポイントまでの時間を意識する
- 今日歩いた道を思い出して地図を書いてみる
- 定期的に知らない場所へ足を伸ばしてみる
方向音痴を即座に治す薬はありませんから、ある程度の時間を要して訓練するしかありません。
その際に大切なのは、いやいや訓練するのではなく、楽しみながら行うことです。
ゆっくり自分のペースで行えばいいんです。
方向音痴が少しでも改善することを影ながら願ってます。