美容・健康

日光浴しないと骨が脆くなる!?紫外線と骨粗鬆症との深い関係

「40代を過ぎて外出の機会が減ってから、体のあちこちが痛くなった」

それ、もしかしたら骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の症状かもしれませんよ?

骨は日光に当たらないと、弱くなってしまうんです。

「でも、最近はコロナで外出自粛しなきゃいけないし」

ご心配なく。

短時間の日光浴でも充分効果がありますから、自宅にいる合間に出来ます。

賢くお日様の力を取り込んで、健康な体を手に入れましょう。

今回は、骨粗鬆症と紫外線との関係性についてお伝えします。

 

骨粗鬆症ってどんな病気?

始めに、骨粗鬆症について説明します。

骨粗鬆症とは、骨密度が下がり(中が穴だらけになり)、スカスカになった状態のことをいいます。

この状態では、穴だらけなのでとても弱く、ちょっとした衝撃で骨折をしてしまいます。

どうして骨粗鬆症になるの?

骨は常に形成と分解を繰り返しており、それによって一定の骨密度(骨の中の穴がどれだけ少ないか)に落ち着いています。

健康な人の場合、骨の生成能力が十分に高いので、骨密度も十分高くなります。

しかし、骨粗鬆症の人の場合、骨の生成能力よりも分解能力の方が大きくなっており、次第に骨が壊されていきます。

結果、骨がスカスカになり、穴だらけになってしまいます。

女性は、閉経によって女性ホルモンが減少すると、分解が盛んになり、バランスが崩れ密度が急に、かつ大幅に低下します。

ですから、女性の方が骨粗鬆症になりやすいと言えます。

骨粗鬆症になるとどういう症状が出るの?

初期の骨粗鬆症は、自覚症状があまり出ません。

進行するにつれて、徐々に背や腰の痛みや猫背、身長が縮むといった自覚症状が出てきます。

さらに進むと、ちょっとした事で骨折する様になります。

特に、手首や背骨、太股の付け根等に骨折を起こし易くなり、それが元で余計外出しなくなり、悪循環に陥るケースも少なくありません。

又、骨は免疫細胞を作り出していますから、骨が弱ると免疫力が低下してしまい、病気にもかかり易くなってしまいます。

骨粗鬆症のセルフチェック法

自分が骨粗鬆症になっていないか、セルフチェックしたいと思ったら、下記の項目でチェックしてみましょう。

  • 以前より身長が低くなった
  • 背中や腰が曲がってきた
  • 背中や腰に痛みを感じる

1つでも該当した場合、骨粗鬆症である可能性があります。

又、下記の症状がある場合も要注意です。

  • 食事量は少ないのに、お腹がすぐいっぱいになる
  • すぐに息切れがする
  • 以前から着ていた服の身丈が体に合わなくなった
  • 重いものを持ったり、立ち上がるときに腰が痛む

上記の様な症状がある場合は、下記の方法を参考にして早めに対策をする事をおすすめします。

必要なら、病院での診察も受けておくと良いでしょう。

 

紫外線と骨との関係

骨と紫外線は密接に関係しています。

ここでは、紫外線がもたらす骨への影響などについて説明します。

紫外線ってどんな性質を持っているの?

紫外線にはUV-A、UV-B、UV-Cの3種類あります。

UV-Aは持っているエネルギは一番低いものの、波長が一番長く皮膚の深くまで入り込みます。

UV-Cは最もエネルギーが大きく、波長が短いので一番皮膚に近い部分で吸収され、強い炎症を起こします。

UV-Bは中間の性質をもっています。

つまり、エネルギーが強い程、短時間に皮膚に及ぼす影響が大きくなり、波長が長い程、皮膚の奥まで入り込む性質を持ちます。

実際は、UV-Cのほとんどがオゾン層に吸収され、地上にはわずかしか届きません。

ですから、皮膚に影響するのは主にUV-AとUV-Bです。

UV-Aの方が大きなシミにつながる!

シミは、肌に黒色メラニンという物質が過剰に蓄積した結果、皮膚が部分的に茶色く見える状態をいいます。

メラニンは紫外線のダメージから皮膚を守ってくれる大事なもので、役目を終えると体の外へ排出されます。

しかしながら、多すぎると排出が間に合わず、過剰に蓄積され、シミ・そばかすの原因となります。

そして、このメラニンを作る元になるのが、UV-Aです。

皮膚は、表面が死んだ細胞で、内部は生きた細胞で出来ていますので、死んだ細胞にダメージを負っても大して問題ありません。

ところが、UV-Aは皮膚の深くに入り込むので、生きた細胞にダメージをあたえます。

すると、上記の様にして皮膚を守ろうとメラニンを出す訳です。

結果、UV-Aを多く浴びると皮膚に与える影響が大きくなり、後々残る大きなシミができるのです。

日に当たらないと骨が弱くなるって本当?

骨が生成するためには、各種の栄養素が必要です。

その中でも特に重要な役割を担っているのが、ビタミンDです。

ビタミンDには、食事で取ったカルシウムの吸収を促進したり、血中のカルシウム濃度を保つ作用があります。

又、骨の生成自体にも関わっています。

このビタミンDは、皮膚が紫外線に当たる事で作られるので、日に当たらないと体内で不足する恐れが出てきます。

なので、ビタミンDが不足すると、骨の生成能力が低下して骨がスカスカになるリスクが大きくなってくるんです。

ですから、夜型の生活をしている人は、骨粗鬆症になりやすい環境にいると言えるでしょう。

ガラス越しではビタミンDは作れない!

「それなら、窓越しに日に当たればいいや」と思うかも知れません。

しかし、それではほとんどビタミンDを作れません。

なぜなら、窓ガラスを通り抜けられるのは、UV-Aがほとんどで、UV-B、UV-Cはほぼブロックされます。

ですが体内でのビタミンD合成の主体をなす波長はUV-Bですから、ガラス越しでは骨への効果は期待出来ません。

上記で説明した通り、不要なシミを作る元になるだけです。

紫外線には多く当たる方がいいの?

ビタミンDを体内でたくさん作るには、紫外線に多く当たる方が良い様に感じるかもしれません。

しかし、それは間違いです。

上記にもあるように、紫外線はシミ等の原因にもなりますし、下記記事にもあるように、目にも悪い影響を及ぼします。

又、過剰な紫外線は皮膚がんの元にもなるため、当たり過ぎても悪い影響しかありませんので、時には美白やUV対策も必要とします。

ですから、紫外線に多く当たるかどうかではなく、いかに上手に当たるか、がポイントとなる訳です。

では具体的にどうすればいいかを、次の項で説明していきます。

紫外線による目への影響が危険!?赤くなる原因とすぐにできる対処法

目に与える紫外線の影響は肌にまで!?目の健康を保つための方法とは

日焼けは実は火傷!

日に焼けると肌が痛くなったり、赤くなったりしませんか?

実は、日焼けは火傷の一種だからこそ、そういった反応が出ます。

そして、火傷から身を守ろうとして、上記のメラニンが生成されるんです。

メラニン生成量の多い人は、火傷しにくい分シミ等が出来やすく、少ない人は、シミ等が出来にくい分火傷しやすいと言えます。

自分が火傷しやすいのかシミ等が出来やすいのかは、スキンタイプ(生まれ持った紫外線に対する肌の資質)で決まります。

スキンタイプにはIVIがあり、数字が小さい程、紫外線に影響されダメージを受けやすく、皮膚がんにもなり易いと言われます。

逆に数字が大きい程、シミやそばかすが出来やすい体質という事になります。(但し、黒人の人は別です)

各スキンタイプが、日焼け時にどう反応するかについての表を記載しました。

紫外線対策を考える上での参考にして頂ければと思います。

スキンタイプ 反応
I 常に赤くなる。その後時間が経っても皮膚の色が濃くならない(白人)
II 常に赤くなる。その後時間が経つと少しだけ皮膚の色が濃くなる
III 日焼け時に時々赤くなる。その後時間が経つと必ず皮膚の色が濃くなる(日本人に多い)
IV 日焼け時には赤くならない。その後時間が経つと必ず皮膚の色が濃くなる(日本人に多い)
V 元々褐色なので、日焼けしてもほとんど赤くならず、その後暗褐色になる。
VI 元々肌の色は暗褐色から黒色をしていて、紫外線を浴びても通常はほぼ火傷せず赤くならない。(黒人)

 

骨を強くする生活法

では、上手に紫外線を活用しながら骨を強化するために、何をすれば良いか説明していきます。

日に当たる際に重要となるポイントは、下記です。

  • 時間は最小限に止める
  • 日光浴の間は日焼け止めを使わない
  • 目は保護しておく
  • 日傘や帽子を着用する
  • 日陰を活用する
  • 曇り空の日は避ける
  • 足りない分を食事で補う
  • 運動する

では、さっそく順に見ていきましょう。

時間は最小限に止める

ビタミンDは日に当たる程増える訳ではなく、一定量の光に当たるとそれ以上合成しなくなります。

なので、過度に当たる必要はありません。

公益財団法人骨粗鬆症財団によると、夏は木陰で30分、冬は手や顔に1時間程度当たるだけで十分との事です。

日光浴の間は日焼け止めを使わない

日光浴の最中に日焼け止めを使うと、効果がほぼ無くなってしまいます。

ですので、日光浴をしている間は、日焼け止めを使わない方が良いでしょう。

又、メイクをしていると日焼けの効果が減ってしまいます。

でも、女性ならノーメイクという訳にはいかないでしょう?

メイクをしたまま日焼けをするには、手足を使う方法があります。

手足に当てるだけでも効果が期待出来ますから、こちらのやり方をおすすめします。

但し、日焼け止めを塗っていないので、上記を参考にして最小限の時間で行う様にするべきです。

目は保護しておく

上記記事にもあるように、目に対する紫外線の影響は無視出来ません。

ですから、日光浴の際にサングラスやUVをカットする眼鏡を着用すると良いでしょう。

「眼鏡やサングラスはちょっと」という方には、UVカットのコンタクトをおすすめします。

最近はいろいろな物がありますので、ご自身に合った物を探してみてはいかがでしょうか?

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日傘や帽子を着用する

上記記事内にも記載がありますが、眼鏡だけだと隙間から目に紫外線が入ってしまい、目に影響を及ぼします。

ですから、目を保護する上でも、日傘や帽子の活用をおすすめします。

UVカット加工された帽子も販売されていますので、上手く取り入れましょう。

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日陰を活用する

直射日光の下は紫外線の量も多く、皮膚の炎症にもつながります。

上記にもあるように、日陰でも十分日光浴出来ますし、熱中症予防にも有効ですから、上手く活用しましょう。

曇り空の日は避ける

曇り空の日でも紫外線は出ています。

しかし、曇りの日はUV-AとUV-Bの比率が晴れた日と違い、UV-Aがより多い紫外線になっています。

ウェザーニュースによると、曇りの日はUV-Aは晴天時の約75%、UV-Bは50%の紫外線量になるとのデータが示されています。

ですので、曇りの日に紫外線に当たる必要はありません。

ちなみに、ビタミンは水に溶けやすい水溶性と油に溶けやすい脂溶性に分けられます。

水溶性は排出されるのも早いので、あまり長く蓄えておけませんが、脂溶性は体内に貯蔵しやすいので水溶性より長く蓄えておけます。

ビタミンDも脂溶性のため、長く蓄えておける訳です。

おかげで、わざわざ肌トラブルを起こしやすい、UV-Aの多い日に当たらなくていいので、助かりますね。

足りない分を食事で補う

なかなか時間が取れなかったり、皮膚が弱く日に当たりたくない場合、食事やサプリメントでビタミンDを補う方法もあります。

魚やきのこ等はビタミンDを多く含んでいますから、積極的に取るようにしたいものです。

魚はビタミンDを特に多く含むので、献立を魚中心にするだけでも効果があります。

尚、必要量については下記で説明します。

DHC ビタミンD 30日分

必要な栄養量はどれ位?

日本人の食事摂取基準(2020年版)のデータでは、1日に必要なビタミンDの目安量は成人では8.5μg(マイクログラム)となっています。

但し、ビタミンDには取りすぎると問題になる事から、摂取上限量も設けられているので注意が必要です。

過剰摂取を長期間行った場合、血液中のカルシウム濃度が上昇し、血管や腎臓等の体のあちこちに多量のカルシウムが蓄積します。

そして、腎機能障害、食欲不振、嘔吐、神経興奮等の異常が現れます。

ですから、過剰摂取しないようにしましょう。

上限量は、成人では100μgです。

又、同時にカルシウムも不足しない様に摂取しましょう。

カルシウムが不足すると、足りない分を骨から抜き出して使おうとするので、骨粗鬆症が加速させる事になりかねません。

ただ、取りすぎると、上記にあるようにカルシウム過剰症が出るので、注意を必要とします。

成人のカルシウム目安量と上限量は、以下です。

目安量

  • 男性(18〜29歳) 650mg
  • 男性(30歳以上) 600mg
  • 女性 550mg

上限量 2500mg

日本人の食事摂取基準(2020年版)

ビタミンDを多く含む食品リスト

下記に、ビタミンDを多く含む食品のリストを記載します。

食品 可食部100g中の含有量(μg)
焼き鮭 39.4
イクラ 44.0
さんまの開き干し 14.0
塩サバ 11.0
エリンギ 1.2
まいたけ 4.9
鶏卵(生) 1.8

カルシウムを多く含む食品リスト

下記に、カルシウムを多く含む食品のリストを記載します。

食品 可食部100g中の含有量(mg)
牛乳 110
低脂肪ヨーグルト(砂糖なし) 130
プロセスチーズ 630
煮干し 2200
焼きししゃも 360
さんまのみりん干し 120

運動する

せっかく上手に日光浴出来ても、運動不足では元も子もありません。

骨は、スポンジが握ったり手を開いたりすると水を吸うのと同様に、力をかけたり抜いたりすると、カルシウムを取り込めるんです。

ですから、定期的にウォーキング等をすると骨が強くなります。

外へ出れない時は、その場で足踏みするだけでも効果があります。

ただし、無理をしない範囲で行う様にしましょう。

 

まとめ

紫外線を活用しつつ、骨を強化するための重要なポイントを、今一度おさらいしておきましょう。

  • 時間は最小限に止める
  • 日光浴の間は日焼け止めを使わない
  • 目は保護しておく
  • 日傘や帽子を着用する
  • 日陰を活用する
  • 曇り空の日は避ける
  • 足りない分を食事で補う
  • 運動する

紫外線は人体に有害なものです。

しかし、太陽の光は時に骨を強くし、植物に息吹を与え、冬には温もりを与えてくれます。

賢くお日様の光と付き合っていれば、時には心に安らぎを与えてくれる事もありますよ。

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